『ワイルド・スピード』シリーズの"ザ・ロック"ことドウェイン・ジョンソン、『デッドプール』のライアン・レイノルズ、そして『ワンダーウーマン』のガル・ガドットが夢の揃い踏み! 3大スターが秘宝をめぐり、騙し騙され大攻防戦を繰り広げる娯楽超大作『レッド・ノーティス』。いったい誰が敵で誰が味方なのか、何が正義で何が悪なのか? 予測不能な展開に、ラストのワンショットまでハラハラ、ドキドキが止まらない!【映画レビュー】
ローマの美術館からクレオパトラにまつわる秘宝が盗まれた。FBI捜査官のハートリー(ドウェイン)は、現場で最重要指名手配犯ノーラン(ライアン)の姿を目撃。決死の追跡を開始するが、そこに伝説の怪盗ビショップ(ガル)が割り込んでくる...。ここから先はネタバレになるので詳細は語れないが、スッタモンダの末、立場が異なる3人がなぜか手を組み、それぞれの"目的"を果たすため、前代未聞の強盗計画に打って出る。
冒頭から臨場感溢れるパルクール・アクションが炸裂! お約束の銃撃戦や大爆発、激しいカーチェイスもふんだんに盛り込まれ、娯楽超大作としては文句なしの迫力だが、なんといっても本作の魅力は、3大スターが演じる個性際立つキャラクターとその関係性だ。ドウェイン演じるFBI捜査官ハートリーは、見かけによらず緻密なプロファイリングで敵を追い詰める知的なマッチョ。彼が最後に事件を収束するヒーローに違いない、と思いきや、意外にも犯罪の渦にどっぷりと巻き込まれていく。
一方、ライアン演じるノーランは、強奪&脱獄テクは一級品だが嘘八百で周囲を翻弄するちょっと軽めの美術品泥棒。ハートリーのご機嫌を伺いながら、ちょいちょい裏切る小者感がなんとも可笑しくて憎めない。2019年、『名探偵ピカチュウ』で来日インタビューした際、「シリアスよりもコメディーが好き」と言っていたライアンだけに、この役は彼にとっては真骨頂と言えるかもしれない。
そんな2人を妖艶な魅力であしらうのが、ガル演じる美術界の"ブギーマン"ことビショップだ。ストーリーも彼女の登場と同時に重要なキーパーソンになっていくのだが、そんなことはさておき、胸元ぱっくりの赤いドレスを身に纏い、ワンダーウーマンさながらの肉弾バトルを繰り広げるそのお姿は、殿方釘付け、間違いなし! ライアンはもとより、マッチョなドウェインまで夢中にさせる彼女の悪の華っぷりは、これぞ映画界の美しき至宝、「クレオパトラの秘宝がなんぼのもんじゃい!」と声を大にして言いたくなる。
ちなみに"レッド・ノーティス"とは、インターポール(国際刑事警察機構)が世界の最重要指名手配犯を逮捕するためにのみ発令する特別な国際手配書のこと。果たして、この不名誉(あるいは名誉?)な烙印を押されるのは誰なのか? 裏切りの果てに導き出したそれぞれの着地点に注目だ。
映画『レッド・ノーティス』は、本日11月12日(金)よりNetflixにて配信開始。
(文/坂田正樹)
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Netflix『レッド・ノーティス』