ハリウッドではドラマシリーズに登場するキャラクターの人種や性的嗜好に多様性を持たせる動きが強まっている一方、米GLAAD(Gay & Lesbian Alliance Against Defamation)の調査にて、地上波局とケーブル局、配信サービスの番組でLGBTQ主要キャラクターの数が6%減少していることが明らかになった。

今年登場したLGBTQキャラクター

米TV Lineによると、2023年に地上波局では101人のLGBTQキャラクターがフィーチャーされ、ケーブル局では139人、配信サービス(Apple TV+、Amazon Prime Video、Disney+、HBO Max、Hulu、Netflix、Peacock、Paramount+)では356人のLGBTQキャラクターが登場したのこと。

脚本を基にした地上波局のゴールデンタイムの番組で、LGBTQ主要キャラクターの全体的な割合は10.6%で、昨年の記録的な高さから1.3%減少。昨年、番組に追加されたLGBTQキャラクターは49人だったが、今年は31人となっている。

ここ近年、『BATWOMAN/バットウーマン』『レジェンド・オブ・トゥモロー』『キリング・イヴ/Killing Eve』、『ザ・ワイルズ ~孤島に残された少女たち~』など、中心人物としてLGBTQキャラクターが登場する番組が次々に終了したことも、統計に影響を与えているようだ。

ケーブル局の番組では今年、昨年より一人少ない86人のLGBTQ主要キャラクターが登場し、配信サービスにおける今年の数は239人となり、昨年よりも6人減少。全プラットフォームで昨年より6%減ったことになる。

プラットフォーム別では、Netflixが圧倒的リード

3つのプラットフォームでカウントされたLGBTQキャラクターのうち35%がゲイの男性で、30%がレズビアン、25%がバイセクシュアル+、4%がクィア、2%がトランスジェンダー、2%が未確定の性的指向者、1%はアセクシュアルだった。また、男性(44%)よりもLGBTQの女性(52%)の方が多く、4%がノンバイナリーとの結果が出ている。

地上波局におけるバイセクシュアル+のキャラクターの割合(25%)は、LGBTQコミュニティの58%を占めるバイセクシュアル+の人々の実際の人口を遥かに下回っている。ケーブル局の番組に登場したLGBTQ主要キャラクターはHBOが26人でトップとなり、Showtimeは24人、FXは15人、Starzは12人、AMCは11人という数字に。

配信サービスではNetflixが183人で圧倒的にリードしており、Amazon Prime Videoは43人、Huluは37人、HBO Maxは34人、Peacockは24人、Disney+は14人、Apple TV+は11人、Paramount+は10人との結果になっている。

なお、2023年には『リバーデイル』『スター・トレック:ピカード』『ナンシー・ドリュー』などLGBTQキャラクターがレギュラーとして登場する番組が終了するため、さらに数字が落ち込みそうだ。(海外ドラマNAVI)

Photo:『キリング・イヴ/Killing Eve』© Sid Gentle Films