話題性がモノをいうTVドラマの世界では、良質なコンテンツがいつも日の目を見るとは限らない。人々を虜にする魅力を秘めながらも、公開後数年間も埋もれているドラマ作品は数知れない。米情報誌のBest Lifeは、こうした無名の期間を経て人気に火がついた10作品を紹介している。
ゆっくりと知名度上昇
同誌が挙げる、時間をかけて人気を得ていった作品は以下の通り。サイコスリラー『YOU ー君がすべてー』や心温まる『ワンデイ 家族のうた』などは、今日多くのメディアに取り上げられている秀作だ。映画版も含めて知名度が高い『ハンニバル』なども挙がっている。どれも好評を得ている作品だけに、初登場時には見向きもされなかったのが不思議でならない。なお、かっこ内は日本での配信情報を示している。
1.『YOU ー君がすべてー』(Netflix)
2.『LEFTOVERS/残された世界』
3.『Pretty Wild(原題)』
4.『ワンデイ 家族のうた』(Netflix)
5.『THE KILLING ~闇に眠る美少女』
6.『ハンニバル』(Hulu)
7.『エセックスの人々』(Netflix)
8.『Happy Endings(原題)』
9.『ホルト・アンド・キャッチ・ファイア 制御不能な夢と野心』(Hulu)
10.『クーガータウン』
ダークな世界感の2作品と心から笑えるコメディ
リストに登場したドラマの中から、スリリングな展開が売りの2作品と心から笑える陽気なヒューマンコメディ1作品を紹介しよう。
・『YOU ー君がすべてー』
運命の出会いがいつしか最悪の恐怖へと変わる心理スリラー。女子大学院生のベックは、将来作家になることを夢見ている。ふと立ち寄ったNYの古書店で店長のジョーと出会い素敵な時間を過ごすが、甘いひと時は恐怖のストーキング体験の序章でしかなく...。
【関連記事】異例の大ヒットドラマ『YOU ー君がすべてー』、世に出るまでに2年半掛った理由とは?
2018年9月上旬に米Lifetimeで放送開始した本作は2ヶ月で配信権をNetflixに譲渡。しかし可能性を見込んだNetflixは、2018年12月下旬から配信をスタートすると瞬く間にSNSを中心に人気が広まり、4000万人以上が視聴する人気作に昇華した。シーズン2の配信を12月26日(木)に控えている。
・『THE KILLING ~闇に眠る美少女』
シアトルを舞台に起こる事件に関わる人物たちの人間模様を浮き彫りにする刺激的なサスペンス。米AMCが2011年から3シーズンを放送した本作では、退職を目前に控える刑事のサラが最後の難事件に挑戦。17歳の少女・ロージーが失踪し、なぜか彼女の遺体が水没した選挙車のトランクから発見される。サラは後釜となるステファンとともに捜査を進めるが、やがて二人は市長選に関した黒い疑惑へと引きずり込まれてゆく。
【関連記事】米クリエイターも要注目!『THE KILLING』にみる、北欧ドラマとアメリカン・ドラマの相性
爆発的人気には至らなかったものの手堅いファン層を持ち、AMCによる2度のキャンセルを経て2013年11月にNetflixに引き継がれ、シリーズを締めくくる全6話のシーズン4が製作された。
・『ワンデイ 家族のうた』
1975年から1984年まで米CBSで放送された、心から笑える同名コメディのリメイク作品。最近夫と別れシングルマザーになったペネロぺは、キューバからアメリカに渡った移民のひとり。気が強くめげない性格を武器に、ティーンエイジャーの娘たちと毎日を明るく騒々しく生きる。
【関連記事】キャンセルとなった『ワンデイ 家族のうた』、救済の障害はNetflixとの契約縛り!?
ラテン系の豪華キャストも見どころで、刑事コメディ『ブルックリン・ナイン-ナイン』エイミー役のメリッサ・フメーロらがゲスト出演している。Netflixは3シーズンでキャンセルを発表したが、その価値を認めた米ケーブル局のPopが続編製作を決定、2020年に放送予定だ。
以上、Best Life誌による、後から人気に火がついた秀作ドラマ10作をお伝えした。リリース当初はその良さが見過ごされていたが、どれも後から評価が見直された作品ばかり。現在配信中の作品のなかにも、将来の大ヒット作品が潜んでいるかもしれない。(海外ドラマNAVI)
Photo:『YOU ー君がすべてー』シーズン2© Tyler Golden/Netflix 『THE KILLING ~闇に眠る美少女』© Netflix 『THE KILLING』©AMC 『ワンデイ-家族のうた-』シーズン2© Mike Yarish/Netflix 『ホルト・アンド・キャッチ・ファイア 制御不能な夢と野心』© 2016 AMC Films Holdings, LLC. All Rights Reserved.