『サンダーバード』『スペース1999』の生みの親ジェリー・アンダーソンが亡くなる

『サンダーバード』『スペース1999』などを世に送り出したことで世界的に知られるジェリー・アンダーソンが、83歳で亡くなった。

アンダーソン氏の息子ジェイミーは、自身のブログで次のように訃報を述べている――「大変悲しいことですが、『サンダーバード』を生み出した私の父ジェリー・アンダーソンが亡くなったことをご報告しなければなりません。ここ数年、混合型認知症に苦しんでいましたが、今日(2012年12月26日)の正午、安らかな眠りにつきました」と。また、この訃報とともにアルツハイマー症患者支援団体への寄付も呼びかけている。

ファンクラブが寄せた記事によると、アンダーソン氏は2年前に混合型認知症と診断され、半年前から急速に容体が悪化していたということだ。

精緻を極めた人形劇〈スーパーマリオネーション〉の父とされるジェリー・アンダーソンは、1929年4月14日・英ロンドン生まれ。仲間とともに立ち上げたCM製作会社で、人形劇番組を初めて手がけた。その後、『スーパーカー』『宇宙船XL-5』『海底大戦争スティングレイ』『サンダーバード』『キャプテン・スカーレット』『ジョー90』『ロンドン指令X』などを製作。とくに『サンダーバード』は驚異的ななヒットとなり、アンダーソンの名を一躍世界に知らしめた。制約の多い人形劇でも妥協を許さず、パペットやミニチュアの撮影技術を研ぎ澄ます姿勢で知られる人物だった。

その製作姿勢は『謎の円盤UFO』『スペース1999』といった実写作品でも発揮されている。新技術であったCGへの関心も深く、2005年にはフルCGアニメ『新キャプテン・スカーレット』を製作。また、ハリウッドで進行中の『謎の円盤UFO』リメイク計画でもコンサルタントを務めていた。

日本でも幼い頃からアンダーソン氏の番組に親しんでいた視聴者は多く、『ウルトラマン』シリーズなど特撮界に与えた影響も大きい。2013年1月には、スーパードラマ!TVで『サンダーバードHD版』が放送される予定となっている。

夢のある映像で世界中の視聴者を楽しませたアンダーソン氏が亡くなったのは大変残念なこと。心よりご冥福をお祈りします。(海外ドラマNAVI)