ダニエル・デイ・キム、『LOST』での役が"ステレオタイプ"だとJ・J・エイブラムスに訴えていた

世界中で大ヒットしたミステリードラマ『LOST』でジン・クォン役を演じたダニエル・デイ・キム。彼は、たとえ名声のあるクリエイターが相手であっても、自身のキャラクターがアジア系のステレオタイプだと批判することを躊躇しなかったという。米Peopleが伝えた。

当初、ジンと彼の妻のサン(キム・ユンジン『溺れる女たち ~ミストレス~』)の関係は、支配的な夫と従順な妻というアジアの夫婦関係のステレオタイプを助長すると批判を受けていた。「『LOST』のパイロット版の放送が一番の恐怖だったけど、シリーズは違った。もしパイロット版で私のキャラクターを判断されていたら、ステレオタイプだけが残っていただろう」と米Vultureに語ったダニエル。

彼は続けて「私たちが撮影している間、(クリエイターの)デイモン・リンデロフとJ・J・エイブラムスと一緒に座ったときに"このキャラクターをこのまま進めることはできない"と話したことを覚えているよ。彼らは"私たちを信じてくれ"と言っていた。そして、それが最高の結果になったんだ」

「キャラクターは、ステレオタイプとは呼ばれることのないと思うところまで成長した」とダニエルは話し、アジア系の俳優として変化を促すことのできるシステムの中で働くことを望んでいると語った。

ダニエルはTVや映画内でのアジア系としての表現に加え、現在大きな問題となっているヘイトクライム(憎悪犯罪)に対する活動家でもあり、先月は下院司法委員会でヘイトクライムを減らすことを目的としたより厳しい法律について議員に可決を促す公聴会でスピーチをした。

「ただアジア系の人々に対する憎悪行為を糾弾するためだけの、お金も資源も必要としない法案について、164人の共和党議員が反対票を投じたことに失望した」と述べたダニエル。「そして今、私は再びここいます。この公聴会のすべての証人が指摘しているように、状況はさらに悪化し、はるかに悪くなっているからです」

コロナ禍において、アメリカ国内ではアジア系に対するヘイトクライムが過激化しており、3月にはアトランタ近郊にある3軒のマッサージ店で銃撃事件が発生。#StopAsianHateという抗議運動が拡大し、ダニエル以外にもオリヴィア・マン(『ニュースルーム』)やサンドラ・オー(『グレイズ・アナトミー』)ら多くの著名人も参加している。(海外ドラマNAVI)

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Photo:『LOST』©ABC Studios.