『ウォーキング・デッド』ミショーン役のダナイ・グリラ、降板について明かす

米AMCの大人気サバイバル・パニックドラマ『ウォーキング・デッド』で、シーズン3よりミショーンを演じるダナイ・グリラがシーズン10をもって降板した。彼女がシリーズに対する想いを米The Hollywood Reporter(以下THR)のインタビューで語ったのでご紹介しよう。(※本記事は、シーズン10第13話「選択」のネタバレを含みます)

シーズン10第13話におけるミショーンの行動

これでダナイの出番は終わった。『ウォーキング・デッド』のシーズン10第13話「選択」で、刀を振り回すミショーンがゾンビが蔓延る世界を離れ、リック・グライムズ(アンドリュー・リンカーン)を探すという新たな冒険に出ることになった。

第13話「選択」は、囁く(ささやく)者との戦いで使える大量の武器を保管している、遠く離れた島に住んでいると主張する新しい旅の仲間バージル(ケヴィン・キャロル)とミショーンを中心に描かれる。だが、家族を失った悲しみにより狂気に追い込まれていたバージルはミショーンを捕らえ、幻覚剤を飲ませる。薬を飲まされたミショーンは、アンドレア(ローリー・ホールデン)と仲間にならず、リックのグループと出会っていなかった人生を幻覚で見るように。

その別世界でミショーンは、なんと救世主たちの仲間になってニーガン(ジェフリー・ディーン・モーガン)と親友になり、あの悪名高きシーンでニーガンの立場に立ってグレン(スティーヴン・ユァン)を殺し、他の人も手にかける。その一連のシーンは、新たな映像と過去の映像を組み合わせて描写されていた。

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その後、幻想から覚めて正気を取り戻したミショーンは優位に立ち、バージルの命を奪おうと島に捕えられていた仲間を説得。さらに島に関する情報を深く掘り下げる中、ミショーンはリックが生きているという新たな証拠を発見するのだった。娘のジュディス(ケイリー・フレミング)と無線で会話をした後、ミショーンはずっと昔に失われた愛を見つけるため、旅に出ることを決意する。第13話は、ミショーンが荒れ地で出会った見知らぬ人物二人を救い、結果として新たな生存者のコミュニティに加わる可能性をほのめかせて終了した。

ミショーン役ダナイ・グリラ鋼板の理由とは

『ウォーキング・デッド』のユニバースで、これがミショーンを目にする最後なのだろうか? 以前のインタビューで、シリーズのチーフ・コンテンツ・オフィサーであるスコット・M・ギンプルが、リックを主人公にした長編映画であれミショーンのスピンオフであれ、彼女のためにプランがあると述べていたことから、最後ではあり得ないだろう。

だが、ダナイ自身はミショーンの今後についてはお茶を濁し、「その点についてどれだけ話せるか分からないけど、どのような形で終わるかは分かるんじゃないかしら」とコメントするにとどまっていた。今のところ彼女はマーベル映画『ブラックパンサー』で共演したルピタ・ニョンゴが主演を務める女流作家チママンダ・ンゴズィ・アディーチェによる同名小説を米HBO Maxがドラマ化する『Americanah(原題)』に集中している。

ダナイは、新型コロナウイルスが世界的に蔓延する中、シリーズの状況について「現在、すべてが保留中なの」と答えている。「私たちは、すべてが変化しつつある世界にいる。お互いから孤立していると感じるけど、完全に繋がりを断ち切る必要はない。世界で何が起きているのか、あらゆる人たち、あらゆるものに対して何が起きているのかを一つひとつ理解している。でも、仕事は成されている。人々と共鳴し合える物語を伝え続けたいという気持ちは間違いなく私の核だし、今後も続いていく」と語った。

ミショーン役ダナイ・グリラのインタビュー抜粋

ここからは、ミショーンに別れを告げることについてTHRに語ったダナイのインタビューを引用しよう。幸いにも永遠ではないようだが、ひとまずはこれでしばらく彼女とはお別れになるだろう。

――ミショーンの旅立ちについて、どれぐらい前に連絡がありましたか?

『ウォーキング・デッド』に素晴らしい脚本家チームがいることに感謝しているし、(ショーランナーの)アンジェラ・カンは卓越した舵取り役だわ。実のところ、去年の今頃は『Americanah』の脚本家ルームにいたのだけど、アンジェラがシーズン10第13話のために、映画『スライディング・ドア』のような、‟もしも"の要素を組み込むことについて語ってくれたの。面白いと思ったわ。ミショーンがシリーズを去る時、実際とは対照的な存在に成り得た姿を見せることは、彼女に敬意を表す寛大な方法だと感じて、そのアイデアがすごく気に入った。アンジェラは驚くべきほど協力的で、彼らは素晴らしいキャラクターを築いていて、私も多少なりとも貢献したわ。要するに、そのエピソードで視聴者が目にしたことは、脚本家ルームで思いついたことなの。

――その第13話でミショーンがどんな人間になり得たかを視聴者は目にしたわけですが、シリーズから退場する時に実際のミショーンはどんな人間になったと思われますか?

ミショーンは、心と真実によって機能する実用的な戦士よね。それは、彼女が戦士になるための旅だったかもしれない。心も真実も威厳も奪われた時に何が起こるか、そして戦士として彼女が持っている力で何ができるかが描かれるの。(アンドレアについて)ミショーンが下した選択の一つは予告映像に登場したシーンとは逆で、彼女はアンドレアを助けない選択をしたことが明かされる。その一つの選択により彼女は旅に出た。

すべては一つの選択と重要な選択が軸になっている。たった一つの選択を基にしていたら、あなたの人生はどうなるかしら? ミショーンが人間性と大きな繋がりを失っていた時にアンドレアを見捨てる選択をして、視聴者は"あり得たかもしれないミショーンが辿る道"を見ることになる。このようにアンドレアが物語にフィットするのを見て、私はゾクっとしてしまった。ミショーンの人間性に踏み込みつつ演じることを選び、番組に出演するようになった時は私にとってとても重要な瞬間だった。もしその道を選んでいなかったら、どうなっていたかしら?

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ミショーンは最後のエピソードでも彼女らしいところを見せたわね。自分にとって不都合であっても見知らぬ人を助けた。それが真実よ。彼女は人を助け、能力を生かして人の運命を変えることができる女性なの。そうするだけの力があるのよ。ミショーンはその役を果たし続け、そういう人間になったの。これからも他人を助ける存在であり続けるし、私はミショーンがああいう形で去って嬉しかった。彼女はリックを見つけに行き、困っている人を助けるはず。彼女は、それを実行できるだけの能力が自分にはあると知っているし、彼女の物語に関してはいろんな可能性が生まれたから、今後どうなるかお楽しみね。

――ミショーンがシリーズで生き延びなかったバージョンについて、脚本家と話し合いましたか?

その決定は、物語の紡ぎ手に委ねなければならなかった。でもそれは、私自身が距離を置く必要があると言ったからなの。私はアーティストとして、ミショーンが辿る旅の他の側面にも自分を捧げる時だとほろ苦くも感じていた。つらかったけど、番組の観点からしてキャラクターと距離を置かなくちゃいけなかった。だから、どのようにミショーンの退場を描くかは彼らに任せたわ。そういった決断を脚本家に下してもらうことは私にとって重要だったし、脚本家が彼女のために決めたラストにすごく満足してる。誰かからミショーンがウォーカーにならなくてガッカリしたかと聞かれたら、そうは思わないと答えるわね(笑)

――"もしも"の展開の撮影はいかがでしたか? 元の映像を再編集したほか、新しい映像も一部使われていましたが...。

まさに旅をしているようだった。アンドレアに対するミショーンの反応もね。あれは合成映像だったんだけど、みんなと同じように画面上で見たら、ミショーンがアンドレアを見捨てるのを見て私もビックリしちゃった。シリーズで、私が最初に登場するシーンだったんだもの!

(もしもの世界での)アンドレアは、私とミショーンにとって拭い切れない過去だった。彼女が立ち去るのを見るのは胸が痛んだわ。製作チームが丹念にデザインしたアンドレアの遺体のそばにミショーンが立っているのを見て、アンドレアがなっていたであろう姿を見事に体現していると思ったし、その姿はただ酷かった。

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ただ、これは何も気にしないと決めたバージョンのミショーンであって、その時点ではアンドレアを見捨てることがミショーンには可能だった。私としては、"彼女は単なる死体の一つよ。それよりもナイフと水を見つけなきゃ"と思っているかのように演じたの。そのシーンを演じるのは奇妙で、本当に気が変になったような気がした。クリエイティブな面ではすごく楽しかったけど、それが理にかなっているなら恐ろしいことでもあったわね(笑) とってもクレイジーなことなのに、もしこれを現実のこととして演じなければならないならね。

生存者たちが並んで殺されるシーンも本当に酷かった。私は救世主たちの"正義"に取り入る必要があったの。復讐は、私が納得しなくちゃいけないことだった。それは、リックと彼の家族が代わりにしていたであろうこととまさに同じ。ミショーンが絶望していた時期に自分を救ってくれた人と一緒にいるにもかかわらず、そんな心境になるのは奇妙なことに正当性がある。それが救世主たちがミショーンにしたことだしね? (ニーガンのために)仕事をして、ミショーンが彼の親友かつ右腕だなんて…かなりブっ飛んでるわよね。そのシーンは楽しかったけどダークでもあった。グレンたちが殺されるシーンでミショーンがリックの顔を見つめて立場が変わったり、これらのキャラクターすべての対を成す姿が描かれて、その場ですべてが混ぜ合わされているのが本当に素晴らしかった。リックとミショーンの間に漂う瞬間にゾっとしたしね。

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Disney+ (ディズニープラス)

私はミショーンの魂の中で生きることに多くの時間を費やしたし、(最終話で)ミショーンに起こったすべての出来事は彼女にとって最悪の悪夢だった。彼女は一つの選択により、最悪の人物になっていたかもしれないことを理解しているの。

――物語を超越して"もしも"について語るなら、あなた自身がミショーン役を獲得せずに『ウォーキング・デッド』に出演していなかった世界もあり得ますよね。それは一体どんな世界なのでしょう? その世界のことを考えたら、女優としても個人としても、あなたにとって本作の一員であることが何を意味していたかについてどんなことが言えますか?

すべてが違っていたわ。間違いなくね。もしオーディションを受けていなかったら? もし役を獲得していなかったら? 想像もできないわ。この業界における協力的要素と尊敬を理解できる人間になることを学んだだけじゃなく、何年も一緒に仕事をした後に家族のように感じられる人たちとも出会えた。それが、『ウォーキング・デッド』の家族を通して学べた美しいものね。本作で仕事をした人たちは深い愛で結ばれていて、この場所から去ることが本当につらい。ここで家族を得たから。

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本作を通してアーティストとして学び成長し、人生の次の段階へ踏み出すための道を何通りも作ることができた。シリーズで出会った人たちは、永遠に近しい存在よ。彼らは私の人間性を形作った大切な人たちで、これからも私の人生に存在し続けるわ。自分にとってメンターになった人もいるし、私が導くことができた人もいた。

アーティストとして、そして人間として、本当にすべてが意味を成していたの。すごく深遠だわ。ファンとも絆を結んだし、彼らの寛大さにより、いかにミショーンがファンと共鳴し合えていたかを感じられた。コミコンで質問をしてくれた少女が、チャリティ団体「Love Our Girls」を設立する大きなきっかけになった。何年にもわたり何百人ものファンと築いた大切な絆は、何物にも変えられないわ。

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Photo:『ウォーキング・デッド』(c)Eliza Morse/AMC/ (c)Jackson Lee Davis/AMC/ (c)Gene Page/AMC