トム・ハンクスが製作総指揮を務めた伝説的な戦争ドラマ『バンド・オブ・ブラザース』でとあるキャストがクビにされていたのだが、その理由をColliderが伝えている。
トム・ハンクスがあるキャストをクビにした理由
戦争ドラマシリーズ『マスターズ・オブ・ザ・エアー』が1月26日から配信されることで再び注目を集めているスティーヴン・スピルバーグとトム・ハンクスが製作総指揮を務めた『バンド・オブ・ブラザース』。映画『プライベート・ライアン』に続いて製作された『バンド・オブ・ブラザース』は規格外の製作費と共に大掛かりな撮影が敢行され、今もなお語り継がれる名作に。キャストも大変豪華でマイケル・ファスベンダーやロン・リヴィングストン、ダミアン・ルイス、ジェームズ・マカヴォイ、サイモン・ペッグ、トム・ハーディ、デヴィッド・シュワイマーといった俳優たちが集結していたが、面白い逸話はキャスティングされなかった俳優に隠されていたようだ。
その俳優とはコメディアンとしても知られるコナー・ラトリフ。『マーベラス・ミセス・メイゼル』にも登場したコナーは、『バンド・オブ・ブラザース』から声がかかった当時、演劇学校を卒業したばかりで俳優としての将来を夢見る青年だった。そんな彼は、HBO製作、そしてスピルバーグとハンクスという大物が手掛ける作品に参加する機会を得たことでブレイクするのは時間の問題と思っていたそう。
演じる役は小さいものながら、大作への出演機会を得たことに興奮せずにはいられなかったコナーだが、憧れの人と仕事を共にしてブレイクするという夢は直前に儚く散ることになる。
撮影前日に代理人から電話がかかってきたというコナー。「今すぐにロンドン行の電車に乗ってくれ!トム・ハンクスが君のオーディションテープを見て、何やら違う考えが浮かんでいるらしい。彼は君の目が死んでいると思っているようだ」と言われたそう。オーディションをやり直すためロンドンへ駆けつけ、トムの前でシーンを演じたコナーは、来てくれたことへの感謝を告げられた後、部屋の外でしばらく待たされ、キャスティングディレクターから違う人を選ぶことにしたと聞かされたという。コナーの心は打ち砕かれ、その辛い思いはしばらく消えることがなかったようだ。
その後、トムと共演!?
コナーは、当時を“人生でどん底の日々”と振り返る。20代後半から30代前半にかけて演技から距離を置いていたが、その後、ニューヨークで即席コメディと出会いコメディアンとしての才能を開花。その後、俳優としてキャリアを築くことへの興味を失っていたがトーク番組『The Chris Gethard Show(原題)』などに出演。そこでこの失敗談を明かし、以来鉄板ネタに。
2020年には「Dead Eyes(死んだ目)」というタイトルのポッドキャスト番組もスタート。自身の人生に大きな影響を与えた問題の答えを探るというテーマの元、数々の著名なゲストとのインタビューを交えながら、俳優という職業やトム・ハンクスとの繋がり、『バンド・オブ・ブラザース』の裏話に迫るこの番組は瞬く間に人気を獲得し、批評家も大絶賛。そして2022年3月にはトム・ハンクス、その人をゲストに迎えての対談が実現する。そこで“死んだ目をしている”発言をしたことを認めたトム。しかしこのインタビューのすごさは、そこにあるのではなく二人が同じ業界で浮き沈みを経験したもの同士、心を通わせたこと。
若くして味わった挫折の大きさは計り知れないが、その過去がなければ今のコナーはいなかったに違いない。
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Photo:トム・ハンクス©babiradpicture/F.Altmann