木下浩之が語る『Dr. HOUSE』、最後の「ハウス」をお見逃しなく!

全8シーズンのロングヒット作となった医療ドラマ『Dr. HOUSE』。ファイナル・シーズンDVD及び全シーズン収録の"全世界初ブルーレイ化"であるコンプリートブルーレイBOXが発売されるということで、天才医師・ハウスを演じた木下浩之さんに突撃インタビュー!最終シーズンの「ハウス」について、お話を伺いました。

――いよいよファイナル・シーズン。これまでハウスを演じてこられ、どうでしょうか。

遂に終わってしまうのか...。という感じですよね。薬物中毒の施設に入ったり、刑務所に入ったりと、病院以外のシチュエーションでも色々あり、次に何があるんだろうと、僕も楽しみにしていたんだけど、最後は病院の中に大きなドラマがあって、「なるほど、こういう終わり方か...」と。
終わっちゃうのは残念だけど、でも納得はしましたよね。

――今シーズンでは大親友ウィルソンとの関係が大きなテーマの一つになっていますが、ウィルソンとの友情を演じていく中で思い入れはありますか?

ウィルソンはハウスの一部。そばにいてくれなきゃ、ハウスがハウスでいられないっていう位の「親友」を超えた存在ですよね。その彼が、「もしかしたらいなくなっちゃうかもしれない...」その時のハウスってやっぱり相当ショックだったと思うし、彼がいなくならないように何とかするぞ!と治療することを考える。お互い医者だしね。だけどウィルソンが治療を拒否したり、ハウスから離れようとする時もある。ハウスは何としても彼を失いたくないし、失わないための努力もする。けれど、相手から去っていくのであれば、それも受け入れなければいけないっていう...。一番大切なものがそばから消えてしまう時の人間の様子が描かれていますよね。ハウスにしてはシリアスというか、でもシリアスになるよね。いつもはジョークや悪ふざけですり抜けてきたものが、いよいよすり抜けられなくなったという、その危機感がありましたよね。

――木下さんにはウィルソンのような欠かせない親友はいらっしゃいますか?

ハウスとウィルソンみたいな関係?あそこまでの関係はなかなか無いなあ。ただ、昔つかこうへいさんの舞台で、筧利夫君と一緒だったんですよ。その頃に筧君のお母さんが亡くなってしまったり、彼が結婚したりとか、彼の人生の中で起伏が激しかった時に、ほとんど毎日一緒にいましたね。その時は彼も僕を必要としてくれていたし、彼がそばにいないと僕もつまらない、という時期があって。お互い俳優として相手がいてくれないと、自分が完成しない、というような繋がりは感じたことがありますね。4〜5年はほとんど毎日一緒にいました。朝から一緒にサウナに入って、ビール飲んで、友達呼びだして飲んで、最後はまた2人で飲んで。で、翌朝また酒を抜くためにサウナに入って(笑)。そういうの、繰り返していた日々がありましたね。

――やはり仕事が一緒である、というのはかなり大きいんでしょうか。

そうですね。舞台を成功させるために、「自分たちは何が出来るのか」と、同じこと考えていますから。何を考えてどう行動すればいいか、ということを、役は違いますけど、お互いわかっていたし、お互いがやっていることに興味を持っていたので、その時は、ハウスとウィルソンみたいな関係だったかな。かなりふざけてもいましたけどね(笑)。

――実際、ハウスとウィルソンもよくふざけあっていますよね。

もうイタズラのし合いじゃないですか。(笑)やればやり返すし、どっちが面白いイタズラ思いつくか競っていますもんね。

――後輩のドクター達もハウスに影響されてどんどんエスカレートしていますよね。

ええ。ハウスのチームにいるには、ハウスに慣れなきゃいけない。慣れるためには、ハウスにやられたことに対して、ただ不満に思ったり、我慢しちゃうんじゃなくて、やり返す!つまり同等のレベルで付き合う、ということを考えないと、医療チームとしてやっていけなかったんだと思いますね。

――そんなハウスの振る舞いから、実際に影響を受けたことは?

いや、だって(笑)!あんなの普段の生活でやったら大変なことになりますよ。誰からも相手にされなくなっちゃう。

――ある日ハウスのようないで立ちでスタジオに入って来るとか。

やってみたいですけどねー。ただ、ハウスのお茶目なところとか、かわいらしいところもあるじゃないですか。そういう部分はちょっと真似てみたいな、という気持ちはあります。ドラマの中だから、面白いし、憧れるのであって...(笑)。自分の生活の中では、あそこまではできないなあ。

――今シーズンからパク先生がセクハラ問題がきっかけでハウスのチームに入ってきますね。

そうそう。でもハウスのところにきて、彼女も変わっていくじゃないですか。
ハウスって、ただ病気を治すだけじゃなくて、患者の生活とか、性格とか、精神面の原因も一緒に探っていく。ただ病状だけ見ていても解明できないものが多いから。その辺が医者であると同時にミステリーを解決していく探偵っぽいですよね。名探偵のような、医者以外の立場からも謎を解いていくという面白さもありますよね。

――「人間を観察する」というのは、役を演じる際、非常に重要になってくると思うのですが、役者(ヒュー・ローリー)が演じている役(ハウス)を、さらに日本語で演じていく、というのは、どういった感じなのでしょうか?

吹替の場合は、既に役者たちが演じていて、ドラマは完成しているから、僕らとしてはまず、それを忠実に「吹き替える」ということが大事だと思っています。あんまり余計な芝居を足したり、俳優がやっていることを見のがしてしまうことのないように最新の注意を払っています。それがハウスを楽しむための条件だと思っているから、僕はヒュー・ローリー(以降:ヒュー)の表情だったり、声の強弱や高低とか、彼の持っているニュアンスを日本語に乗せるにはどうしたらいいか、っていうことをまず考えますよね。で、相手役を吹き替えている人も同じように「役」を演じているわけですから、相手の呼吸や、相手の作ってきた役に反応しながら作り上げてく。その時に、ヒューの芝居から離れないで、どれだけ演じられるか、というのがスタジオでの作業ですね。

――字幕版でも吹替版でも、違和感無く、「どっちもハウス!」という感じです。

ありがとう!言ってしまうと簡単だけど、よく観てないと、ヒューってコメディアン出身だから、余計なこと、いっぱいやってるんですよ(笑)。それを見逃しちゃうと、彼の空気感って出せないから、ヒューの表情だったり、目線だったり、呼吸、口のあけ方も、全部見逃さないように、家でリハーサルしていかないと、いきなりじゃ合わないですよね。

――本当に、表情表現が豊かですよね。

うん。あの人すごいんですよ。彼は楽器もできるし歌も歌う、エンターティナーだから、そういうところも流れでちゃんと入れるようにしていかないと、ディレクターからは「なんか唐突すぎる」とか「画とちょっと合わない」ってクレーム出ますから、そこは少し苦労したかな。普通の役者さんより、観なきゃいけないところが倍以上ありましたよね。

――ハウスを演じた初めての時と、今とでは愛着度合は違いますか?

それはもう全然違いますよ。ヒューもね、最初はもっとおとなしかったんですよ。で、僕もシーズン1、2の頃はまだ彼の癖とか自分の中に取り入れ切れていなかった。「何とか真似たいけどなかなかできない!」という時期もあったけど、「でもこれ面白いから、みんなに見てもらいたい!そのために吹替も面白くしなきゃいけない!」っていう気持ちで、その頃は遮二無二やっていましたね。3、4と続いて、人気も出てきた時には、「前よりももっと、ヒューに近づいてやろう」って思っていましたね(笑)。ヒューも、だんだん芝居を変えているんですよ。だから彼が変えた部分も見逃しちゃいけないなっていうのもあって、もうしつこく観ましたね。

――これはもう一度、シーズン1から見ないと!是非見比べてみたいです。

はい。1のころはまだおとなしいですよ(笑)

――ファイナル・シーズン、刑務所のシーンから始まりますが、ハウス、淡々と生活していますよね。そこそこ楽しんでいたのでしょうか(笑)?

楽しくはないでしょうけども(笑)、ハウスは例え刑務所の中にいたとしても、自分が自分らしく生きられるように、たいくつな一日をどうすごすかっていうことを考えている。その間も自分らしく生きられるようにしてやろうと。
僕らもそうですよね。どうせやるんだったら、自分の人生、時間を楽しく生きていこうっていう、そういうことですよね。
あと刑務所でアダムズ先生と出会って、それで新しいチームに加わりましたしね。

――そうですね。刑務所を出てからは、またチームを再結成して、いきいきし始めますよね。そして、ハウスは女医さん好きですよね(笑)。

好きですよね〜。アダムズ先生、結構辛辣なこというし、エッチだし(笑)

――木下さんは、個人的には歴代のハウスの前に現れた女性で誰がタイプですか?

個人的にはステイシーがいい女だと思うな。時々出てきますけどね。
そうそう、ファイナル・シーズンでは今までの女性陣、結構出てきますからね!あと第3話で『プリズン・ブレイク』のウェントワース・ミラーもゲストで登場してきますからね!ファイナル、豪華ですよ。(ここで、ブルーレイBOXを持ってニッコリ)特典も満載です!かなり濃い内容満載です!

――では最後に『Dr. HOUSE』ファンに一言お願いします。

いよいよ最終シーズンです。皆さんに愛されて、ここまでやってこられましたが、これが最後です...。本当に最終シーズンは中身が濃いです!予想もしなかった展開になります。最後まで見てください。お見逃しなく!!


◆「Dr. HOUSE コンプリートブルーレイBOX」は、5月9日(金)発売開始。収録内容:シーズン1からシーズン8(ファイナル)まで全話収録。特典映像(7時間以上)、特製ブックレット付き。¥38,000+税

◆「Dr. HOUSE ファイナル・シーズンDVD」
【レンタル】Vol.1-6レンタル中、5月9日(金)Vol.7-11レンタル開始。
【セル】DVD-BOXは、5月9日(金)発売開始。¥8,200+税

発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
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