『ダウントン・アビー』クリエイター、ヴェネツィアが舞台の刑事ドラマ制作へ

20世紀初頭の英国を舞台に、貴族とその使用人たちの複雑な人間模様を描いて大ヒットした英ITVの人気シリーズ『ダウントン・アビー』を手がけたジュリアン・フェロウズが、20th Televisionにて刑事ドラマの製作を進行中であることがわかった。米Deadlineが伝えた。

 

ブルネッティ警視を主人公にした人気シリーズのドラマ版

フェロウズの長年の友人で今年2月に亡くなったプロデューサーのアイリーン・メイゼル(『ライラの冒険 黄金の羅針盤』)の発案を引き継ぐ形で進んでいる本企画は、アメリカ人作家ドナ・レオンの「Detective Brunetti」シリーズが原作。フェロウズは脚本と製作総指揮を務める。脚本にはフェロウズの息子ペレグリン・キッチナー・フェロウズも参加。また、原作のレオンも製作総指揮に名を連ねる。

ブルネッティ警視を主人公にした「Brunetti」シリーズは、1992年に第1作「死のフェニーチェ劇場」が出版されて以来、2024年現在までに33作が発表されており、最新作の「A Refiner’s Fire(原題)」は米ワシントン・ポストの「2024年ベスト・ミステリー小説」の1冊に選ばれた。1作目から26作目まではドイツでテレビドラマ化されている。

本シリーズの物語の舞台は現代ではあるものの、「Brunetti」シリーズの公式の説明では、最初の1行がトルストイの「アンナ・カレーニナ」の冒頭一節と呼応しており、古典文学へのオマージュになっている。

「不幸な刑事はいずれも似通っているが、幸せな刑事はそれぞれの幸せのために奮闘する。観光客で賑わうエリアから離れ、色あせつつあるヴェネツィアの街で、警視ブルネッティは殺人、汚職、そして貴族の義両親の干渉といった厳しい現実から自分の街と家族を守るために日々の戦いに向き合っている」

『ダウントン・アビー』を代表に、米HBOの『ギルデッド・エイジ -ニューヨーク黄金時代-』や米MGM+の『ベルグレービア 新たなる秘密』、さらにアカデミー賞脚本賞を受賞した『ゴスフォード・パーク』など、これまでのフェロウズは歴史ドラマをメインにTVや映画を手がけてきた。

また、2010年にアンジェリーナ・ジョリーとジョニー・デップが共演したことでも話題となったミステリー映画『ツーリスト』で、フェロウズは共同脚本家の一人として参加。本作もヴェネツィアを舞台にしていた。

現在、フェロウズは『ギルデッド・エイジ -ニューヨーク黄金時代-』シーズン3を撮影中。『ダウントン・アビー』映画第三弾はポストプロダクションの段階にあり、2025年9月にイギリス&アメリカでの劇場公開を予定している。(海外ドラマNAVI)

参考元:Deadline

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