ホラーの巨匠として知られるスティーヴン・キング原作&製作総指揮を務める『ミスター・メルセデス』などの作品で知られる米AT&T Audience Network局が終了することが明らかになった。米Varietyが報じている。
予定では、今年の春にAudience Networkが閉じると言われているが、関係者によるとその後はワーナーメディアの新配信サービス「HBO Max」に移行するようだ。
親会社であるAT&Tのコンシューマー部コンテンツ責任者のダニエル・ヨークは、次のように述べた。「Audience Networkのチームが長年にわたって多くの成功を収めたことを誇りに思い、感謝しています。素晴らしいスタジオパートナーとともに、ユニークで新鮮で斬新な作品を製作しました。20年前、我々はオリジナルコンテンツで差別化した最初の有料TV局であり、製作チームは弊社のビジョンである"常にオリジナルで、絶対平凡になるな"を見事に実現しました」
同放送局が製作したオリジナル作品については、後日アナウンスされるという。しかし、Audience Networkオリジナルの数は少ない。『ミスター・メルセデス』は局の代表作の一つだが、昨年11月にシーズン3の最終話が放送されたばかりでシーズン4へ更新されるのかは現時点、明らかになっていない。その他、コメディドラマ『ラウダーミルクの人生やり直し手伝います』は、2018年12月にシーズン3へ更新されたが、まだ放送されてない。2018年7月にシーズン2へ更新されたスリラードラマ『コンドル ~狙われたCIA分析官~』も予告編は上がっているものの同じ状況だ。コメディドラマ『僕と君と彼女の関係』は、昨年5月に最終シーズンであるシーズン5に更新されている。
今回のことにより、当然同社での大量解雇などが予想されるが広報担当者は「パートナーであるワーナーメディアと弊社の移行について、今後数週間は雇用数などについても話し合っていかねばなりません」とだけ述べた。
Audience Networkは視聴率を稼ぐとこが出来ず、親会社であるAT&Tは現在HBO Maxに力を入れている。だが、ワーナーメディア傘下の作品については、懸念されていることもある。DC Universeのオリジナル作品である『Doom Patrol(原題)』は、配信サービスのDC UniverseとHBO Maxの両方でシーズン2を配信予定。同様に、新作ドラマ『Stargirl(原題)』は、DC Universeで配信された翌日に米CWで放映され、さらにCWのデジタル配信サービスでも視聴ができるという、ライバル間で共有される。
配信サービスやTV局が淘汰される時代ゆえのことだが、作品の放送局がはっきりしないという移行期間のような時期が今後も出てきそうだ。(海外ドラマNAVI)
Photo:『ミスター・メルセデス』(c) 2017 Sonar Entertainment Distribution, LLC. All Rights Reserved.