世紀末的な世界を描くNetflixのファンタジードラマ『スイート・トゥース~ 鹿の角を持つ少年~』には、象徴的な紫の花が何度も登場するが、その真の意味とは何なのだろうか?(本記事には『スイート・トゥース』シーズン3までのネタバレが含まれます)
「紫の花」の起源は…
『スイート・トゥース』は、謎のウイルスの蔓延で荒廃した世界を舞台に、人間とシカのハイブリッドとして生まれた少年ガスが、無愛想だが頼りになるトミーと一緒に、家族と故郷を捜す壮大な冒険に乗り出していくシリーズ。
劇中で紫の花は、人間と動物のハイブリッドが生まれる原因となったウイルスを放出すると考えられ、ウイルスの感染者が近くいることを知らせるサインとして使われてきた。しかし、シーズン2では紫の花がパンデミックを引き起こしたのではないことが徐々に分かり始め、シーズン3では、さらに花の起源を探る展開に。
ファイナルシーズン第5話「心臓が動く音」では、物語が1900年代初頭まで遡る。探検隊を率いていたジェームズ・サッカー大尉が神聖な木を発見し、彼は樹液、つまり「地球の血」を文明社会に持ち帰り、薬を作って人類のために使いたいと考えていたのだが、実はこの木がウイルスの発生源だったのだ。
木に斧を入れたためウイルスに感染したサッカーは、疫病を蔓延させないために現地に留まることを決意し、彼が死んだ時に遺体から紫色の花が咲いた。それが感染者のいる場所を示す最初の花となり、紫の花はウイルスの発生源ではなく、危険な疫病の後遺症であることが明らかになる。
それから時を経て、ウイルスを発生した神聖な木の樹液が地中に流れ込み、1世紀後にフォートスミス研究所が樹液を発見。ガスの母バーディが、この樹液を使って初となるハイブリッドのガスを生み出し、パンデミックが始まってしまう。
言ってみれば、ウイルスが存在する場所に咲く紫の花は、人類が地球に与えたダメージを象徴しており、視聴者は、紫の花が人類の利己的な行動を思い出させる存在だと気づくのではないだろうか。
本シリーズは、「人類がいない方が地球には良いのかもしれない」という考えを提示しているのかもしれない。
『スイート・トゥース~ 鹿の角を持つ少年~』シーズン1~3は、Netflixにて独占配信中。(海外ドラマNAVI)
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