2011年に公開された新型ウイルスの恐怖を描いた映画『コンテイジョン』。未知の致死性ウイルスが猛烈な勢いで世界中に拡散していく恐怖と混乱を描き、新型コロナウイルスが蔓延する今日、再びスポットライトを浴びるようになった注目作で脚本を担ったのがスコット・Z・バーンズ。そのバーンズが『ウォーキング・デッド』や『ブレイキング・バッド』を世に送り出した米AMCとタッグを組んで新作ミュージカル・アンソロジーを製作することが明らかになった。米Deadlineが報じている。
バーンズとマーク・ジョンソン(『ブレイキング・バッド』製作総指揮)がAMCで製作するミュージカル・アンソロジーのタイトルは『National Anthem(原題)』で、全8話構成。本作はアメリカ中西部に暮らす中流階級の家族を中心に、彼らがアメリカ社会で転落していく様を描く悲劇的なコメディで、事あるごとに歌いだすという設定のよう。「National Anthem」とは「国歌」のこと。
2009年の映画『クレイジー・ハート』でアカデミー歌曲賞を受賞したT=ボーン・バーネットが音楽プロデューサーを務める。バーネットは、2002年に映画『オー・ブラザー』の音楽でグラミー賞初ノミネート、最優秀アルバム賞を受賞しており、以降はグラミー賞の常連としてその名を轟かせ、2013年に映画『ハンガー・ゲーム』で最優秀楽曲賞(映画・TV・その他映像部門)を受賞している。また、ロックバンド「The Hold Steady」のフロントマン、クレイグ・フィンが楽曲の作詞作曲を手がけるとのこと。
これまでAMCで『ブレイキング・バッド』『ベター・コール・ソウル』といった大ヒットシリーズを手がけてきたジョンソンは、「AMCと私がこの夢のようなチームを作れたことが信じられない。私たちは、瞬間・会話・歌で語る、異色なおもしろい作品を作り上げる準備をしているよ」とコメント。
一方で、『コンテイジョン』『サイド・エフェクト』『喜望峰の風に乗せて』『ザ・ランドロマット -パナマ文書流出-』といったハリウッド映画の脚本を執筆してきたバーンズは、「クレイグ、T=ボーン、そして私は、マーク(・ジョンソン)やAMCと一緒に仕事ができることにとても興奮しているよ。この瞬間について書けること、そしてキャラクターを音楽で囲むことができる機会にとても感謝している。この作品に賛同してくれた(AMCの社長)サラ(・バーネット)と(AMCドラマ部門の代表)スージー(・フィッツジェラルド)、そしてAMCの全ての人たちのビジョンが称賛されるべきだ」と意気込みを話している。
本作は、ジョンソンがAMCスタジオと新たに交わした契約のもと初めて承認された企画で、彼は今後他の企画も手がけていくことになるという。(海外ドラマNAVI)
Photo:映画『コンテイジョン』© 2011 Warner Bros. Entertainment Inc.