『HEROES/ヒーローズ』ザッカリー・クイント、地上波ドラマ復帰について語る

『HEROES/ヒーローズ』『アメリカン・ホラー・ストーリー』といった人気ドラマに出演し、日本にもファンの多い俳優ザッカリー・クイント。ここしばらく地上波のドラマから遠ざかっていた彼が、戻ってきた心境について明かしている。

新作医療ドラマで型破りな医師に

米NBCで9月23日(月)に始まる新作メディカルドラマ『Brilliant Minds(原題)』で久しぶりに放送作品に戻ってくるザッカリー。復帰の決め手になったのは、放送局と大手配信サービス各社の力関係に起きた変化だ。

「放送局と配信会社をめぐる話し合いは変化したし、業界はかなり遠ざかっていたある種のテレビ作品への回帰を経験した」と米Entertainment Weeklyに語ったザッカリー。「(放送局による連続ドラマの)信頼性は高い。視聴者は一時期よりも予約型テレビ作品により興味を持っている」と持論を展開した。

配信作品が多く見られる傾向は引き続きあるものの、配信作品に対する幻滅の声が高まっているのも確か。特に利益重視の経営戦略によってニッチな作品が打ち切りになったり、より予算をかけたハイクオリティな作品を作ろうとするあまり、新シーズンが出来上がるまでに長く待たされる羽目になったりすることで、視聴者の配信作品に対する忠誠心は薄れてきた。

ニールセンによれば、地上波とケーブルの放送は合わせて年間テレビ消費量50%を占めており、そのうち地上波作品がケーブル作品を上回る結果をキープ。さらには、9シーズン続いたケーブル局(米USA Network)のドラマ『SUITS/スーツ』が昨年、Netflixで配信されるようになったことをきっかけに数ヵ月にわたって多くの人に視聴されたことから、改めて放送作品の需要や価値が見直されている。

ドラマは今でも人気があれば20シーズン以上続くものもある一方、支持を得られなければ1シーズンを放送し終わる前に容赦なく打ち切られるような、シビアで見通しがつきにくい世界だ。そんな世界にザッカリーもすんなりと戻れたわけではなく、「何年も続く可能性のあるものにサインするという考えに、躊躇があった」と打ち明けている。それでも復帰した以上、取り巻く状況が絶えず変化するこの業界で医療ドラマが居場所を確保できることを期待しているようだ。

『Brilliant Minds』は、2015年にこの世を去るまで革命的な人生を歩んできた神経学者オリバー・サックスをモデルに、ザッカリー演じるドクター・ウルフとインターンたちから成るチームが、自らのメンタルヘルスや人間関係と格闘しながら型破りな方法で患者の病気を解決する姿を描く。ザッカリーは「患者に敬意を表し、彼らが人生である程度の誠実さと尊厳を再発見できるよう助けるために、彼がどこまで進んでやろうとするかというアイデア――その物語のダイナミックさに魅了された。それこそが放送局のドラマ作品に戻った理由なんだ」と話している。

ザッカリーによれば、主人公のウルフは「ちょっと反抗的なタイプで、考える前に行動するようなところもあるけど、基本的には善人。既成概念に捉われず、人の生活を少しでも良くしたいと考えている」キャラクターで、そんな役柄を演じるのは「楽しい」という。

ザッカリーにとって久々の地上波ドラマ『Brilliant Minds』が本国でヒットし、日本にも上陸してくれることを期待したい。

『HEROES/ヒーローズ』全4シーズン、続編『HEROES REBORN/ヒーローズ・リボーン』はHuluU-NEXTにて配信中。(海外ドラマNAVI)

参考元:米Entertainment Weekly