クライム・スリラー『アレックス・クロス ~狙われた刑事~』にシリアルキラー役で出演中のライアン・エッゴールド(『ブラックリスト』『ニュー・アムステルダム 医師たちのカルテ』『新ビバリーヒルズ青春白書』)が役作りについて語った。
これほどサイコパスで冷徹な役は初めて
本作は、ジェイムズ・パタースンの32巻を超える超ベストセラー「アレックス・クロス」シリーズを、ショーランナー兼エグゼクティブ・プロデューサーのベン・ワトキンス(『バーン・ノーティス 元スパイの逆襲』)がドラマ化したクライム・スリラー。
犯罪心理学者でありながら首都警察の刑事である主人公のアレックス・クロスが、殺人犯とその被害者の心理を掘り下げる。犯人特定から逮捕・事件解決までのストーリーが、複雑かつ深みある描写と演出で描かれていく。
「必ずしもダークなものを探していたわけではない」というライアンだが、ワトキンスが連続殺人犯エド・“ファンボーイ”・ラムジーの話を持ってきたときには興味をそそられたという。
エド・ラムジーは被害者を誘拐し、有名な連続殺人犯そっくりに変身させてから殺害する連続殺人犯。ライアンは役について「悪役を演じるのは久しぶりで、これほどサイコパスでマゾヒストで冷徹な役は初めてだった」とVariety誌に語る。
「ラムジーの最初の印象は、『アメリカン・サイコ』のような雰囲気、不健全なまでのアメリカ的例外主義、貪欲さと権力に飢えていることを見事に表現しているというものだった。良心の呵責も共感もなく、他人を操ることができるような人物は、今日私たちが目にするある種の人々を確かに反映していると思う。そして、連続殺人犯という側面が入ってくると、テッド・バンディやジェフリー・ダーマーのような、人をおびき寄せる魅力にあふれた殺人鬼が思い浮かんだんだ」と明かす。
また、ライアンにとってラムジーの闇を表現するのが難しかったという。ラムジーは、最後の犠牲者であるシャノン(エロイーズ・マンフォード)を苦しめ、彼女を有名な連続殺人鬼アイリーン・ウォーノスに肉体改造することに多くの時間を費やす。
ライアンは、彼の行動がいかに不快であるかについてはあまり考えず、ひたすらキャラクターの目的に集中しようとした。
「連続殺人犯を演じるということは、無反省や共感の欠如を支持するためではなく、なぜアレックス・クロスのようなヒーローが必要なのか、なぜ家族、つながり、愛が重要なのかを世界に示し、思い出させるためにいるんだ。ラムジーのように共感性もなく、反省もしないで、このような結果になる唯一の方法は、愛、家族、つながり、コミュニティといったものを持っていないからだと思うんだ」とシリアルキラーを演じることの意義についても語っている。
悪役を演じるのは簡単ではなかったようだが、シーズン2に登場する可能性は否定していない。「クリエイターと選択肢について話し合い、連続殺人犯ラムジーが戻ってくる可能性はあるよ」と語っている。
『アレックス・クロス ~狙われた刑事~』シーズン1(全8話)は、Amazon Prime Videoで独占配信中。
Photo:『アレックス・クロス ~狙われた刑事~』©Amazon MGM Studios