【ランキング】TIME誌が選ぶ2019年ベストドラマ Netflix、Amazonのオリジナル作品も多数ランクイン

米TIME誌は11月末、今年のドラマ・ベスト10を発表した。話題の『フリーバッグ Fleabag』から、しっとりと心に語りかける『Back to Life(原題)』のような名作まで、多様な作品が揃う。日本からも楽しめる作品を中心に、全10作品をチェックしてみよう。

米TIME誌が独断で選ぶベスト10はこちら

ランキングは10位から順に次のような顔ぶれとなった。現時点で日本でも視聴できるものはかっこ内に記載している。

10位:『Back to Life(原題)』
9位:『ボクらを見る目』(Netflixで配信中)
8位:『ウォッチメン』(2020年1月31日(金)よりスターチャンネルにて放送)
7位:『アンダン ~時を超える者~』(Amazon Prime Videoで配信中)
6位:『David Makes Man(原題)』
5位:『ロッジ49』(Amazon Prime Video)
4位:『Vida(原題)』
3位:『キング・オブ・メディア』(Amazon Prime Videoで『サクセッション』というタイトルで配信中)
2位:『ロシアン・ドール:謎のタイムループ』(Netflix)
1位:『Fleabag フリーバッグ』(Amazon Prime Video)

次節で日本配信作をご紹介するが、その前に未上陸作品にも軽く触れておきたい。10位『Back to Life』は、ときに辛辣、ときに心温まるコメディ作品。刑期を終え出所した女性が、故郷の町で社会復帰に挑戦する。8位『ウォッチメン』は、映画『ウォッチメン』のドラマ版。映画版はNetflixで配信中だ。4位の『Vida』は、再開発に揺れるロス郊外をテーマにしたミニシリーズ。白人系デベロッパーが黒人のコミュニティを奪っているという、実際に起きている社会問題に光をあてる。いずれも興味深い作品ばかりで、日本での配信が待たれるところだ。

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Netflixで楽しむ2作品

さて、ここからはNetflixで現在国内配信中のシリーズをご紹介しよう。

前掲の『Vida』は人種の壁を扱う作品だが、9位ランクインの『ボクらを見る目』もテーマは近そうだ。ニューヨークのセントラルパークで実際に起きた、とある暴行事件。その容疑者として、アフリカ系アメリカ人が多く住むハーレム地区の少年5人が不当に逮捕される。自白の強要、少年鑑別所での生活、そしてそれに続く法廷闘争。少年たちへの不適切な待遇は、やがてアメリカ中の関心を引くことになる。4話のリミテッドシリーズながら、深く考えさせられる内容でランクインとなった。

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Netflixで配信中のもう1作『ロシアン・ドール:謎のタイムループ』は、がらりと変わってSFコメディドラマだ。36歳になったナディアは、誕生日の夜に不運にも車にひかれてしまう。しかしその痛ましい事故は、同じ日を何度もループするという超常的な事態の始まりでしかなかった。どれだけ気をつけて過ごしても、一日の終わりまでに結局死んでしまうナディア。涙と笑いを誘うストーリーに引き込まれる。

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Amazonではコメディなど4シリーズを配信

続いて、現在Amazonで楽しめる4作品を見てみよう。7位の『アンダン ~時を超える者~』は、リアルなタッチのアニメ作品。交通事故にあった主人公は、タイムスリップの能力を獲得。父親が巻き込まれた殺人事件を防ぐため、過去に戻って運命を変えようと試みる。

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5位は、人生ピンチなサーファー青年の生活を追うコメディ『ロッジ49』。カリフォルニアに暮らすダッドは、父親と死別したうえに生まれ育った家も手放すことになり、人生の崖っぷちに立たされる。そんなことは微塵も感じさせない彼は、海岸で拾った不思議な指輪に導かれ、同じく今日を明るく生きる「秘密結社」のもとへと導かれる。海辺で気ままに暮らすダッドと、破天荒な運命を全力で楽しむ仲間たち。ほろ苦さのなかにも、心の底にじわりと元気を注入してくれるようなコメディ作品だ。

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同じコメディでも、3位に挙がっている『キング・オブ・メディア(『サクセッション』)』はピリリと風刺が効いた作風。巨大な世界的メディア企業を率いる老齢のCEOと、世代交代で出世を狙う息子・娘たち。父親の続投宣言にも諦めない彼らは、メディア王の座を手にするため水面下で駆け引きを繰り広げる。株価の急落、資金調達、TV局との提携をめぐる腹黒い計画など、お家騒動を壮大なスケールで描く。

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1位に輝いたのは、我が道をゆくロンドン女性を主人公にした『Fleabag フリーバッグ』。2016年に登場し、エミー賞をはじめとする各賞を総なめにした人気コメディシリーズに、待望のシーズン2が今年お目見えした。父親が再婚すると知ったフリーバッグだが、その相手は自身と折り合いが良くない女性。居心地の悪い会食の席をなんとか乗り切るが...。不器用さを隠しながら生きるフリーバッグに、痛々しさと愛おしさを同時に覚えるような、不思議な魅力のある作品だ。型破りな神父との間に芽生える、フリーバッグの恋の行方にも注目したい。

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以上、TIME誌が推す2019年のドラマ作品10本をご紹介した。ジャンルを越え、さまざまな作品を網羅している印象だ。興味を引かれるタイトルがあれば、いつもは見ないジャンルの作品に挑戦してみるのも良いかもしれない。(海外ドラマNAVI)

Photo:『ウォッチメン』(c)2019 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO(R) and related channels and service marks are the property of Home Box Office, Inc./ Amazon Original『アンダン ~時を超える者~』 シーズン1/ 『ロッジ49』(c)Jackson Lee Davis/AMC/Amazon Prime Original 『Fleabag フリーバッグ』シーズン2/ 『キング・オブ・メディア/メディア王~華麗なる一族~』(『サクセッション』)©2018 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and related/『ロシアン・ドール:謎のタイムループ』