2023年10月28日、世界中のファンに愛された『フレンズ』のチャンドラーこと、マシュー・ペリーが54歳でこの世を去った。彼の突然の死は多くの人々に衝撃を与えたが、長年の共演者であり、家族のような絆で結ばれていたジェニファー・アニストンは、彼を失う覚悟を“ずっと前から”していたと明かしている。
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依存症との壮絶な闘いを見守り続けた日々
Vanity Fair誌のインタビューに応じたジェニファーは、マシューが長年苦しんだ薬物依存症の問題について率直な思いを語った。
「私たちはできることは全てやった」
この言葉は、マシュー自身が2022年の回顧録「Friends, Lovers, and the Big Terrible Thing(原題)」で表現していたものと重なる。実際、マシューが生涯で最も頼りにしていた存在がジェニファーだったと言われている。彼は晩年のインタビューで、「彼女は一番助けてくれた存在だった」と、深い感謝の言葉を口にしていた。
『フレンズ』のオリジナルキャストたちは、番組終了後も強い絆で結ばれており、長年にわたりマシューの苦しみを見守り、支え続けてきたのだ。
その苦しみから解放されたことが嬉しい
ジェニファーは、マシューの死について悲しみと同時に安堵の気持ちがあったことを告白している。
「まるで私たちは長い間ずっとマシューを悼んできたような気がするの。というのも、あの病気との闘いは彼にとって本当に過酷なものだったから。私たちやファンにとっても辛いことだったけれど、正直なところ、これで良かったのかもしれないという気持ちもあるの。彼がもうその苦しみから解放されたことが嬉しいわ」
この言葉は、マシューが置かれていた状況がいかに壮絶だったかを物語っている。彼の死因は、検視官事務所の発表によると「ケタミンの急性作用」によるものだった。遺体は自宅ジャグジーで発見され、報告書には溺死や冠動脈疾患、そしてオピオイド使用障害の治療薬であるブプレノルフィンの影響もあったと記されている。
終わりなき依存症との闘いの果てに
皮肉なことに、マシューを死へと導いたケタミンは、合法的な治療として使われていた側面もある。しかし、この治療は依存と過剰摂取という複雑な問題へとつながってしまった。この件に関しては、マシューにケタミンを渡したとされるサルバドール・プラセンシア医師が、配布に関して4件の罪状で有罪を認めるなど、現在も捜査や法的措置が進行中である。
『フレンズ』のチャンドラーとして世界中に笑顔を届けたマシュー・ペリー。しかしその裏では、薬物とアルコールの長い闘いを経験していた。彼の死は、依存症という病の根深さと、それに立ち向かう人々の苦悩を改めて浮き彫りにしたと言えるだろう。
『フレンズ』全10シーズンは、Hulu、U-NEXTにて配信中。(海外ドラマNAVI)
参考元:Deadline