【お先見】まるで感動版『LOST』!? サプライズだらけの『This Is Us』は傑作の予感しかしない超話題作!

毎年この時期になるとアメリカでは新作海外ドラマが怒涛のスタートラッシュを迎えますが、その中でもすでにナンバー1だと話題になっているのが米NBC局の『This Is Us(原題)』。

5月に予告編が公開された時から驚異の再生回数を記録しただけでなく、第2話の放送直後にフルシーズンの制作が決定し、今秋スタートしたシリーズの中で見事一番乗りとなりました。

同じ誕生日を持つ人々のストーリーが交互に語られるアンサンブル形式の作品で、まず1組目は三つ子の誕生を控えているジャック&レベッカ夫妻。出産のため病院に運ばれますが、一人目が無事生まれたところで意識が朦朧としてしまうレベッカ。妻の容態も、残りの二人の赤ちゃんの無事もわからないまま廊下で待たされるジャック...。

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ジャックを演じるのは『HEROES/ヒーローズ』のピーター役でおなじみマイロ・ヴィンティミリア。歌手としてだけでなく『ウォーク・トゥ・リメンバー』や『ママと恋に落ちるまで』などで女優としても活躍しているマンディ・ムーアがレベッカを演じています。

続いては、妻と二人の娘と幸せな生活を送っているランドール。大きな家に住み高級車にも乗り、まさに「勝ち組」の生活をしているのですが、母親は彼を出産した時に亡くなっている&父親は薬物中毒で赤子だったランドールを消防署の前に置き去りにしていったという過去を抱えています。探偵を雇い、彼を捨てた父を探し出して会いに行くのですが、恨んでいるはずの父をなぜか孫に合わせようと家に招待してしまいます。

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ランドールを演じるのは『アメリカン・クライム・ストーリー/O・J・シンプソン事件』でエミー賞助演男優賞を受賞したスターリング・K・ブラウン。

最後は、肥満に悩むケイトと、テレビ俳優をしているケヴィンの二人です。なんとか痩せようとダイエットをしている人たちが集まるミーティングへ参加することにしたケイト。そこで知り合った同じ悩みを抱える男性とデートに出かけますが、家に帰るとなぜかそこには弟のケヴィンが...。彼は話題のシットコムに出演し売れっ子になりつつあったのですが、作品に満足できず役を降りてしまったところでした。

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ケイトを演じるのは『アメリカン・ホラー・ストーリー:怪奇劇場』のバーバラを演じていたクリッシー・メッツ。一方のケヴィンは、『恋するインターン』のウィル役で知られているジャスティン・ハートリーです。

誕生日が同じなだけで、何の接点もないように思える3組の人生。しかし、第1話の最後には誰も予想していなかったサプライズが待っていました。最後の3分で思わず「えぇーーーーー」と叫んでしまった人続出なはずです。そう、まさに『Lost』のように。

というのも、『This Is Us』のクリエーターであるダン・フォーゲルマンはこの作品を「ドラメディ(ドラマ+コメディ)版『LOST』だと説得し、シリーズ化に持ち込んだ」そうです。

しかも、フォーゲルマンは映画『ラブ・アゲイン』の脚本家でもあります。この作品をご覧になったことがある人なら、あの意外なストーリーのもって行き方は記憶に残っているのではないでしょうか? 

第2話も最後に驚きの展開があり、「ホントだ、まさに『LOST』だわ」と納得してしまったのですが、ドラメディだけあり、単純にサプライズだけでなく感動できるシーンや重いシーンも入っていて、その絶妙なバランスがたまらないのです。

スーパーヒーローやゾンビが出てくるわけでもないし、迫力あるアクションシーンもないし、政治家が悪さをするわけでも、テロを阻止するわけでもない(今のところ)。ただ単にどこにでもいそうな人たちの人生を追ったシリーズですが、今作がこれだけ高評価を受けているのは脚本の素晴らしさですね。

フルシーズン作られることが決定したことですし、この調子で毎回驚かせてくれることを楽しみにしています。

Photo:マイロ・ヴィンティミリア (C)Manae Nishiyama/HollywoodNewsWire.net
マンディ・ムーア (C)Ima Kuroda/www.HollywoodNewsWire.net
スターリング・K・ブラウン (C)Pacific Coast News/amanaimages
ジャスティン・ハートリー (C)Izumi Hasegawa/HollywoodNewsWire.net