『ピーターラビット2』監督が明かす、ドーナル・グリーソンの真骨頂とは?

子どもにも大人にも愛される、英国生まれのいたずら好きなウサギのキャラクター、ピーターラビット。ビアトリクス・ポターが生んだ彼の物語を実写映画化し大ヒットを記録した『ピーターラビット』シリーズの新作、『ピーターラビット2/バーナバスの誘惑』がついに6月25日(金)から公開される。ピーターと天敵マグレガーとの闘いは一応終わったかに思われたが、二人が簡単に「親子」となれるはずもなく、相変わらず衝突してばかり。そんなピーターの前に、亡き父親を知るというおとなのウサギが現れて...? 前作に続いて監督・脚色・製作を務めたウィル・グラック監督を直撃! 撮影の裏話や作品に込めたメッセージ、そしてレニー・ジェームズ(『ウォーキング・デッド』)を起用した理由について語ってもらった。

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――この2作目では、ピーターたちは自分たちの暮らす自然豊かな片田舎から都会へ飛び出して大暴れと、全体的にスケールアップしていますね。こういうアイデアはどこから得られたのですか?

「今回続編を作るにあたって、1作目との繋がりは大事にしたいと考えていた。前作から2年以上が経って、ピーターたちはいまやティーンエイジャーなんだ。ティーンエイジャーとなれば、家から離れたり自分のアイデンティティを探す時期だよね。そういうイメージを膨らませていったよ。ピーターに関して言うと、彼は今回都会に行って、たくさん失敗を犯して、成長していくんだ。自分を模索するために今いる場所を一旦離れるというのは、誰でも経験することなんじゃないかな」

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――1作目が大ヒットしましたが、その反響の中で印象的だったのは?

「一番嬉しかったのは、大人も楽しめると言われたことだね。子どもを劇場に連れて行った大人たちが、実は大人向けのテーマやユーモアもあるという風に感じてくれたんだ。この2作目にも、そういう大人向けのテーマやユーモアを盛り込んでいる。一番嬉しいのは、この作品を観ている大人と子どもがそれぞれ別のタイミングで笑っているんだけど、最後は一緒のタイミングで笑ってくれることだね」

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――バーナバスは映画シリーズで初めて登場したおとなのウサギですが、原作にはベンジャミン・バニー氏(バウンサーさん)も存在しますが、彼あるいは原作のほかのキャラクターを元にしてバーナバスを作り上げたのですか?

「ピーターは父親を亡くしているから、父親代わりのキャラクターを出したいと思った。もし間違った父親代わりを見つけたらどうなるんだろう?ってね。あと、年頃は一緒だけど、いとこのベンジャミン・バニーはある意味でピーターにとって父親代わりと言える存在なんだ。そんなベンジャミンを悪化させたバージョンを考えて、バーナバスが出来上がったんだよ」

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――バーナバスはもちろん、その仲間たちもすごく魅力的で面白いキャラクターでしたが、犯罪映画などで参考にしたものはありますか?

「ガイ・リッチー監督作のようなイギリスの犯罪映画は参考にしたね。『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』とか『バンク・ジョブ』とか。もちろん、バーナバスたちはそこまで暴力的なことはしていないけど、なるべくワルい感じにしたかったから」

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――この2作目ではピーターがいたずらばかりすると誤解されたことから本物のワルになってやる!とグレかけますが、ピーターの声を担当したジェームズ・コーデンが「自分も一人の親として、子どもの悪いところばかり指摘するのではなく、ポジティブな面を見るようにしなければならないと考えさせられた」と話していました。あなたが本作に込めたメッセージも同じですか?

「僕が伝えたいのは、誰かに自分のことで何かを言われようとも、それが正しいとは限らない、ということだね。自分のことを正しく判断できるのは自分自身だけなんだ。SNSが盛んな今の世の中では特にそう思うよ。周りの意見を本気にしてはいけない。自分のことを誰よりも知っているのは自分なんだ」

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――今回もCGの出来が素晴らしくて、ピーターとバーナバスの毛質の違いなども見事でしたが、監督が特にこだわった点はありますか?

「CGを担当してくれたオーストラリアの会社のおかげだよ。1作目から技術力もさらに上がって、できることがさらに増えたんだ。そして、こちらが変更を加えたことで、一から作り直さなければならなくなったとしても、製作が終わる最後の瞬間まで、スタッフ全員がより良い作品を作るために改良を重ねてくれた。1作目ももちろん素晴らしい映像だけど、2作目は信じられないような出来だよ」

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――マグレガー役のドーナル・グリーソンは今回もアクションが多いですが、ビア役のローズ・バーンによれば彼は身体を張った演技の翌朝にものすごく大きなアザができていたり、腕や脚に怪我を負っていたそうです。監督にとって特に印象深いドーナルの身体を張ったアクションは何ですか?

「二つあるよ。一つは、オープニングの結婚式の場面。ドーナルもローズも何週間もかけて大掛かりなスタントを学んでから撮影したんだ。でも実はそこはカットしてしまってね。完成版を見た二人はガッカリしてたよ(笑) そしてもう一つは、トーマスが丘から転がるシーン。あそこはスタントがやるはずだったんだけど、ドーナルが志願して自分で演じたんだ。顔のアップを撮った時には、ドーナル自らカメラを持ちながら猛スピードで転がってね。あの時の彼は大忙しで、まるで一人で映画を作っているみたいだった。そして転がり終わると、『もう一回!』と何度も丘を登って、また転がっていたよ。あれぞドーナルだね」

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――前作に続いて声優が豪華ですね。中でもバーナバス役のレニー・ジェームズが注目でしたが、『ウォーキング・デッド』シリーズなどで知られる彼を起用した理由は? また、彼と一緒にお仕事された感想はいかがでしたか?

「ある作品で彼を見て、声が気に入ったから、こちらからオファーしたんだ。彼はロンドンで昼間は別の作品を撮影中だったけど、夜に本作の収録をしてもらった。バーナバスはワルだけど、ピーターにとって父親代わりになるような面も持っていなければならない。そういう複雑なキャラクターをレニーが見事に演じてくれたよ。一緒に仕事ができてすごく楽しかったし、またぜひ組みたいね」

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――あなたは現場でアドリブを積極的に取り入れるようですが、本作にそういうアドリブがあれば具体例を教えてください。

「カメラが回っている最中にアドリブを取り入れることはなくて、リハーサルの段階で変更を加えていくんだ。今回で言うと、ビアとマグレガーが口論していて、それをウサギたちが見ているというシーンで、二人がそれぞれ変なことを言い合うんだけど、そこで出てくるおかしな台詞の数々はその日に現場で生まれたものだよ」

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――エグゼクティブプロデューサーのダグ・ベルグラッドさんがあなたについて「彼自身に、ピーターラビット的なところが少しあるかもしれない。彼も賢くて愉快で、いつも何かしら計画しているから」と話されていますが、ご自身でもピーターとの共通点があると思われますか?

「どうだろう。自分が何をしているのかわかってないのに、わかっている風に振る舞うところは一緒かもしれないね(笑)」

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――最後、これから作品をご覧になるみなさんにメッセージをお願いします。

「『ピーターラビット2/バーナバスの誘惑』を待っていてくれてありがとう。1作目からちょっとお待たせしてしまったけど、前作を気に入ってくれたなら、この2作目では、イギリスの美しい田舎の田園風景やちょっとした都会を舞台に、可愛いキャラクターたち、モフモフのネコやネズミも出てきて、ドラマも満載だから、より楽しんでもらえると思う。そして作品のテーマも、年齢を問わず共感してもらえるんじゃないかな」

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『ピーターラビット2/バーナバスの誘惑』は6月25日(金)より全国公開!
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『ピーターラビット2/バーナバスの誘惑』