
シャーロック・ホームズ作品に新たな一作が登場した。ホームズが、彼の娘かもしれないアメリアを相棒に、事件を解決していく新作ドラマ『Sherlock & Daughter(原題)』は、米CWで4月16日より放送中。
本作は、アーサー・コナン・ドイルによるホームズ初登場作「緋色の研究」へのオマージュが大きな見どころだという。米TV Insiderが報じている。
新ヒロイン登場!シャーロックの“娘”とは?
本作で製作総指揮を務めるのは、シャーロック・ホームズをこよなく愛するブレンダン・フォーリー(『新・死霊の沼』)。彼は今作を、原作ファンも新規ファンも楽しめるよう工夫している。
No place like Holmes.#SherlockAndDaughter premieres TONIGHT at 9/8c on The CW. Stream free tomorrow on The CW App. pic.twitter.com/PlzkZGH1uJ
— The CW (@TheCW) April 16, 2025
本作の主人公のひとりは、アメリカからやってきた若い女性アメリア・ロハス。彼女は突然シャーロック・ホームズの前に現れ、自分が彼の娘だと主張。さらに、自身の母親であるルシアが殺害された事件の真相を解明してほしいと依頼する。
ルシアは、スペイン系とネイティブ・アメリカンの血を引く発明家兼デザイナー。かつてはバッファロー・ビルのワイルド・ウエスト・ショーに携わっており、その際にホームズと接点があった可能性がある。
当初、ホームズはアメリアの話を信じず、「ばかげている」と一蹴。しかし、彼女を“メイド兼助手”として雇い、「私の頭脳を受け継いでいるなら証明してみろ」と試す。アメリアは家事には不向きだが、捜査ではその直感と機転が光る。ある事件での活躍を機に、ホームズは彼女を正式に弟子として認めることに。
敵役たちも見逃せない
物語には、名悪役モリアーティや、復讐に燃えるレディ・ヴァイオレットも登場。フォーリーによると「モリアーティはロンドンの牢獄にいる」とのこと。またレディ・ヴァイオレットについては「ホームズに想いを寄せていたが、彼に冷たくあしらわれた過去を持ち、『101匹わんちゃん』のクルエラ・ド・ヴィルのような悪女ぶりを発揮する」という。
また、舞台は1890年代だが、現代の犯罪ドラマ同様、誇り高き技術オタクも登場する。スチームパンク好きな若手刑事スワンは、スコットランド・ヤードの地下に拠点を構える発明マニア。電話やエレベーターといった技術に戸惑うホームズに、常に最新の情報を提供する。
原作「緋色の研究」へのオマージュ
今作で大きな注目を集めるのは、アーサー・コナン・ドイルによるホームズ初登場作「緋色の研究」へのオマージュだ。
原作でホームズはこう語る。「人生の無色の糸の中には、殺人という緋色の糸が織り込まれている。我々の義務は、それを解きほぐすことだ」。この台詞にちなんで、本作では“赤い糸”が事件現場に度々登場し、ホームズはその糸を見ると、なぜか調査を中断してしまう。
「なぜホームズが、自らの得意分野である探偵活動を避けるのか――その理由を明らかにしていくのが今作の鍵となります」とフォーリーは語る。
「このシーズンの特別なお楽しみは、「緋色の研究」へのオマージュを見つけ出すことです。二人は、アメリアの母親が殺害された事件を解決するために、凶器のナイフに巻かれていた“赤い糸”を手掛りとして捜査を始めます。ですがホームズは新しい事件が起きるたびに、この“赤い系”が何かに巻かれているのを見つけ、きちんと捜査ができないのです。シャーロック・ホームズが得意とすること、つまり捜査することなのですが、なぜ彼が捜査できないようになっているのかと突き止めなければならないのです」
「今の時代、少しでも人々に楽しさと喜びを届けたい。この作品にはユーモアもあるし、ときにはドラマチックにもなる。でも決して重苦しいものではない。世界にはもう十分なほどの暗さがありますからね」フォーリーは最後にこう語った。
『Sherlock & Daughter』は、米CWにて放送中。日本への上陸は未定。(海外ドラマNAVI)
Photo:Instagramアカウント@thecwより