『The O.C.』のサンディ・コーエン役や『コバート・アフェア』のアーサー・キャンベル役などで知られるピーター・ギャラガーが、自身が出演する最新作は『The O.C.』に非常によく似ていると語った。米Entertianment Weeklyが報じる。
現在ピーターは、米NBCの『Zoey"s Extraordinary Playlist（原題）』というミュージカルコメディに出演している。
同作は、『キャッスルロック』でジャッキー・トランスを演じたジェーン・レヴィが主人公ゾーイに扮し、テクノロジー企業でプログラマーとして働く彼女はある出来事のせいで、他人の心の声を聞くことができる能力を持つ。だがその心の内は、毎回ミュージカルになって聞こえてくる。ゾーイは能力を用いて、他人を理解するようになるだけでなく、周囲の役に立つに行動する。ファンタジーとミュージカルが融合した作品だ。
ピーターは本作でゾーイの父親ミッチを演じているが、彼は病気で話すことができずなかなかコミュニケーションが取れない。『The O.C.』で演じたサンディとは異なる動きでセリフもない病におかされた父親という役柄だが、演じる本人は共通点を見出している。
「私の中では、両作にはとても類似点があると思っています。どちらの作品も放送が始まった時、アメリカは大きな変革の時期でした。『The O.C.』は、9.11が起こった時でした。外国人恐怖症、よそ者への懐疑心、他人を非難するような時でした。そしてそういう行為は、脅威だと認められたものに対して、とても臆病でアメリカ人らしくない反応のように思えたのです」
時代背景の共通点をあげたピーターは、サンディというキャラクターについても述べた。「素晴らしいファミリー・ドラメディでした。ブロンクス出身でユダヤ人であるサンディが、WASP（プロテスタント系白人）の多いオレンジカウンティ地区にいるということで、彼はよそ者なんです。ですが彼はユーモアのある人間でした。その状況下で自分を持ち続けていました。サンディは両手を広げ、他者を受け入れることを恐れなかったのです。その時、"これこそがアメリカ人だ。このような物語を伝えていきたい"と思ったのです。
『Zoey"s Extraordinary Playlist』は、人と人を繋いていくという話です。人と人がバラバラになっているこの時代に生まれたものなのです。とても珍しいパワフルな脚本ですし、出演したいと思いました。それに私はブロードウェイでたくさんミュージカルを経験しました。ですが、日の目を見なかった作品がものすごくあるのです。どれだけお蔵入りになったミュージカルがあるかご存知ですか？ 新しいミュージカルと出会うことはユニコーンに出会うくらい大変なことなのです。ですがこの作品のクリエイターであるオースティン・ウィンズバーグ（『ゴシップ・ガール』）は、毎日ミュージカルをやりたがったのです！」
各エピソードに、何曲もミュージカルが盛り込まれている本作。シーズン1がそのような盛りだくさんな形で終わることに、ピーターは「ウィンズバーグは狂っている」と笑った。
病を患っているミッチというキャラクター上、もしかすると途中でいなくなってしまう可能性もあるが、ピーターは出演せずにはいられなかったという。「逃したくない作品でした。視聴者の反応にとても感謝しています。ミッチと同じ病気、難病のPSP（進行性核上性麻痺）を持つ人が家族にいるという人たちからの反応もありました。演じるキャラクターがシリーズの最後までいないかもしれないというのは切ないですね。いい脚本の作品には、最後まで出演したいものですから」
また、自身の経験がミッチの役と繋がっていることも告白。「亡くなった母は20年もの間、アルツハイマーを患っていました。ですので、脳の病気、自分の知っている人がどれくらい残っているかどうかと思う気持ちも理解しているつもりです。母が口がきけなくなった後も、私は母に歌ったり踊ったりしました。そのような状態の母とでも、繋がっていると最後まで感じていたのです。何年も会話をしていなかったのにです。世の中には、同じような病で苦しんでいる人たちがいると思います。ですので、このミッチ役は素晴らしいと思ったのです」
また、クリエイターのウィンズバーグは父親をこのPSPで亡くしている。よってピーターは演じ方にも気を配っているそうだ。「スタッフ（ウィンズバーグ）が感動していたら、ダメな演技じゃないとわかりますね」とピーター語った。
そんなピーターの思いが詰まった『Zoey"s Extraordinary Playlist（原題）』は、NBCにて毎週日曜日に放送中。（海外ドラマNAVI）
Photo:『Zoey"s Extraordinary Playlist』公式Instagramより
