1994年から10シーズンにわたって放送され、いまもなお世界中で愛されている伝説的シットコム『フレンズ』。しかし、今の時代性に相容れない要素もあり、主要キャスト6人が全員白人だという多様性の欠如について、共同クリエイターが心中を語っている。
『フレンズ』は、ニューヨークに暮らす男女6人の友情や恋愛、人生の浮き沈みがコメディタッチで描かれるシリーズ。レイチェル・グリーン役のジェニファー・アニストン、ロス・ゲラー役のデヴィッド・シュワイマー、モニカ・ゲラー役のコートニー・コックス、ジョーイ・トリビアーニ役のマット・ルブラン、フィービー・ブッフェ役のリサ・クドロー、チャンドラー・ビング役のマシュー・ペリーが主演した。
クリエイターが反省「配慮が足りなかった」
多様性が重視される現代ならば、6人全員が白人というキャスティングは考えられないが、米Los Angeles Timesとのインタビューで、共同クリエイターを務めたマルタ・カウフマンが「多様性の欠如に対する周囲の批判は正当」だと認めている。
「この20年で多くのことを学びました。罪悪感を認めて受け入れることは容易ではありません。鏡の中の自分を見るのは辛いです。25年前の自分に配慮が足りなかったことを恥ずかしく思っています」と述べている。
以前、カウフマンは「『フレンズ』が多様性の欠如を不当に指摘されたと感じている」と言っていたが、今では番組に包括性が足りなかったと認め、発言に変化が見られる。その心境の変化について、2020年5月に米ミネソタ州ミネアポリス近郊で警官に膝で首を8分以上も押さえられて亡くなったジョージ・フロイドさんの死と、その後に勃発した人種差別に対する抗議運動に大きな影響を受けたとも述べている。
またカウフマンは言葉で反省を語るだけでなく行動も起こしており、自身の母校であるマサチューセッツ州ブランダイス大学に400万ドル(約5億40000万円)を寄付し、同校のアフリカ系アメリカ人研究科を支援することを誓約しているそうだ。
ちなみに、最近では、大ヒットサバイバルドラマ『LOST』のジン・クォン役や、人気犯罪捜査ドラマ『HAWAII FIVE-0』のチン・ホー・ケリー役として知られる韓国出身のダニエル・デイ・キムも、『フレンズ』の多様性の欠如について話していた。
なお、『フレンズ』は放送開始から25周年を記念し、主要キャスト6人が集結した同窓会番組『フレンズ:ザ・リユニオン』が製作・配信されて大きな話題となった。『フレンズ:ザ・リユニオン』はU-NEXTにて独占配信中。(海外ドラマNAVI)
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Photo:マルタ・カウフマン©SF/Famous/『フレンズ』(C)Warner Bros. Entertainment Inc