大ヒットミュージカルドラマ『Glee/グリー』のレイチェル役で知られるリア・ミシェル。同ドラマでもレイチェルが憧れたミュージカル『ファニー・ガール』に出演しているリアだが、同ミュージカルが今月、多額の資金回収を完了したことが分かった。米Hollywood Reporterらが報じている。
引き継いだ役が好評
このミュージカルは2022年4月にブロードウェイのオーガスト・ウィルソン劇場で初演され、製作には1650万ドル(約24億円)の資本金が投下された。同作品は、来月9月3日(日)に幕を閉じる予定であり、その後、カテリーナ・マクリモンを主演に迎え北米ツアーが予定されている。
もともと本作は、ビーニー・フェルドスタイン(『ビルド・ア・ガール』)が主役でスタートしたが、彼女の評価が散々だったため、興行収入と観客動員数が減少し始めた。そこでビーニーに代わり、『グリー』内ですでに数曲のパフォーマンスを披露していたリアが起用された。しかし、リアは、『グリー』出演中の現場でのいじめ疑惑や、ビーニーから役を引き継いだことへの論争にも向き合わなければならない状況にあった。
そして2022年9月6日、ファニーとして登場した彼女は、この役で好評を博し、興行収入は上昇傾向に転じた。リアが出演すると分かった直後は、チケット1枚の値段が2600ドルまで上がり、それでも完売状態が続いた。
それ以降も『ファニー・ガール』はオーガスト・ウィルソン劇場で色々な興行記録を樹立しており、直近では2023年1月8日に終了した1週間内での8公演で807万ドルを記録した。上演が終わりに近づくにつれ、興行収入はかなり好調を維持しており、7月30日に終了した週の興行収入は170万ドルであった。
2022年のクリスマス休暇に行われた9公演の週の興行収入は240万5,901ドルだった。リアと相手役のラミン・カリムルーが休暇を予定していた8月の先週、本作の週間興行収入は前週から949,604ドル減少し、933,728ドルの売り上げとなり、座席は84%しか埋まらなかった。このことからも、リアの出演が本作を黒字にまでもって行ったことがわかるだろう。
投資金額を回収できるのはめずらしい!?
実はブロードウェイ作品は、投資した金額を回収できることは稀である。特にパンデミックを挟んだ昨今では多くの作品が苦しんだ。パンデミックによる劇場閉鎖と復活後以降に開幕した他のブロードウェイ公演には、ヘンリー8世の妻たちを描いたポップミュージカル『Six(原題)』、マイケル・ジャクソンのバイオミュージカル『MJ(原題)』、『キリング・イヴ/Killing Eve』のジョディ・カマー主演による性的暴行をテーマにした一人芝居『Prima Facie(原題)』などがある。
また、日本でも上演されている『ハリー・ポッターと呪いの子』や 『ムーラン・ルージュ!』など、パンデミック前に公開された演目も、劇場が再開してからやっと資金投資分を回収している。すべての興行が回収を発表しているわけではなく、ここ数カ月の間に他のいくつかの興行がひっそりと回収を行ったと思われる。(海外ドラマNAVI)
Photo:『ファニー・ガール』公式Instagram(@funnygirlbwy)