【ネタバレ】『グッド・ドクター』クリエイター、シーズン3最終話と医療ドラマの将来に与える新型コロナの影響について語る

モンテカルロ国際TV祭で、"世界で最も見られているTVドラマ"に選ばれた米ABCの人気医療ドラマ『グッド・ドクター 名医の条件』。シーズン3の最終話となる第20話が日本でも放送されたが、シリーズにおいてターニングポイントになるであろう展開だった。米Deadlineのインタビューで、クリエイターのデイヴィッド・ショアが感情が渦巻く最終話を分析し、シーズン4の展開をほのめかしているのでご紹介。(※本記事は、シーズン3第20話「愛してる」の重要なネタばれを含むのでご注意を!)

2部構成となるファイナルの前編、第19話「大地震の日」でサンノゼを揺るがす大地震が起き、聖ボナベントゥラ病院のスタッフが巻き込まれ、複数のキャラクターの命が天秤にかけられていた。

そして、シーズン最終話となる第20話「愛してる」で、崩れた建物の中から姿を見せたが、キャラクター全員が生き残った訳ではない。結果として悲劇的な運命を迎えて帰らぬ人となったのは、シーズン1から登場するニール・メレンデス医師(ニコラス・ゴンザレス)。第19話で瓦礫が当たり、軽傷を負っただけのように見えたメレンデス医師だったが、出来得る限り負傷者の治療に行った後、聖ボナベントゥラ病院のベッドに倒れ、急速に進行する虚血性大腸炎により亡くなった。

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主要キャラクターで命を落としたのは彼だけだったが、第20話の出来事はシーズン4で多くの大きな変化が予想される。

最終話の最後で死にゆく青年と絆を結んだアレックス・パク(ウィル・ユン・リー)は、自分の家族のそばにいるために次のシーズンで引っ越すことをほのめかした。

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モーガン・レズニック(フィオナ・グーベルマン)は、関節リウマチだと診断されたがその事実をシーズン3の大半で上司に隠していた。最終話でレズニックは、自分の手と医師のキャリアが救われることを期待して大手術に耐えたが、地震で自分以外に誰も助ける者がいなかったため、医師として復活する可能性を犠牲にし、完治していない手で手術を施して人命救助に当たった。

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最後に、主人公ショーン・マーフィー(フレディ・ハイモア)は、長きにわたり心惹かれていたリア(ペイジ・スパラ)に拒絶されて動揺する一方、鉄筋が突き刺さった女性の命を救った。そして、生死に関わる危機に対処しながらも彼女の決断を受け入れようとしていたショーンだったが、破壊された醸造所の奥で自分を待っていたリアに「あなたは私を成長させてくれる」と言われ、情熱的にキスをされるという驚きの展開となっていた。

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では、最終話で起きた出来事は、『グッド・ドクター』シーズン4にとって何を意味するのだろうか? クリエイターを務めるデイヴィッド・ショアが、なぜメレンデス医師が死ぬ必要があったのか、シーズン4で起こることやパク医師とレズニック医師の運命についてほのめかしている。また、『Dr.HOUSE ―ドクター・ハウス―』でショーランナーを務め、医療ドラマで長い経歴を持つショアは、まだドラマで取り上げていない新型コロナウィルス(COVID-19)のパンデミックについても触れ、その問題が新シーズンの方向性やTV界全体に与える将来的な影響についても語った。

――シーズン3の結末は、どれぐらいの間考えていましたか?

信じ難いかもしれないが、それは答えるのが難しい質問だ。製作チームは常にショーンとリアが結ばれることを望んでいたんだ。ジャシカ(・ニコール)が演じたカーリーも素晴らしかったから、私たちは時々悩まなくちゃいけなかったが、リアと一緒になることを望んでいた。だから、その方向に常に向かっていて、明確な理由を持ってシーズン最終話で何か大きな出来事を描き、多くの命を危険にさらしたかったんだ。

私たちが医療番組を製作する理由は、生死が懸かっているからだ。最終話は、ワクワクしたし、撮影するのは楽しかった。最終話の詳細は、おそらく私たちが撮影する2カ月ほど前から決まり始めたかな。つまり、概念的にはいくつかの要素が念頭にあったけど、他と同じように、詳細が形を成すには長い時間がかかるものだった。

――最終話の特定の側面に関して、他のアイデアを検討しましたか? 誰が死んで誰が生き残るかを決める際に、他の可能性が考慮されましたか?

いいえ。良い答えはないね。つまり、こういった話をするときには正直になるべきだ。医療ドラマを作るなら、死ぬ運命を描きたいと思うだろう。それがシリーズの務めだからね。だから物語の誠実さを保ち、視聴者に悪いことが起こりそうだと思わせるためには時々悪い結果が必要で、それは誠実になって視聴者をその立ち場に置きたいからだ。良いニュースと同様に、どのように人々が悪い知らせに反応するのか見たい。視聴者が求めていることだから、それを感じてほしいんだ。

このシリーズは明らかに感情を揺さぶるドラマで、その詳細の多くはスタッフが集まって話し合い、試行錯誤を重ねて何度も意見を変えて決まる。だから全員が、‟そうか、なるほど。それはいいね"と納得するような答えはない。中には人から敬遠される答えもあって、自分で葛藤することもある。ニックは素晴らしかったけど、視聴者は物語が行き着く場所に付き合わないといけないということだ。

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――では、最終的にメレンデス医師が窮地に追い込まれた特別な理由はなかったのですか?

そこまで特に突っ込みたくはないな。個人的な理由じゃないし、ニックは素晴らしかったし、‟そうか。分かりました。それしか道はなかったんですね"と納得させられるようなことは言えない。私たちは、痛みや何かを感じてもらえるようなキャラクターを失いたかったし、間違いなく彼はファンの多くの心に触れた登場人物だからね。(オードリー・)リムは彼と関係があったし、クレアはメレンデスと付き合い始めていた。明らかにショーンも彼と絆があったけど、ショーンとメレンデスは最終話では関わっていない。それは他のキャラクターの大部分にも当てはまるが、特にショーンとはね。

こういった要素は、この手の番組の性質だと思う。キャラクターが前に進んで人の出入りがあって、それが番組のダイナミズムなんだ。新しいキャラクターが登場して、古いキャラクターは去っていく。彼らが去るときはつらいが、やって来るときはワクワクする。こういったことはすべて、様々な関係を模索する機会を提供するようできているんだよ。

――シーズン4では、別のキャラクターがいなくなるようですね。違う意味でパク医師が病院を去るようですが...

その点は、放送するまで待つ必要があるよ。

――そして、レズニック医師もです。彼女は別の役割で病院で働くことになると思われますが、外科医として彼女の時代は終わったようですね。

キャラクターについては変更があるかもしれない。だって、私はパク医師が去るとは思わないし、レズニックだっていなくなるとは思わない。だが、彼らに起こった出来事と彼らが経験したことの結果として、キャラクターに変化が起こるだろう。レズニックについては身体的な変化でパクの場合は感情的な変化。両キャラクターともに変化が起こるよ。

――シーズン4で起こる出来事について、何かシェアできることありますか?

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たくさんはないね。最終話で視聴者が伏線を目にしたことにワクワクしている。私は、物語がどこへ向かっているか把握できるほど天才じゃないが、その点に私の心が沸き立つんだ。私に提供されたその機会に心が躍り、視聴者にとっては刺激になる。(シーズン4の)大部分は、製作チームが脚本家ルームや、各自のオフィスに腰を下ろしてインターネットを通して参加し、その機会に肉付けされていくよ。

――『グッド・ドクター』は、パンデミックの最前線で戦う医療専門家に物資を送った医療ドラマのひとつですが、どのような経緯だったのですか?

『Dr.HOUSE』の終わりにも寄付をしたと思う。同じ状況ではなかったけど、物資を海外に寄付したはずだ。世界は危機に瀕している。ドラマは演技だが、医療従事者は本当に命を救っているからね。機器のいくつかが必要だと聞いて、撮影で使っている物が番組にあったから、私たちができることをするのは簡単だったよ。

――今後パンデミックは、『グッド・ドクター』のような番組にクリエイティブな影響を与えると思いますか?

良い質問だね。だが、その答えは私にはわからない。TV番組を製作するときの私の基本的な見解―、この番組は特にだが、パンデミックは現実の世界に存在しているということだ。今、『グッド・ドクター』はオンエアされていないけど、パンデミックはこの世界で起きている。ショーン(・マーフィー)の世界では起きてないけど。

これは社会にとって挑戦だ。パンデミックに比べたら私たちが抱えている(個人的な)問題は些細なことだし、そのことについて決めなければならないだろう。ある程度は現実が反映されるんじゃないかな。だが、現実がどうなるかわからないからね。脚本家が4月か5月、6月に集まって、9月と10月、11月に放送されるエピソードについて話し合うが、状況が非常に早く変化しているから先のことを知るのは不可能だ。

――ほとんどのショーランナーは、あなたが提起した疑問に直面すると思いますか? そうでないにしても、この現実世界のパンデミックを直接扱うでしょうか?

まさに、その通り。SFなどの代替現実の番組では扱う必要はないだろう。だが、リーガルドラマや刑事ドラマを製作していたら様相は違ってくるだろう。すべてが正常に戻ることを願っているが、いつ、どれぐらいの速さで元に戻るのかはわからない、同時に、現在の状況を利用したくない。だが、私たちは自分が住んでいる世界についての物語を語っていて、これが私たちが暮らす世界の一部だからね。

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――『グッド・ドクター』に取り組んでいる間は、定期的に医療専門家に相談する必要があるのですか? 現在、世界で起きていることについて彼らと話をしましたか?

今、彼らは多忙だから、たまたま話す機会があるなら質問するよ。それに私は、ある程度みんなが聞いているのと同じことを耳にしている...。提供できるような内部情報はないし、製作チームは医師をはじめとする人たちのことを心配している。

――あなたのドラマシリーズでは、これまでにかなりの自然災害を取り上げられましたよね。『グッド・ドクター』の壊滅的な地震は最近の例ですが、もしシーズン4で現在起きているパンデミックを描くと決めたら、どのように取り組みますか?

前シーズン、呼吸器疾患で人々が隔離される2部編成のエピソードを製作した。その疾患に関係がある人にとっては非常に重要なエピソードだが、世界的なパンデミックではなかった。私たちはこの現実に直面しなければならないが、パンデミックは私が伝えたいと思っている話ではないんだ。

私が伝えたい架空の物語を話し合っている訳だが、私は個人的な個々の物語を描きたいと思っている。世界的なパンデミックが一つの家族にどのように影響するかは、私が伝えたいと思う物語かもしれないが、社会全体の反応には興味がない。

私が社会全体の反応が大切ではないと思っていると誤解しないでほしい。それは間違いなく重要だが、私の小さなTV番組で伝えたいストーリーは世界の問題に対する個人と彼らの反応なんだ。

(翻訳/Nami)

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