社会正義や自然科学、時代を先取りした英雄、犯罪ノンフィクション、さらには本当にあった不思議な出来事など、数々の素晴らしいドキュメンタリーを取りそろえる動画配信サービスのNetflix。間もなく配信開始となる注目のリミテッドシリーズを紹介しよう。
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◆『タイガーキング:ブリーダーは虎より強者?!』
まずは3月20日(金)より配信開始したばかりの注目作から。本作は、トラの繁殖と飼育に関わる人々にフォーカス。猛獣に魅せられた男女の常軌を逸した行動と、本当にあった殺人依頼。私設動物園の園長が犯した罪を軸に、トラの繁殖にまつわる知られざる裏の世界を映しだす。猛獣よりも危険な飼い主たちの姿を浮き彫りにするリミテッドシリーズ。
オクラホマ州の沿道で私設動物園を営むマレットヘアのカントリー歌手ジョー・エキゾチックは、銃で武装した一夫多妻主義。登場人物はそんなジョーの他、麻薬王、詐欺師、カルト教団のリーダーなど、見当違いのカリスマ性を見せる信じがたいほど強烈な人々が揃う。彼らは皆トラに魅せられ、危険な猛獣がもたらすステータスや視線に情熱を注いでいる。しかし、トラ保護区を所有する動物愛護運動家のキャロル・バスキンから廃業に追いやると脅されて、事態は暗転。対抗意識の末に委託殺人を企てたとしてジョーは逮捕されてしまう。
4月1日(水)配信
◆『化学者の麻薬スキャンダル』
薬物を分析する二人の化学者による、司法制度をゆがませた衝撃的な犯罪。渦中の弁護士、司法当局、そして数千人もの受刑者に問う、「一体、正義とは何なのか」。全4話構成のTVドキュメンタリーで、刑事司法制度の本質とそこに潜む闇を検証する。
2013年、マサチューセッツ州警察は犯罪薬物研究所に勤める35才の化学者、ソニヤ・ファラクを証拠改ざんの容疑で逮捕。しかしそれは、あるスキャンダルの序章にすぎなかった。次第にファラクが検査を担当した薬物を自ら使用していた事実とその詳細が明らかになり、薬物依存の全容と彼女が担当した薬物検査により有罪判決を受けた人々の数が明かされていく――。
4月15日(水)配信
◆『イノセンスファイル』
えん罪の裏に隠された知られざる人間ドラマに光を当てる本作は、非営利団体イノセンス・プロジェクトやイノセンス・ネットワークに所属する組織が公表し、判決をくつがえそうと挑み続けた8事例に密着するリミテッドシリーズ。全9話の本シリーズは、証拠、目撃者、検察という3部構成で事件を取り上げ、米国の刑事司法制度が抱える深刻な欠陥と厳しい現実に迫る。同時に、無実の人間が有罪を宣告されるなかで人生と家族、犯罪被害者が取り返しのつかないダメージを受け、制度への信頼が崩れていく過程を浮き彫りにする。
製作総指揮と監督を手掛けるのは、伝記ドキュメンタリー映画『ニーナ・シモン ~魂の歌』でアカデミー賞にノミネートされたリズ・ガーバスと、『闇へ』でオスカーを獲得し『倒壊する巨塔 - アルカイダと「9.11」への道』も手掛けたアレックス・ギブニー、同じくオスカー監督のロジャー・ロス・ウィリアムズ(『ぼくと魔法の言葉たち』)。
(海外ドラマNAVI)
Photo:『化学者の麻薬スキャンダル』©Netflix/『イノセンスファイル』©Netflix