人気ドラマ『ザ・ルーキー』のスピンオフ第2弾の企画が進行中だと報じられたが、1シーズンで打ち切りとなった第1弾『ザ・ルーキー:FEDS FBI新米捜査官ファイル』と同じ轍を踏まないために必要なことを、米Screen Rantが挙げているので紹介したい。
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本家とのクロスオーバーが重要か
オリジナル版は米ABCの看板ドラマとして高い人気を誇っており、スピンオフ展開は自然な流れだと言える。しかし、2023年に打ち切られた『FEDS FBI新米捜査官ファイル』は、その可能性を活かしきれないまま終了した。
第1弾が失敗した最大の要因のひとつは、本家とのクロスオーバー戦略が不十分だったことだ。『ザ・ルーキー』の2話分で、スピンオフの主人公シモーン・クラーク(ニーシー・ナッシュ=ベッツ)を紹介するバックドア・パイロットが放送されたが、その後に正式なクロスオーバーには至らなかった。
クロスオーバーとは物語が2つの番組にまたがり、両番組のキャラクターが本格的に絡み合うイベント型の構成であるべきだ。しかし、『FEDS FBI新米捜査官ファイル』シーズン1ではそれが実現せず、バックドア・パイロットでは『ザ・ルーキー』側で事件が完結し、続くスピンオフに視聴者の関心が向かない状態を生み出してしまった。
ABCはバックドア・パイロットを「クロスオーバー」として宣伝したが、実際には視聴者が2作品を続けて見る必要がない構成で、ファンの期待を裏切る形になっていた。視聴者の多くは『ザ・ルーキー』のキャラクターとの本格的な絡み合いを求めており、それが不足していたことがスピンオフの視聴率低迷につながったと考えられる。
したがって、スピンオフ第2弾が成功するためには、『シカゴ・ファイア』をはじめとする「ワン・シカゴ」シリーズのような、“本物のクロスオーバー戦略”を取り入れることが重要だ。
例えば、『ザ・ルーキー』シーズン8のエピソード内でスピンオフの新キャラクターたちが登場し、高まった緊張感の中で事件が未解決のまま終了。その続きがスピンオフ第1話として放送されるという流れにすれば、視聴者の関心を自然とスピンオフに引き込むことが出来るだろう。
ワシントンD.C.が舞台になるというスピンオフ第2弾と、ロサンゼルスが舞台の本家とは地理的に距離があるが、それでも州をまたぐ事件を理由に、両番組のキャラクターが協力し合う展開は可能だ。重要なのは“現実的かどうか”ではなく、“ファンをワクワクさせられるかどうか”だ。その視点をABCが持てるかどうかが、スピンオフ成功の命運を分ける鍵となるのではないだろうか。
『ザ・ルーキー』シーズン1~4はHulu、『ザ・ルーキー:FEDS FBI新米捜査官ファイル』はWOWOWオンデマンドで配信中。(海外ドラマNAVI)