Netflixの英国王室ドラマ『ザ・クラウン』や、1940年代のハリウッドを舞台にした『ハリウッド』に出演し、実在の人物を演じたキャストたちがその役作りについて語っている。米Varietyが伝えた。
『ハリウッド』でロック・ハドソンをスターにしたエージェント、ヘンリー・ウィルソンを演じたジム・パーソンズ(『ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則』)は、まず初めにGoogleでヘンリーについて調べることからスタートしたという。
しかし、ヘンリーが映った当時の映像は見つからず、代わりに数多くの画像を目にした時は戸惑いを覚えたようだ。「最初に思ったのは、"こんなに全然似ていなくてもいいのか?"だった」とジムは振り返る。それでも少しでもヘンリーに似せるため、義歯をはめ、カラーコンタクトで目の色を青からブラウンに変え、部分カツラを着用していた本人に合わせて髪型を微調整した。またヘンリーの伝記「The Man Who Invented Rock Hudson(原題)」が役作りの上でバイブル的な存在になったという。
対して、"生きた資料"が手に入ったのは、王室ドラマ『ザ・クラウン』のシーズン3&4でマーガレット王女を演じるヘレナ・ボナム・カーター(『英国王のスピーチ』)。なんと王女本人に会う機会があった上、王女の友人や侍女から話を聞くこともできたとのこと。彼らから「王女の生活は『ザ・クラウン』で描かれているほど豪華ではない」とアドバイスされ、本人はもっと堅実な生活を送っていることを知ったと明かす。さらに、マーガレット用の小道具である金でできた重みのあるカルティエのライターが、「重圧にさらされており、思慮深い性格である彼女の人物像を掴む」上で役立ったと続けている。また、外見を似せる上でもひと工夫を加えたそうで、「これまでの人生で一番、ウィッグに感謝したわ」と述べている。
そして、1970年代を舞台に男女平等憲法修正案を認可させる運動を描く実話を元にしたシリーズ『Mrs. America(原題)』で、アフリカ系女性として初の下院議員となり、大統領候補にもなったシャーリー・チザムを演じたウゾ・アドゥーバ(『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』)も役作りについて語っている。チザムの映像を見てかすかに言語障害があることを知ったウゾだが、それを演技で再現すると視聴者が画面に集中できなくなると思い、その点は忠実に演じなかったという。ただし、彼女の知的な特徴ある声は似せるように努め、ドキュメンタリー番組も大いに参考にしたとのこと。
同じく『Mrs. America』でフェミニストとして有名な作家のベティ・フリーダンを演じたトレイシー・ウルマン(『アリー・myラブ』)は、外見を似せることにこだわらなかった。最初はフリーダンの独特な目を再現するために特殊メイクをするつもりだったが、作品のアプローチと相容れなかったので止めて、代わりにもう一つの特徴である、中西部訛りで低い声で話す、「あの時代の教育を受けた」喋り方を模倣した。
9月21日(日)に発表される第72回エミー賞で、ジムはリミテッドシリーズ部門の助演男優賞に、ヘレナはドラマシリーズ部門の助演女優賞に、ウゾとトレイシーはリミテッドシリーズ部門の助演女優賞にそれぞれノミネートされている。(海外ドラマNAVI)
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『ザ・クラウン』 (C)Des Willie/Netflix
『ハリウッド』 (C)SAEED ADYANI/NETFLIX