病気の友人を訪ねた見舞い客。おもむろに差し出したブラウンバッグの中には、デリで買ったチキンヌードルスープが――。...こんなシーン、海外ドラマで一度は目にしたことがあるのでは？
『CSI：NY』で仮病スト中のダニーを説得しに行ったステラが持参したのも、『SATC』で風邪を理由にデートをキャンセルされたエリックがシャーロットに届けたのもチキンスープ。『ナースジャッキー』では、心身を癒す"魔法のスープ"として登場。老人患者が治療を拒否し「薬より効く」と飲んでいたのが、妻の差し入れたチキンスープだった。
「病気になったらチキンスープを飲め」というのは、栄養価の高い食べ物が手に入りにくかった時代からの民間療法で、日本でいう玉子酒や焼きネギのような"おばあちゃんの知恵袋"的料理。
「Jewish penicillin（ユダヤのペニシリン）」はチキンスープを指す俗語だが、ユダヤ人じゃなくても「チキンスープ＝万能薬」との考えは今なお健在のアメリカ。『CSI：マイアミ』のカリーまでも「風邪のときには必ず飲む」と発言（科学捜査のエキスパートなのに？）。ドラッグストアでは、風邪薬の近くにインスタントのチキンヌードルスープが堂々と陳列されているのを見かけることも！
ホントに風邪が治るかどうかは別として、具だくさんの手作りチキンスープは、高タンパク・高ビタミン・低脂肪。なおかつ体もあったまる。
『CSI』シーズン8では珍しく病欠したグリッソムがローブ姿でチキンヌードルスープを作っていたシーンがあったが、スープのおかげか（...それとも次々に休みを邪魔しにくる仲間たちのせい？）翌日にはもう仕事に復帰していた。
風邪やインフルエンザが心配なこの時期、特に気になる《チキンヌードルスープ》。
グリッソムの風邪を治した...かもしれない"魔法のスープ"のレシピはこちら！
《材料と下準備》
◆野菜を1センチ角に刻む。今回入れたのは、玉ねぎ（中1個）・セロリ（1本）・にんじん（1/2本）・エリンギ（中2本）。具は冷蔵庫の余り野菜や缶詰のビーンズなどなんでもOKだが、風味と彩りのためにセロリとにんじんは必須！
◆鶏胸肉（1枚）は皮と余分な脂肪を取り除いて1.5～2センチ角に切る。取った皮はフライパンでカリカリに焼いて細切りにし、お好みでトッピングに。
◆ヌードルはスパゲティを使うのが一番お手軽。ロングパスタを2センチぐらいの長さにポキポキ折ったものを半カップ分用意。マカロニやファルファッレなどのショートパスタがあればそれでも。
《作り方》
【1】野菜類と鶏肉に塩・コショウをして軽く炒める。
【2】野菜に油がなじみ、鶏肉の表面が白っぽくなってきたら、水（800ml）・コンソメキューブ（2個）・スライスしたにんにく・ハーブ類（ローレル/オレガノ/タイム/バジル etc.）を加える。アクを取りながら15分ほど中火で加熱。
【3】折ったパスタをそのまま鍋へ。ときどきかきまぜながら煮込む。煮込み時間は、パスタのゆで時間＋1～2分が目安。
【4】パスタが柔らかくなったら、最後に味をととのえる。器に盛って完成！
海外ドラマでも大人気（？）のチキンヌードルスープではあるが、「マズいけどどうぞ」的なセリフとともに渡されるのもお決まりのパターン。
市販のチキンスープはたいてい薄ぼんやりした味で、具も貧弱なことが少なくない。そのせいでセロリのクセが立ちすぎて「チキンスープ＝おいしくないもの」というイメージが着いてしまったのかも...？セロリの風味を悪目立ちさせないためにも、しっかりスープに味付けしておくことがポイント。
基本、切って折って煮るだけ。
たっぷり野菜とさっぱり鶏胸肉で、アメリカ料理にしてはかなりヘルシー。ヌードル入りだから食べ応えもある。
風邪やインフルであまり食欲はない時だけでなく、二日酔いでつらい日にもイケそう！ お試しあれ！
