米Maxの海賊コメディドラマ『海賊になった貴族』がシーズン2をもって打ち切りが決定し、ファンが番組を救済するために大規模なキャンペーンを展開している。
NYタイムズスクエアに広告を掲載
『海賊になった貴族』は、マーベル映画『マイティ・ソー』シリーズで監督を務めたタイカ・ワイティティが出演・製作総指揮を担うシリーズ。18世紀初頭に地主から海賊になり、“海賊紳士”と呼ばれた実在の人物スティード・ボネットの人生をモデルに描かれる。カリブ海の冒険に乗り出し、海賊船リベンジ号の船長となったスティードは、悪名高き黒ひげの船長と運命的な出会いを果たし、二人の友情は少しずつロマンスへ発展していく─。
シーズン2は2023年10月にMaxでデビューし、クリエイターのデヴィッド・ジェンキンスは「シーズン4で物語を終える計画」を明かしていたが、今月初旬にキャンセルが発表された。
しかし、熱狂的なファン層は打ち切りを最終的な決定とは受け止めず、ジェンキンスが意図した通り、シーズン4での終了を目指して番組を救おうと集結。「Renew as a Crew(乗組員として更新を)」と題したキャンペーンを立ち上げ、最終的にニューヨークのタイムズスクエアに、「Save Our Flag Means Death(『海賊になった貴族』を救おう)」とのデジタル広告を掲げるほどの集金に成功した。
ファンの熱心な救済運動に心を打たれたジェンキンスは、1月20日には自身のInstagramでタイムズスクエアの広告について反応。「君たちがタイムズスクエアに広告を掲げてくれたなんて…!これは真に最高のファンダムだし、言葉を失ってしまった。すごく慎ましくて、本当に優しいね。みんなことが大好きだよ、本当に。君たちのおかげで、僕は何かと繋がっていると思える」とコメントし、感謝の意を伝えている。
ジェンキンスは実際に広告を見に行ったようで、次の日には広告を背景にしたセルフィも投稿。「私たち(脚本家、キャスト、プロデューサー、重役)は皆、この溢れんばかりの愛とサポートに大きな衝撃を受けているよ。個人的には、どのプラットフォームもこの熱狂的なファンベースを活用できると思うけど、それは私の範疇の外の話だ。Netflixの皆さん、Amazon Studiosの皆さん、Apple TVの皆さん、私たちはシーズン3、そしてそれ以降を作る準備ができています」と他のプラットフォームをタグ付けして、自らも救済を呼びかけた。
また、キャンペーンで集まった資金は看板の広告スペースの購入に当てられたほか、ロサンゼルスにあるHBOのオフィス上空に飛ばす飛行機にも使われるという。それだけでなく、ファンは募金サイト「change.org」でも同様のキャンペーンを展開しており、この記事の執筆時点で7万5000人以上の署名を集めている。
これまでに、『LUCIFER/ルシファー』や『MANIFEST/マニフェスト』など、番組の打ち切り後にファンがキャンペーンをスタートし、他のプラットフォームに救済されたケースがあったが、『海賊になった貴族』も仲間入りできるだろうか。
『海賊になった貴族』シーズン1&2はU-NEXTにて配信中。(海外ドラマNAVI)
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Photo:©HBO Max