アカデミー賞で話題になった映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(以下:『エブエブ』)や『ウォーキング・デッド』のスティーヴン・ユァン主演『BEEF/ビーフ ~逆上~』、米HBOの『ユーフォリア/EUPHORIA』などを手掛けてきた製作スタジオA24。作家主導のアート系作品を多く生み出してきた同社が今後、より商業的価値の高い作品の制作にビジネスを拡大していくようだ。米The Wrapなどが報じた。
A24が路線変更
過去10年間、A24はその優れた企画センスと、『ミッドサマー』『ウィッチ』『アンカット・ダイヤモン』のような話題になりやすいタイプの映画のおかげで、ファンからカルト的な熱狂を培ってきた。ファンたちは、公式ウェブサイトから厳選されたオリジナルグッズを購入することもできる。
しかし、『ハロウィン』フランチャイズの権利獲得を含む新たな戦略によって、彼らは、その大きな振れ幅の割にこれまで一度も試したことのないメインストリーム系の作品を作る可能性がある。同社を知るトップ・エージェントによると、A24のコンテンツ買収担当の幹部ノア・サッコはこの夏、"アクションと大型IPプロジェクト"を求めてタレント・エージェンシーを回ったという。
A24 is reportedly searching for “action and big IP projects” in an effort to “to expand into more commercial films.”
(https://t.co/N8cNWmOEJe) pic.twitter.com/jwlrl1BD1e
— Film Updates (@FilmUpdates) October 11, 2023
投資家の評価に応えるため?
昨年3月、マンハッタンを拠点とするPEファンドStripesが、A24に2億2500万ドルの投資を決定し、これにより彼らの評価額は25億ドルに達した。情報筋がThe Wrapに語ったところによると、A24の明らかな方向転換は、この巨額な評価に対応する必要性によるところもあるようだ。
よりリスクの高いアート系ドラマやジャンル映画に資金を投入するという同社のこれまでのビジョンは、ほとんど成功を収めてきたと言っても過言ではないだろう。『エブエブ』は、興行収入1億ドルを超えた初のA24作品となり、今年のアカデミー賞主要6部門のうち5部門(作品賞、監督賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞)を受賞した。また、同じく興行成績が高い『ザ・ホエール』が6部門目(主演男優賞)を受賞し、アカデミー賞史上初めて、ひとつのスタジオが主要6部門を独占するという快挙を成し遂げた。
だが、ヒット作の目覚ましい成功にもかかわらず、同社は『WAVES/ウェイブス』、『グリーン・ナイト』、『Beau Is Afraid(原題)』など、最近の期待された作品で損失を出している。要するに、アート志向の高い映画は儲からないし、危険だということ、長期的な戦略には向かず、その両方でうまくバランスを取らなければならないということのようだ。別のA24に近い情報筋は、A24の事業拡大に関するエージェントの説明に反論した。その情報筋によれば、スタジオは依然としてアート系の映画に重点を置くが、もっと幅広い作品を制作することになるという。(海外ドラマNAVI)
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Photo:『ユーフォリア/EUPHORIA』© 2022 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and all related programs are the property of Home Box Office, Inc.