全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)がストライキに正式参加することを発表。プレミアイベントや授賞式に参加してはいけないなど、禁止ルールが発表されたとVarietyが伝えている。
ハリウッド史上2回目、63年ぶり
ハリウッドで活動する俳優たちが属する映画俳優組合(SAG-AFTRA)は、脚本家組合(WGA)のように映画会社とテレビ局に対してストライキを実施することを決定。二つの組合が同時期にストライキを行うのはハリウッド史上2回目、63年ぶりのことだ。
ストライキが始まると、数万を超える組合員である俳優たちは、揃って組合契約の対象となるすべての仕事を中止する必要がある。それはただ単に現場に行って撮影をしてはいけないというだけでなく、様々な方面に影響が出るということだ。
ガイドラインによると組合員はプレミアイベントに参加してはならず、インタビューに応じたり、授賞式や映画祭への参加も禁止される。SNSでの告知も禁止事項のひとつだ。さらにコミコンなど、組合契約の元製作された過去の作品について話すプロモーションとみなされるようなイベントへの参加も許されない。
「強欲な企業に犠牲を払ってきた」
「非常に強欲な企業に犠牲を払ってきました」と話すSAG-AFTRA代表のフラン・ドレシャー。
「ある時点で“もうこれ以上は受け入れない”と言わなければなりません」と賃金の引上げや人工知能の使用に関する保護を求めるために映画会社を代表する映画製作者協会(AMPTP)と断固として闘う姿勢をみせた。
AMPTP側は、提示した内容には、「歴史的な賃金引上げと、再使用料の引き上げ、俳優のデジタル肖像を保護する人工知能の画期的な提案」などを含んでいると主張。
「スタジオは、俳優なしにはTV番組や映画を作ることはできないのだから、これは明らかに望んでいた結果ではない」と声明で述べており「組合はこの業界を頼りにしている多くの人々を経済的苦痛に導く悔やまれる決断をした」と非難している。
この声明に対しSAG-AFTRAの交渉人チーフであるダンカン・クラブツリー・アイルランドは記者会見で「もしこれが歴史的な提案だと思うのなら、もう一度考え直した方がいい」と意思表明した。
(海外ドラマNAVI)
Photo:SAG-AFTRA公式Twitter(@sagaftra)より