バットマンのイトコが活躍!英雄不在のゴッサム・シティに現れた女性ヒーロー『Batwoman』

DCの大人気キャラクター、バットマンの新たなシリーズが誕生した。『Batwoman(原題)』は、バットマンのイトコがゴッサム・シティの治安維持に乗り出すヒーローアクション。10月上旬から米CWで放送されている。

バットマン不在のゴッサム・シティで

慣れ親しんだゴッサムの街に久々に舞い戻ったケイト(『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』のルビー・ローズ)。彼女のイトコ、ブルース・ウェインは3年ほど前から失踪しており、いまだ消息が知れない。彼こそがバットマンなのだがケイトはその正体を知らない。そんな中、正義の使者を失ったゴッサム・シティは悪の巣窟と化しつつあった。

事態を重く見たケイトの父(『ヘムロック・グローヴ』のダグレイ・スコット)は"クロウズ"と呼ばれる私的護衛組織を率いるが、強力な悪を相手に苦戦を強いられる。街にはアリス(『REIGN/クイーン・メアリー』のレイチェル・スカーステン)と名乗る悪党がのさばり、その手下たちによる犯罪行為が横行。アリスの魔の手が愛する者に伸びた時、イトコの正体を知ったケイトはヒーローコスチュームに身を包み、バットウーマンとしてゴッサム・シティの夜空にその姿を現す。

『ARROW/アロー』のテイストも

ヒーローアクション作品の中でも絶大な人気を誇るバットマンシリーズ。これまで様々な作品が作られてきただけに新たなシリーズには斬新な趣向が求められるところだが、その点で本作はひとまず成功している、と米Variety誌。ケイトという新たな女性キャラクターを中心に据え、過去の作品とは一味違ったテイストを打ち出した。

本作の特色として、フェミニストの視点が強く感じられると述べるのは米TV Guide誌。同時に本家のダークな空気感もしっかりと継承し、シリーズの統一性も確保。単純な勧善懲悪というよりは、生身のヒーローを通じて現実に生きることの厳しさを語る内容だ。スーパーヒーローの過酷な境遇を示した作品という意味では、同じDCコミック原作でシリーズ完結が決まっているドラマ『ARROW/アロー』に近いと言えるだろう。


ヒロインも相手役も敵役も女性

本シリーズがダークな空気感を醸し出している一つの要因は、主人公ケイトが抱える過去にある。幼くして彼女は自分も同乗していた車の事故で母および双子の姉を失い、生涯消えないトラウマを背負うこととなった。ブルースも子どもの頃に目の前で両親を殺されており、本作では意図的に同じ構図が取られているようだ。

短髪に黒の革ジャンという出で立ちに、不屈の精神が宿る瞳が印象的なケイト。そんな彼女の同性愛者という側面も注目だと、Variety誌とTV Guide誌は言及している。ヴィランのアリスに元恋人を奪われた彼女。ゴッサム・シティの治安の行方とともに、ケイトの内に燃えたぎる私怨にも注目したい。

過去を背負った女性がゴッサム・シティの闇夜を駆ける『Batwoman』は、米CWで放送中。『ARROW/アロー』はNetflixで配信中だ。(海外ドラマNAVI)