米作家レヴ・グロスマンによる世界的ベストセラー小説を映像化した、"大人向け『ハリー・ポッター』"とも言われる魔界ダークファンタジードラマ『マジシャンズ』。米国では4月頭にシーズン5をもって終了したが、前シーズンで去ったオリジナルキャストが最後まで戻ってこなかった理由について製作側が説明している。米TV Lineが報じた。(※この記事はシーズン4以降のネタばれを含みますのでご注意ください)
本作は、気弱で手品が得意なクエンティン・コールドウォーター(『アクエリアス 刑事サム・ホディアック』のジェイソン・ラルフ)を中心とした青年たちが、魔術を教えるニューヨークの大学院で学ぶ中で現実世界以外に不思議な世界があることを知り、その世界や自分たちを守るために悪い神やフェアリーと闘うというストーリー。4月1日にシリーズフィナーレを迎えたが、シーズン4で去った主人公のクエンティンはシリーズフィナーレでも戻ってこなかった。
主人公が戻ってこなかった理由について、クリエイターのジョン・マクナマラ(『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』『アクエリアス 刑事サム・ホディアック』)は以下のように語った。「(クエンティンはシーズン4で死んでしまうが)死というものは、本当であるべきなのです。たとえファンタジーの中であっても。クエンティンを生き返らせたくはありませんでした。私たちの生きている現実では、人々が亡くなり、残された者は悲しみに暮れます。ですので、クエンティンのことを愛した人たちが、彼の死を現実社会と同じように嘆き、しばらくの間、喪に服すのは当たり前のことなのです。クエンティンは残された人々にとってとても大事な存在でした。周りを変えてしまうくらいに。そして実際に起こり得ることですが、彼の死が他の人を成長させたり、彼らの人生や人間関係を見つめ直したりするきっかけを与えるのです」
マクナマラはさらに、残されたキャラクターたちについても言及。「ファイナルシーズンでのアリスの変貌は特に素晴らしいです。シリーズを通して、アリスはずっとクエンティンと関わりがあり、最後には本当の自分を知るのです。クエンティンと関わっていなければ、アリスはあのようにならなかったでしょう。彼女は自分を受け入れたのですから。あれは素晴らしい展開だと思いました」
このように、シーズン5ではジェイソン演じるクエンティンは戻ってこなくても、彼の存在を感じられる部分はいくつもあるという。
ショーランナーのセラ・ギャンブル(『SUPERNATURAL/スーパーナチュラル』)は、「アリスがシリーズを通して経験した冒険は、彼女が愛したクエンティンの些細な部分を、解釈して理解しようとしたものであることは明らかです。愛する人を失った時の嘆きを描くことにより、クエンティンというキャラクターの存在を感じさせることができるのです」と述べている。
クエンティンがいなくなった後の物語も見どころの『マジシャンズ』は、日本ではシーズン1~4がHuluにて配信中。(海外ドラマNAVI)
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『マジシャンズ』
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