『アウトランダー』コロナ禍でも安全にベッドシーンを撮影している方法とは?

ダイアナ・ガバルドンによるベストセラー小説が原作の、時空を超えるファンタジー・ロマンス『アウトランダー』。シーズン6の撮影がスタートしたが、親密になるシーンが多い中、パンデミックでもこれまでどおり安全に撮影をしているという。その秘訣が明らかになった。米Cinemablendが報じている。

すでに放送されているシーズン5では、舞台はアメリカ独立戦争へと突入。フィナーレでは、ファンにとってはクレアの今後が気になる状況が描かれていた。

待望のシーズン6の撮影が開始されたが、ショーランナーのマシュー・B・ロバーツが、パンデミックの中での撮影について以下のように語った。

「私もスタッフも、新型コロナウイルス(COVID-19)のためにストーリーを変えたくなかったんです。親密なシーンが多いのは、人々が実際そのように生きているからです。感染者を出さずに撮影を続けている秘訣は、とにかく検査、検査、検査、その連続です。セットに入る前に全員を100万回テストし、可能な限り安全に撮影する方法を考えなければなりませんでした。それが私たちの最重要事項でした」

結局のところその答えは、できるだけ頻繁に全員が検査を受けることだという。そのため、スタジオの駐車場にロケ地以外のショットを撮影するための現場テスト施設を建設。報道によると、この施設の制作に20万ドル以上の費用がかかったとされているが、検査にかかる費用はこれに含まれていないので、更に予算がかかっていると想像できる。そこまでしても、これがシーズン6製作のために最良の方法だと製作陣が感じていたことは明らかだ。

他の製作プロダクションでも、検査をし"バブル"と呼ばれる少人数の隔離部屋に、密接なシーンのあるキャストやスタッフを入れ行う方法を取っている。だが『アウトランダー』ではベッドシーンなどがこれまでも多かったため、一層の注意が払われたようだ。

さらにロバーツは、「どうやってコロナに感染しないようなシーンを書けばいいのかわかりません。『アウトランダー』では、密接して感情的に話すシーンが多いからです。でもそうすると感染のリスクがあります。そこで、(当初の意図通りに)脚本を書き、制作に取り掛かりました。イギリスのプロデューサーのガイ・タナヒル、新しいプロダクションデザイナーのマイク・ガン、そして本作を長く手がけてきたスタッフたちとそのままで行こうとしたのです。私たちは"よし、このシーンはこのままではいけない"と言い、ならばこれと、これをやればできるようになるだろう、と対策を練ったのです」と話した。

昨年10月、本作プロデューサーであるマリル・デイビスは、『アウトランダー』のシーズン6の撮影が開始していないのは、密接なシーンが多いためにコロナ禍では難しいからと語っていた。費用も苦労も増えた新シーズン撮影だが、脚本や演出のレベルはパンデミック前と変わりがないと期待できるようだ。(海外ドラマNAVI)

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『アウトランダー』
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