海外ドラマファンにとって、長年親しんできたキャラクターとの別れほど辛いものはない。2025年も、ストーリー上の悲劇的な死や、制作側の事情による降板など、多くの驚きがファンを襲った。2025年、人気シリーズから去っていったスターたちの動向を振り返る。
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『ALERT 失踪者緊急警報』シーズン3（ニッキー）
『ALERT 失踪者緊急警報』の顔として第1シーズンから物語を牽引してきたニッキー・バティスタ（ダニア・ラミレス）が、シーズン3序盤で、視聴者を絶句させる最期を迎えた。
事件が起きたのは第2話だ。あまりにも凄惨かつ予期せぬ展開が描かれたのである。作品の「柱」を失った衝撃は、ファンの間に瞬く間に広がることとなった。ニッキを失い、新たな局面を迎えたはずの『ALERT 失踪者緊急警報』だったが、最終的にシーズン3をもって放送終了が決定。今年6月、シリーズは志半ばで打ち切りの憂き目に遭うこととなった。
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『シカゴ・ファイア』シーズン13（ダレン・リッター＆サム・カーバー）
@deadlineより
シーズン7から出演していたダレン・リッター役のダニエル・キリと、シーズン11から登場したサム・カーバー役のジェイク・ロケットがシーズン13を最後に降板。
関係筋によれば、ウルフが手がける「シカゴ」シリーズを含むNBCの看板番組全体で、制作費の見直しが進められているという。二人の降板は単なるクリエイティブ上の都合ではなく、シリーズ存続をかけた予算削減に向けた取り組みの一環であるという。
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『エミリー、パリへ行く』シーズン4（カミーユ）
Netflixシリーズ『エミリー、パリへ行く』は独占配信中
カミーユは同作のシーズン1からレギュラー出演し、パリでの生活に戸惑うエミリーを支える心優しい友人として、時には恋のライバルとして、4シーズンにわたり物語の中核を担ってきた。
演じるラザは米TVLineに対し、降板にあたっての声明を発表。「素晴らしい旅を経て、『エミリー、パリへ行く』から離れる決断をしました。成長と創造性、そして忘れられない思い出に満ちた、本当に素晴らしい経験でした」と、これまでの歩みを振り返っている。
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『9-1-1：LA救命最前線』シーズン8（ボビー）
8シーズンにわたり物語の中心にいた彼が、ウイルス感染という緊急事態の中、仲間に唯一の解毒剤を譲るという英雄的行動で命を落とした。
ボビーの退場が明らかになった際、ピーターはこの展開について「大胆な番組における、大胆でクリエイティブな選択」であり、シリーズのインスピレーションの源である救命隊員たちに「敬意を表したもの」だと語っていた。
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『THE LAST OF US』シーズン2（ジョエル）
米HBOの大ヒットシリーズ『THE LAST OF US』のシーズン2では、原作ゲームを知るファンには予想されていた展開ながら、ジョエル（ペドロ・パスカル）の死が早くも第2話で描かれ、大きな波紋を呼んだ。
パンデミック後の荒廃した世界で、父娘のような絆を育んできたジョエルとエリー。しかし、前シーズンでジョエルが下した“ある決断”が、最悪の形で彼自身に跳ね返ることとなったのだ。ゲーム版をプレイしたことのない視聴者にとっては完全に予想外の展開で、彼の死はまさに『ゲーム・オブ・スローンズ』を彷彿とさせる“容赦なきストーリーテリング”として衝撃を与えた。
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『ファイア・カントリー』シーズン3（ヴィンス＆ガブリエラ）
『ファイア・カントリー』公式Instagram＠firecountrycbsより
今年4月に放送されたシーズン3最終回で、視聴者を戦慄させる衝撃の結末を迎えた。ボーディが、両親と祖父が取り残されたまま燃え盛るビルが崩壊するのを目の当たりにするという、あまりにも残酷なクリフハンガーで幕を閉じたのだ。製作陣は、物語の核心に触れるネタバレを避けるため、現時点でビリーの正式な降板理由や退場の仕方を明言していない。しかし、ショーランナーを務めるティア・ナポリターノは米Deadlineに対し、作品のリアリティを追求した結果であると示唆している。
さらに、オリジナルキャストの一人であるガブリエラ役のステファニー・アルシラも、シーズン4にはレギュラーとして出演しないことが決定した。ボーディとの複雑な関係性が物語の軸の一つであっただけに、彼女の不在は大きな波紋を呼びそうだ。
『エルズベス』シーズン2（カヤ・ブランク）
Instagram＠carrieprestonより
型破りな弁護士エルズベス・タシオニの活躍を描く人気シリーズ『エルズベス』。その最新シーズンとなるシーズン3において、大きな転換点が訪れることとなった。オリジナルキャストとして物語を支えてきたカヤ・ブランク役のキャラ・パターソンが、レギュラー出演から退くことが明らかになったのだ。劇中でのカヤは、ワシントンD.C.を拠点とする法執行機関のタスクフォースに加わることになり、ニューヨークの現場を離れる筋書きとなる。
主要キャラクターの離脱はファンにとって衝撃だが、悲観する必要はなさそうだ。パターソンは今後もゲスト出演という形で、引き続きシリーズに登場する予定だと報じられている。
ショーランナーを務めるジョナサン・トリンズは、「カヤはこのドラマの世界から完全に去るわけではない。ただ、毎日私たちと一緒に現場にいるわけではなくなるというだけだ」と語り、キャラクターの継続性を強調した。
『エルズベス』シーズン1～2はParamount+（パラプラ）で独占配信中。
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『LAW & ORDER： 性犯罪特捜班』シーズン26（ベラスコ＆マルティネス）
ジョー・べラスコ役のオクタビオ・ピサーノと、ケイト・シルバ役のフリアナ・アイデン・マルティネスはシーズン26を最後にシリーズを去ることに。Deadlineが最初に報じたところによると、両俳優の降板がクリエイティブ面での判断によるものか、あるいは財務面（予算）の都合によるものかは明らかになっていない。
シーズン26の最終話では、べラスコ刑事がサンディエゴで麻薬取締局（DEA）の潜入捜査官として新たな任務に就くため、特捜班を離れることが判明。彼の任務は、麻薬密輸ルートを摘発するという危険な潜入捜査だ。シーズン27の第1話では、べラスコがオリビア・ベンソン警部（マリスカ・ハージティ）に対し、極秘でDEAにリクルートされていることを打ち明けていた。今回のエピソードで、彼はついにその誘いを受け入れる決断を下すという流れだった。
『LAW & ORDER： 性犯罪特捜班』シーズン1～25はHuluにて配信中。
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『ドクター・フー』（15代ドクター：ンクーティ・ガトワ）
(C)2014BBC
ンクーティ演じる15代目ドクターは、シーズン14で新たに登場すると、翌シーズン15のフィナーレ「現実戦争」で世界の危機を前に巨大な敵と対峙。一人の少女の命を救うために自らの命を犠牲にするという最期を遂げた。ンクーティはこれにより、1シーズンのみで去った9代目ドクターのクリストファー・エクルストン以来の、3シーズン未満でドクター役を終えた俳優となった。
フィナーレの放送に合わせ、ンクーティは公式声明を発表。「この旅は決して忘れることのできないものでした。そしてこの役は、永遠に私の一部であり続けるでしょう」と、ドクター役への深い愛着と感謝を綴った。
また、ショーランナーを務めるラッセル・T・デイヴィスも、稀代のスターとなったンクーティへ向けて最大級の賛辞を贈っている。 「なんて素晴らしいドクターだったのでしょう！ ありがとう！ 彼の最後の言葉通り、これは至上の喜びでした。そして、成層圏を突き抜けるほどの新たな高みへと飛び立っていく彼の素晴らしい冒険の一部になれたことは、ここ数年この番組に携わったすべての人にとって、この上ない幸運です」
『ドクター・フー』はDisney+（ディズニープラス）で独占配信中。
『シカゴ P.D.』シーズン12（キアナ・クック）
トーヤ・ターナー公式Instagram（iamtoyat）より
シーズン12からレギュラーキャストとして参加していたトーヤ・ターナーは、わずか1シーズンの登場のみで降板することに。危険な職務中のアドレナリンが出る状態を好み、カオス的な状況にもひるまないキャラクター、キアナ・クック巡査役を演じていた。
トーヤはい声明で、「キアナというキャラクターを演じることができた時間に感謝しています。私を温かく迎えてくれた皆さん、本当にありがとうございました」とコメントしている。
『シカゴ P.D.』シーズン1～10はHuluにて配信中。
『ザ・ピット／ピッツバーグ救急医療室』シーズン1（ヘザー・コリンズ）
アメリカ・ピッツバーグにある救命救急センターの一日（15時間）を、一話一時間のリアルタイム進行スタイルで描き出す本作。メインキャラクターの一人コリンズ（トレイシー・イフェアチョア）が最後に本編に登場したのは、全15話となるシーズン1の第11話。ノア・ワイリー演じるマイケル・“ロビー”・ロビナヴィッチ医師との関係の深さを示す、心温まるやり取りがあった時だった。
彼女の降板は制作側の決定で、彼女自身の選択ではなかったとのこと。製作総指揮も務める主演のノア・ワイリーは降板の経緯について次のように説明している。「シーズンの終盤は、ロビーの人生から壁を取り払うことばかりです。彼はコリンズとラングドンに大きく依存していたのに、二人から引き離されてしまいます。さらには、同じように依存していたダナも離れ、そして恋人を救えなかったことでジェイクとの最後の関係も断ち切られてしまうのです。そのようにしてロビーの支えをすべて奪っていき、（最終的に）彼を一人にしようという発想でした。もしコリンズがそこ（ロビーのそば）にいたらロビーに届く声の一つになっていたでしょうが、私たちは彼の近くに誰もいてほしくありませんでした」
『ザ・ピット／ピッツバーグ救急医療室』シーズン1はU-NEXTで独占配信中。
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『シカゴ・ファイア』シーズン13（ジャック・デイモン）
シーズン12から新たなメンバーとして登場していたジャック・デイモン役のマイケル・ブラッドウェイは、シーズン13にて降板が決定。
今回の降板は、マイケルが現在、カーリー・フォーチュンのベストセラー小説「Every Summer After」のドラマ版にキャスティングされ、すでに制作が進行しているためだという。『シカゴ・ファイア』のプロデューサー陣は、スケジュールの都合がつけば、マイケルに続投して欲しいと考えているようで、再登場の可能性もゼロではない。
『シカゴ・ファイア』シーズン1～11はHulu、U-NEXTにて配信中。
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『トラッカー』シーズン2（ボビー＆ヴァルマ）
『トラッカー』公式Instagram（trackercbs）より
シリーズ開始当初からコルターを支えてきたオリジナルキャストのボビー（エリック・グレイス）とヴァルマ（アビー・マケナニー）がシーズン3を前にそろって降板。ヴェルマの妻テディを演じたロビン・ワイガートもシーズン1で既に卒業しており、主要キャストの降板が相次ぐ形となっている。
公式の作品紹介によると、コルターは「卓越した追跡スキルを駆使し、一般市民や法執行機関があらゆる謎を解決するのを助ける」という役柄だ。その徹底された「一匹狼」の設定が、今回のキャスト降板にも繋がっているのかもしれない。
『トラッカー』シーズン1～2はDisney+（ディズニープラス）で独占配信中。
（海外ドラマNAVI）
