トム・クルーズがハリウッドのストライキの仲裁役に?

いよいよ7月21日(金)より日本でも公開される映画『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』(以下『MI7』)。本作はシリーズ7作目となるが、その1作目から主人公イーサン・ハントを演じているトム・クルーズが、現在ハリウッドで行われているストライキの仲裁役となっていると、米Deadlineが報じた。

俳優でありプロデューサーでもあるトムが一肌脱ぐ

先日、SAG-AFTRA(全米映画俳優組合)とAMPTP(全米映画テレビ製作者協会)の契約交渉が決裂したが、それより以前にトムがAIや作品のプロモーションといった問題、スタントなどについて双方の担当者と話したことが明らかになった。

先月のとある交渉会議で、トムはAMPTPに対し、生成AIに関するSAG-AFTRAの要請の重大性を認識するよう促した。彼はまた、スタント・コーディネーターとパフォーマーのために俳優組合と似た内容のものを提案しているという。トムはさらにSAG-AFTRAに対し、ストライキの最中であってもスタジオのプロジェクトに対するプロモーションを認めることを検討するよう呼びかけた。トムに近い情報筋によれば、これは『MI7』に限った話ではないという。

俳優がレッドカーペットなどに登場してPR活動を行うことがその映画の興行成績に影響を及ぼすことは明らかで、特にパンデミック以降の映画館における興行収入、ひいては俳優という職業にとってPRできるかどうかは極めて重要なことでもある。映画館での作品鑑賞を一貫して提唱してきた世界的スターの一人であるトム。パンデミックの中、『トップガン マーヴェリック』を劇場公開するために奮闘した彼の努力は、昨年、全世界で14億ドル(約1932億円)を超える興行収入を記録しただけでなく、アカデミー賞で作品賞を含む6部門ノミネート(そのうち音響賞を受賞)という形で報われた。スティーヴン・スピルバーグ監督は「ハリウッドを救った」としてこの時のトムを称えている。

そんなトムは『MI7』の公開を目前に控えた今再び、映画界全体の利益のため、『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』『Oppenheimer(原題)』『バービー』という新作映画を大きなスクリーンで見るよう映画ファンに呼びかけた。6月下旬、「この夏は、映画館で観るべき素晴らしい映画がいっぱいだ」とトムはソーシャルメディアに投稿。「ハリソン・フォード、『インディ・ジョーンズ』40周年と史上最も象徴的なキャラクターの誕生おめでとう。僕は2本立てが大好きで、『Oppenheimer』と『バービー』との2本立てほど爆発的な(あるいはピンク色の)ものはないだろうね」

ヘイリー・アトウェル(『キャプテン・アメリカ』シリーズ)、ヴィング・レイムス(『パルプ・フィクション』)、サイモン・ペッグ(『スター・トレック』シリーズ)、レベッカ・ファーガソン(『DUNE/デューン 砂の惑星』)、ヴァネッサ・カービー(『The Son/息子』)などが出演する『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』は米国では一足先の7月12日に公開され、これまでに2億3500万ドル(約324億円)以上の興行収入をあげている。『~デッドレコニング PART TWO』は2024年6月28日公開予定だが、ストライキが解決しない限り、公開は延期となる可能性が高い。ハリウッドの最新の労働争議は、1ヵ月以上の交渉の後、7月14日に行われていた。

(海外ドラマNAVI)

参考元:米Deadline

Photo:トム・クルーズ ©James Warren/Famous