大ヒット大河ファンタジードラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』の原作者であるジョージ・R・R・マーティン。世界中で大ヒットしたドラマ版はすでに1年前に終了したが、実は原作はまだまだ完結していない。筆が遅いと言われるマーティンだが、シリーズ新作の出版にようやく目途が立ったようだ。米Indie Wireが報じている。
1996年にシリーズ第1作「七王国の玉座」が出版された原作シリーズ。当初は2年後の1998年に2作目、2000年に3作目とコンスタントに発表されていたが、そこから遅れ始め、4作目は2005年、5作目は2011年と次第に間隔が空くように。マーティンは最新の6作目を2021年には出せそうだとしており、それが実現すれば実に10年ぶりの新作となる。なお、同シリーズは7作目「A Dream Of Spring(原題)」で完結予定。マーティンが現在71歳と高齢のため、ファンは彼の存命中に完結するか心配している。
6月23日(火)付けのマーティンのブログによると、ここ数ヵ月、山の中でロックダウンされていることが幸いし、執筆は進んでいるとのこと。「毎日長時間『冬の狂風』の執筆活動に励んでいます。昨日は別の章を、3日前には別の章を、そして先週にはまた別の章を書き上げました。だからといって本が明日、明後日完成するわけではありません。この作品は大作になるからです。まだまだ道のりは長いです。調子の良い時もあれば悪い時もありますが、今の状況には概ね満足しています」
マーティンはこの夏、世界SF大会に出席するためニュージーランドに滞在するはずだったが、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大により同大会はオンライン開催に。だが本人は、来年の同イベントでは現地に赴きたいと述べている。
「2021年は新型コロナウイルスと『冬の狂風』の両方が終わる年になるよう願っています」と述べたマーティン。「今はサーセイ、アシャ、ティリオン、バリスタン、アリオ・ホターというキャラクターとともに旅をしています。来週はブラーボスに立ち寄ります。もちろん、もっと速く書ければいいのにとは思います。1999年に『剣嵐の大地』を執筆していた時はひと月あたり平均150ページ書いていましたが、二度とあのような速いペースを取り戻すことはないでしょう。今振り返ってみると、どうやってあれを成し遂げたのか分かりません」
そう話すマーティンは、今年の3月にも「私は現実世界にいるよりもウェスタロスで多くの時間を費やし、毎日執筆しています」と発言。さらに「冬の狂風」はそれまでにも増して複雑な物語になるそうで、「一冊の小説というよりも、12冊の本が一緒になったような作品です。異なる主要人物と彼らに関わる脇役、敵、味方、恋人といった複数の人物が絡み合い、非常に複雑なスタイルになっています。だからものすごく大変なのです」と説明していた。
マーティンの筆の遅さの一因は、ドラマ版に積極的に関わっているからだという意見もある。2011年から放送された『ゲーム・オブ・スローンズ』は昨年完結したが、現在複数のスピンオフ企画が進行中で、シリーズ化が決まったターガリエン家をテーマにした『House of the Dragon(原題)』では彼がクリエイターを務める。ロックダウンによって小説に集中できたのは良かったが、果たして無事に原作シリーズは完結するのか。ファンにとってはもうしばらくの間やきもきする日々が続きそうだ。(海外ドラマNAVI)
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