人気シリーズ『ザ・ボーイズ』のファイナルシーズンは初期メンバーのある一人を退場させるという、あまりにも衝撃的な形で幕を開けた。この展開についてショーランナーのエリック・クリプキが解説している。
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『ザ・ボーイズ』ついに完結!福原かれん&ジェシー・T・アッシャーが語る「贖いの物語」と別れの涙
既存のヒーロー像を根底から覆す極悪非道な“スーパーヒーロー” …
『ザ・ボーイズ』シーズン5、衝撃の幕開け
ヴォートの「フリーダム・キャンプ」で繰り広げられたホームランダーとの死闘の最中、Aトレイン(ジェシー・T・アッシャー)は無私無欲の精神でヒューイ(ジャック・クエイド)を救い出し、超高速でその場を離脱。しかし、疾走中に通行人を間一髪で避けたことが災いし、制御を失って森の中に激突してしまう。そこへ追いついたアントニーによって首を折られ、非業の死を遂げた。
これは、Aトレインというキャラクターにとって、驚くほど英雄的であり、かつ見事な「フルサークル」を閉じる結末であった。彼はシリーズ第1話において、飲酒状態で超高速走行中にジャックの恋人を轢き殺し、粉々に粉砕するという最悪の形で登場した。その事件こそが、ジャックをヴォートのヒーローたちへの復讐へと駆り立てるすべての元凶だったのである。
Variety誌のインタビューにおいて、ショーランナーのエリック・クリプキは、第1話でのAトレインの死や、4シーズンにわたり口を閉ざしてきたキミコがついに言葉を発したことの意義について詳細を語った。
誰も安全ではないという証明:エリック・クリプキが語るAトレイン最期の意義
――第1話の最後に、私たちはAトレインに別れを告げることになります。彼の死は、シリーズの初回エピソードを想起させるような瞬間として、当初から意図されていたのでしょうか?
実を言うと、Aトレインを少なくとも第3話までは登場させ続けようと、かなりの時間をかけて議論していたんだ。しかし、脚本家たちが非常に真っ当な指摘をした。“エリック、あなたはいつも「誰も安全ではない」と言っている。だったら有言実行してくれ。第1話で本当に重要なキャラクターを退場させるべきだ。そうすることで、視聴者は残りのシーズンを通して、誰もが死ぬ可能性があるということを本気で実感することになる”ってね。
彼らの言う通りだったよ。Aトレインには実に見事な贖罪の軌跡があったが、その成功の多くはジェシーの演技によるものだ。彼はこのキャラクターを非常にニュアンスに富み、人間味に溢れ、魂を感じさせる存在へと昇華させてくれた。彼は物語全体の歯車を回し始めた悪役であり、最終的にジャックを救うことでその走りを終えたんだ。僕私が最も気に入っている瞬間は、彼が疾走中に女性を避けた場面だ。初登場時、彼は迷うこともなくロビンを突き抜けて走り去った。しかし最後に見た彼は、他人の命を深く尊重するようになったがゆえに、一人の女性の命を救った。彼がどれほど真のヒーローへと成長したかを示す、実に素晴らしい道標と言えるだろう。
沈黙を破ったキミコ:福原かれんが声を得るまでの試行錯誤
――もう一つの大きな驚きは、ついに福原かれん演じるキミコが言葉を発したことです。全シリーズを通して台詞がなかった彼女にとって、どのような心境だったのでしょうか?
かれんは興奮していたよ。丸4シーズンもの間、一切の台詞がなかった後で、ついに実際に話せるようになるというのは素晴らしいことだった。製作側としても、初めて彼女にピンマイクを装着することになったんだ。それは刺激的な体験だったけど、同時に彼女は具体的にどんな声で話すのか?という問いに向き合うプロセスでもあった。
4シーズンを経て観客にこれほど浸透し、馴染み深くなったキャラクターが、突然まったく異なる方法でコミュニケーションを始めるというのは、予想以上に難しい挑戦なんだ。“これが確かにキミコの言葉だ”と一貫性を感じさせるにはどうすればいいか? 正直に言って、それを見出すまでには少し時間が必要だった。試行錯誤を繰り返し、彼女の語彙力や、どのような言葉を選ぶのかを突き止めていった。最終的に辿り着いた結論は、今思えば明白なことだったが、観客はキミコの個性をどう捉えているか?という問いを自分たちに投げかけることだった。その答えは“優しくて、致命的で、舐めた態度は一切許さない”だった。
ドラマのこれほど後半になって、これだけ劇的に新しいことに挑戦するのは、彼女にとっても僕にとっても神経を使う作業だった。でも、かれんは見事な仕事をしてくれたと思う。僕が最も気に入っているのは、彼女には遠慮がないという点だ。今までフレンチーに話しかけていたすべての瞬間、本当は何と言っていたのかを考えさせられるよ。彼は常に、彼女の言葉を非常に丁寧に翻訳していたからね。おそらく、彼女は彼に対して最高に下品で毒のある言葉を吐いていて、彼はそれをなるほどと聞き流しながら、決して直訳はしていなかったんだろう。今回、ついに彼女の本音を耳にできるのは、本当に楽しい体験だった。
VCU(ヴォート・シネマティック・ユニバース)の拡大:メキシコ篇の進捗と独自の視点
――今シーズンで、現在進行中のメキシコを舞台にしたスピンオフへの伏線が撒かれることはあるのでしょうか?
現在、脚本を書いているところだ。Amazonがその初稿を読み、とても好意的なフィードバックをくれたんだ。本当に素晴らしい知らせだよ。まだやるべきことは残っているけど、彼らはこのプロジェクトに非常に乗り気のようで、最高の手応えを感じているよ。ガレス・ダネット=アルコセルが、実にユーモアに溢れ、スマートな脚本を書いてくれた。舞台になるのはメキシコシティ。そのため、VCUの他の作品とは焦点が全く異なり、極めてユニークなものになっている。それは僕自身が持ち合わせていない視点なんだ。スーパーヒーローという存在、国際政治、そして彼ら独自の国内政治に対する、ラテンアメリカ特有の非常に具体的な視点が描かれている。この作品を書いている我々のような白人の男たちには到底不可能な、非常に興味深い試みだ。ガレスは、このテーマに対して極めて面白く、かつ本物の切り口を持っているんだ。
『ザ・ボーイズ』シーズン1~5はAmazon Prime Videoで独占配信中。(海外ドラマNAVI)
参考元:Variety







