今年のアカデミー賞はブラック・パワーが大爆発! 『ブラック・クランズマン』『ブラックパンサー』『グリーンブック』3作品に注目

第71回カンヌ国際映画祭グランプリを受賞し、全米の大手批評サイト「ロッテントマト」では95パーセントの支持を獲得した映画『ブラック・クランズマン』。3月22日(金)より公開となる本作は、本年度アカデミー賞で6部門ノミネートされている。そんなアカデミー賞で今年注目したいのは、"ブラック・パワー"だ。

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現地時間2月24日(日)に発表される第91回アカデミー賞。錚々たるタイトルが並ぶ中、今年注目したいのは、"ブラック・パワー"が大爆発な3本。1本目は、マーベル作品で初めて作品賞にノミネートを果たした『ブラックパンサー』。2本目は、数々の映画賞を総なめにし、注目を集める『グリーンブック』。そして、ブラック・ムービーの礎を築き、30年以上に渡りブラックカルチャーを世界に発信してきたスパイク・リー監督の最新作『ブラック・クランズマン』。

本作で初めてアカデミー賞監督賞にノミネートされたリー監督。ブラック・ムービー躍進の歴史について、「『ゲット・アウト』の成功は嬉しかったけど、ブラック・ムービーの転機となったのは『ブラックパンサー』の成功だと思う」とコメント。その理由は「昔からプロデューサーたちから"ブラック・ムービーは海外での興行収入が得られないから、予算を上げることはできない"と言われてきた。その後、デンゼル・ワシントンや、ウィル・スミス、サミュエル・L・ジャクソンといったスターたちが、海外で成功するようになった。そこで今度は、"彼らが出演していないと海外での興行収入を得られないから予算をあげることはできないと"言ってきた。『ブラックパンサー』は、いわゆる超スターという俳優はいなかった。今ようやく、ブラック・ムービーは海外で成功することができるって証明できたんだ。みんな僕たちの映画を観に行くんだよ」と、インタビューの中で語っている。

『ブラックパンサー』は、アフリカの超文明国ワカンダの国王が国の秘密を守るため、敵と戦うというヒーローアクション映画としての面白さだけでなく、マーベル作品初の黒人のヒーローの誕生に、アフリカ系アメリカ人はもちろん、マイノリティに属する人々の共感を誘い、人種だけでなく、性別や国籍、セクシャリティなど多様性を受け入れようとする社会の動きと重なり世界中で大ヒットした。

『グリーンブック』は、1960年代差別が色濃い時代に、黒人用旅行ガイドブック<グリーンブック>を頼りにツアーへ旅立った、イタリア系用心棒のトニー・リップ(ヴィゴ・モーテンセン)と、黒人天才ピアニストのドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)の二人が織り成す感動のヒューマンドラマ。多くの人が心を震わせ、マハーシャラが第76回ゴールデン・グローブ賞助演男優賞を受賞している。

そして、KKK<白人至上主義団体>に潜入捜査を試みる黒人刑事ロン(ジョン・デヴィッド・ワシントン)と白人刑事フリップ(アダム・ドライバー)のコンビ劇の中に、残酷な人種差別問題の現実を映し出し多くの人の心を鷲掴みにしている本作。悲惨な世界の歴史と、世界を変えようとする時代の動きを描いている。

今年のアカデミー賞で最高の盛り上がりを見せるブラック・パワーの勢いに目が離せない! 『ブラック・クランズマン』は、3月22日(金)TOHO シネマズ シャンテほか全国公開。(海外ドラマNAVI)

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『ブラック・クランズマン』
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