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推しドラマの最終回、なぜ私たちは「ロス」を感じるの?

2025年7月14日 ※本ページにはアフィリエイト広告が含まれます

長年追いかけてきた大好きなドラマシリーズの最終回は、誰にとっても寂しい瞬間であろう。Netflixの大ヒット作『イカゲーム』が幕を閉じたのに続き、2025年には『ストレンジャー・シングス 未知の世界』『グッド・オーメンズ』といった人気ドラマの完結も控えている。なぜ私たちはドラマの最終回にこれほどまでに心を揺さぶられるのか? その心理を専門家が解き明かす。

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視聴者が求める「納得のいく終わり」の重要性

人がドラマシリーズを視聴する理由は、感情の解放を味わいたかったり、キャラクターや物語を通して間接的に体験を共有したかったりと様々だ。そういったパラソーシャル(現実で面識のない人物に対して親しみを覚えること)な関係は、番組の最終回で終わりを迎える。

豪セントラルクイーンズランド大学のアダム・ジェラーチェ教授によると、だからこそ視聴者は満足のいく結末を求めるのだという。満足のいく最終回でカタルシスがもたらされ、視聴者が長く見守ってきた登場人物たちの運命に一つの答えが提示されることで、物語との“別れ”が心地よいものになる。

最終回では、『ブレイキング・バッド』『ゲーム・オブ・スローンズ』のように、重要キャラクターの死によって物語が完結することもある。一方で、『シックス・フィート・アンダー』のように、登場人物たちの“その後”が描かれることで、視聴者に明確な終わりと安心感を与えるケースもある。

現実にはない「明確な区切り」をフィクションに求める心理

興味深いことに、人は現実の人生ではなかなか得られない「終わり=区切り」を、フィクションの中では強く求める傾向があるという。恋愛や人生の節目には、往々にして曖昧な結末しか得られないことが多いにもかかわらず、お気に入りのキャラクターの物語には“明確な幕引き”を期待してしまうのだ。

また最終回には、「物語の転換点」としての役割もある。『SEX AND THE CITY』のように関係の行方が最後まで揺れるものもあれば、『シッツ・クリーク』のように結婚をきっかけに新たな旅立ちを描くケースもある。一方で、視聴者の賛否を呼ぶ衝撃の結末も少なくない。『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』の唐突な幕切れや、『ママと恋に落ちるまで』『LOST』の賛否両論となったエンディングのように、期待した答えが得られない時に視聴者は裏切られたと感じることもある。

ドラマ終了後の「喪失感」との向き合い方

ジェラーチェ教授は、ドラマが終了した時に喪失感を抱くのは自然なことで、フィクションの世界が受け取る側にもたらす喜びや癒し、そして自己成長の機会を大切にするべきだとしている。愛着のあるキャラクターとのつながりは、現実世界で他者と共感し合う手助けにもなるとのこと。最終回の余韻を共有したり、不満を語り合ったりすることで、ファン同士の絆が深まることもある。シリーズが終わっても、再視聴やオンラインコミュニティ、イベントなどを通じてその関係性は続いていく。そして時間が経つほどに、喪失感は「この作品に出会えてよかった」という感謝の気持ちに変わっていくとしている。

シーズン3で幕を閉じる予定の『グッド・オーメンズ』はPrime Videoで独占配信中。(海外ドラマNAVI)

参考元:Screen Hub

Photo:Pixabay

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海外ドラマNAVI編集部

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