『ランボー』『ブラックリスト』ブライアン・デネヒーが死去

映画やドラマ、舞台で活躍し、50年近いキャリアで出演作が180本を超える大ベテラン俳優のブライアン・デネヒーが死去した。81歳だった。米Deadlineほか複数のメディアが報じている。

1938年生まれのブライアンは海軍に入った後、コロンビア大学で学び俳優の道へ。映画界では1982年の『ランボー』でティーズル保安官を演じて注目されたほか、1996年の『ロミオ&ジュリエット』でのレオナルド・ディカプリオ演じるロミオの父親役、大ヒットファンタジー映画『コクーン』シリーズのウォルター役などで知られた。

一方ドラマにはキャリア初期から参加しており、『刑事コジャック』『マッシュ』『ダラス』『ザ・ホワイトハウス』『LAW & ORDER:性犯罪特捜班』『リゾーリ&アイルズ』『グッド・ワイフ』といった人気シリーズにゲスト出演。近年では、2017年にAmazonの犯罪ドラマ『ハップとレナード ~危険な2人~』のシーズン2で保安官役としてレギュラーを務めたり、2016年から大人気サスペンスドラマ『ブラックリスト』でリズの祖父である元KGBのドミニク・"ドム"・ウィルキンソン役で度々顔を出していた。また、アーサー・ミラーの戯曲が元の『セールスマンの死』をはじめとしたミニシリーズに何度か出演し、6度のエミー賞ノミネート、1度のゴールデン・グローブ賞受賞を果たしている。日本未上陸だが、シカゴのジャック・リード刑事を演じた1990年代の犯罪シリーズでは、主演のほか監督・脚本・製作も手掛けた。

そして舞台でも多数の戯曲を経験し、1999年の『セールスマンの死』と2003年の『夜への長い航路』で2度トニー賞を獲得している。

4月15日(水)夜、地元コネティカット州で家族に見守られながら永遠の眠りについたブライアン。翌16日(木)に娘である女優のエリザベス・デネヒー(『チャームド~魔女3姉妹』)が声明を発表し、「残念ながら、私たちの父ブライアンが昨夜息を引き取ったことをお伝えします。自然死であり、新型コロナウイルスは関係ありません。父は心の大きな人間で、失敗を咎めず、誇りと愛にあふれた父親であり祖父でした」と述べている。

タフな外見を生かして強面の役を演じることが多かった一方、持ち前の愛嬌でもってコメディ作品に出たり愛すべきキャラクターに扮することもできたブライアン。そんな彼の死を受けて、大勢が追悼コメントを寄せている。

『ランボー』で共演したシルベスター・スタローンはInstagramに同作の画像を投稿し、「ブライアンはとにかく素晴らしいパフォーマーだった...。それと彼はベトナム戦争に行った経験があったから、おかげでランボーの役作りの大きな助けになったよ。偉大なアーティストがこの世から去ってしまった」というメッセージを添えている。

舞台で共演していたミア・ファローは「ブライアンと一緒に仕事をした俳優はみんな、いかに自分が幸運だったかと答えるはずよ。あれだけ存在感があり、作品に真実味や優しさをもたらせる人は他にいないわ。ブロードウェイと映画界、ドラマ界はかけがえのない人を失ってしまったの」とツイート。

「愛すべき友を失ってとても悲しい」と述べたのは、1980年代に2本の映画(『スプリット・イメージ/人格分離』『殺しのベストセラー』)で共演していたジェームズ・ウッズ。「彼と共演した時ほどあんなに毎日笑ったことはなかった。"タフガイ"だけど、実は愛すべき人間だったんだ」

彼らのほかにも、マーク・ハミル、ジョン・リスゴー、ネイサン・レイン、デヴィッド・ヘアウッド、ブレント・スピナー、ダナ・デラニー、トム・アーノルドなど、共演者をはじめ多くの俳優がその死を悼んでいる。

多くの同業者の尊敬を集め、今後に3本の映画の公開が控えているように80代になっても活躍し続けたブライアンの冥福を心より祈りたい。(海外ドラマNAVI)