『スター・トレック:イントゥ・ダークネス』ベネディクト・カンバーバッチに直撃取材!

先日『スター・トレック:イントゥ・ダークネス』のPRのために来日した、俳優ベネディクト・カンバーバッチ。成田空港での500人ものファンのお出迎えも凄かったが、今回の『スター・トレック:~』のフッテージ特別上映についてもどこで情報を聞きつけたのか、熱烈ファンが会場周辺で出待ち状態...。業界関係者の間でも「ベネディクト・カンバーバッチって、そんなに有名なの?」と改めて彼の出世作『SHERLOCK シャーロック』での人気の凄さを知った人も多かったよう。そんなベネディクトを直撃取材。目の前に現れた彼は、とても超過密スケジュールで取材をこなしているとは思えぬほど、疲れも見せず、人懐っこい。シャーロックとはかなり違う。しかも、まず「コンニチワ」という挨拶からスタート。

――日本は初来日ですが、どんな印象を受けましたか?

空港で、大歓迎を受けて、どこに行っても本当に温かく歓迎してくれて感動したんだ。だから、うれしいと同時に、とても謙虚な気持ちになった。僕は前から日本がとても好きで、音楽、美術や歌舞伎、舞台に日本食など、いろいろなことでインスピレーションを受けているけれど、もっと日本をちゃんと堪能するために、また来日したいと思ってるぐらいだよ。

――『スター・トレック:~』に出演を決めた理由は?

んー、たくさんの理由があるからな...。あ、でも、そんなにゆっくりと答えている時間はないね (こちらが時間配分のために時計を見たことを、時間がないとベネディクトは勘違いされてのこと)(笑)。簡単な理由としては、やっぱり、J.J(エイブラムス)の作品だったからだね。そして、僕が演じる悪役というのが、薄っぺらな中身のないものではなかった。洗練されて、複雑で深みのあるキャラクターだった。それにJ.Jは僕が見たい映画を作るんだ。つまり、どんなスペクタクルであっても、どんなアドベンチャーであっても、そしてどんなアクションであっても人間関係が作品の核にある。家族の絆や友情で結ばれたグループの裏切りなど人間的な物語がある。だから、J.Jの作品には常に普遍性があるし、ものすごくスペクタクルがあるリアリティを作ることができる。しかも、何故か共感できる世界観を作り出せるんだよ。

――あなた自身は、どんなSFアドベンチャーに夢中になったのですか?

めちゃめちゃハマった作品というのはないんだよね。たとえば、『フラッシュ・ゴードン』とか『バーバレラ』『ゴーストバスターズ』も好きだった。一番好きなのは、『2001年宇宙の旅』かな。(スタンリー・)キューブリックの世界観を見つめ直すことができたし、とくに見たのが思春期だったから、自分たち人類とは何かを改めて考えさせられたし。つまり、人類は人工衛星に乗って宇宙を旅することもできるけれど、その一方で環境を破壊することもできる。我々は一体、進化しているのかどうか考えさせられるよね。

――ご両親が俳優(ティモシー・カールトン、ワンダ・ヴェンサム)ですよね。それが今のあなたを作ったのですか?

確かに、両親が俳優だけれど、それを見て俳優を志したわけじゃない。僕は幼い頃に、たまたま舞台に立つことがあって、その時に感じた心地よさが始まりのような気がする。そして子どもの頃の僕は読書が好きで、クラスで朗読するのも好きで。だけど、何かに夢中になる子どもではなくて。ただ10代の頃に出会った演劇の先生のおかげで、自分の感情を表現できるものが演劇だと気づいたんだと思う。両親から知ったのは俳優の負の部分。演じるという仕事の大変なこと。子どもと好きに過ごせないこと。仕事がなったり、逆に仕事があっていい仕事も断らなくてはいけなかったり...。俳優という仕事はとても混沌としていると言われていた。本当に僕は、医者でも弁護士でも学者でもスポーツマンでもどんな道でも選べる学校にいたんだけど、それをうっちゃって、俳優になったんだよね(笑)。

――それぐらい俳優になりたかったってことですね?

うん、そうだと思うよ。今、『スター・トレック:~』のポスターがあるじゃない。あれを見た僕の母が言ったんだよ。「あなたは、いつも部屋を片づけられなくてグチャグチャだったけど、このポスター通りね」って(笑)。ホント、ポスターの姿は、まさに僕なんだ。

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限られた時間の中で、質問の一つ一つに出来る限り、丁寧に言葉を尽くして答えようとしてくれたベネディクト。まあ、考えようによってはマイペースにも見えて、それこそ、シャーロックそのもの! とも言える。だけど、ベネディクトは終始笑顔で、メチャクチャ素敵な、あの低音の柔らかな声で話してくれた。「ひょっとしたら、『SHERLOCK シャーロック』よりも素晴らしいかもしれないよ」という、『スター・トレック:イントゥ・ダークネス』でのベネディクトの悪役を楽しみにしたい。

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