『NCIS』シリーズや『HAWAII FIVE-0』といった人気犯罪捜査ドラマを生み出してきた米CBSが、今度は中国系アメリカ人の警官を主人公にした新作ドラマ『The Bay(原題)』を製作することが明らかとなった。米Deadlineが報じている。
『The Bay』は、リーガルドラマ『グッド・ワイフ』と『NYPD BLUE ~ニューヨーク市警15分署』が出会ったようなドラマだと称されており、主人公はコンビになったばかりの中国系アメリカ人の警官二人。常に変化を続けるサンフランシスコのコミュニティに正義をもたらすため、性別や世代、文化の違いを克服するために奮闘する彼らの姿が描かれる。二人のパートナーシップと、警察が仕える市民と法執行機関の既存の関係も掘り下げられる。
クリエイターを務めるのは、『ウォーキング・デッド』や『グッド・ドクター 名医の条件』でメガホンを取ったラリー・テンと『Wu Assassins(原題)』のヤラン・トゥ。二人が共同執筆したストーリーを基にトゥが脚本を手掛け、テンが監督を務める予定。
テンは子どもの頃、中国系としてアメリカで育つことに恥ずかしさを覚え、彼の父親が中国の文化や料理を教えようとしたが、テンはアメフトに興じてピザを食べて周囲に溶け込もうとしていたという。
しかし、2013年に『HAWAII FIVE-0』でエピソード監督を務めたときにハワイに滞在した際、非白人のスタッフに「あなたのような見た目の人が監督の椅子に座ることが、どれほど意味があるか。私たちに希望を与えてくれます」と言われ、自分が中国系であることに初めて誇りを持てるようになり、見方が変わったとのこと。そんなテンの体験や考え方の変化が、『The Bay』では反映されるようだ。
ここ近年は、ハリウッドで登場キャラクターの多様性が重視されるようになり、非白人のキャストが増えているが、アジア系のキャラクターが主人公の犯罪捜査ドラマシシリーズは、ドラマ版『ラッシュアワー』ぐらいで非常に数が少ない。よって『The Bay』は、米ドラマ業界の常識を覆す存在として期待が持てそうだ。
同シリーズに主演するキャストなどが決まり次第、続報をお伝えしていきたい。(海外ドラマNAVI)
Photo:『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』(c)2018 CBS Broadcasting, Inc. All Rights Reserved./『HAWAII FIVE-0』(c) 2020 CBS Studios Inc. All Rights Reserved.