英メディアが、2017年のテレビ番組のトップ10を発表した。ネット配信の広がりを反映してか、アメリカのテレビ番組が目立つが、イギリスらしいドラマやコメディ作品もしっかりランクインした。全体として質の高い秀作揃いの年だったようだ。
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◆各紙が紹介した2017年のトップテンは?
デイリー・テレグラフ紙:
1.『ブルー・プラネットII』(BBC One)
2.『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』(Hulu/Channel 4)
3.『ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~』(HBO/Sky Atlantic)
4.『グッド・プレイス』(NBC/Netflix)
5.『The Deuce(原題)』(HBO/Sky Atlantic)
6.『ザ・クラウン』(Netflix)
7.『ゴッドレス -神の消えた町-』(Netflix)
8.『ゲーム・オブ・スローンズ』(HBO/Sky Atlantic)
9.『リーグ・オブ・ジェントルマン 奇人同盟』(BBC Two)
10.『ライン・オブ・デューティ』(BBC One)
デイリー・ミラー紙:
1.『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』(Hulu/Channel 4)
2.『グッド・プレイス』(NBC/Netflix)
3.『13の理由』(Netflix)
4.『ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~』(HBO/Sky Atlantic)
5.『ブルー・プラネットII』(BBC One)
6.『マインドハンター』(Netflix)
7.『ザ・クラウン』(Netflix)
8.『The Vietnam War(原題)』(BBC Four)
9.『マスター・オブ・ゼロ』(Netflix)
10.『ストレンジャー・シングス 未知の世界』(Netflix)
Radio Times:
1. 『ブルー・プラネットII』(BBC One)
2. 『ライン・オブ・デューティ』(BBC One)
3. 『ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~』(HBO/Sky Atlantic)
4. 『ザ・クラウン』(Netflix)
5. 『Catastrophe(原題)』(Channel Four)
6. 『Peter Kay"s Car Share』(BBC One)
7. 『ブロードチャーチ 殺意の町』(ITV)
8. 『Detectorists(原題)』 (BBC Four)
9. 『女医フォスター』(BBC One)
10.『Apple Tree Yard(原題)』(BBC One)
◆歴史大作、刑事モノ、コメディ。クオリティの高さに注目
テレグラフ紙は、膨らむ予算、トップクラスのタレント、放送局側の誠意の高まりにより、2017年の英テレビは、クオリティとクリエイティビティにおいて前進したと述べる。
トップテンには、『ゲーム・オブ・スローンズ』、『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』、『13の理由』など、アメリカでヒットしたドラマが目立ったが、注目は女王エリザベス2世を描いた英米合作の『ザ・クラウン(シーズン2)』だ。Radio Timesは同作を、ネットフリックスにおいて最も大胆かつ最高の作品だと評している。テレグラフ紙は、現実とフィクションを巧みに織り交ぜ視聴者を引き付けると解説。敬意を持って王室のスキャンダラスなストーリーを語ると同時に、素晴らしい歴史のレッスンをも提供していると称賛する。シーズン2は1956年のスエズ動乱からの6年間を描くもの。6シーズン60話となる大作で、日本ではシーズン1、2ともにネットフリックスで視聴可能だ。
スリリングな社会派ドラマが好きな人には、BBCの刑事モノ『ライン・オブ・デューティ(シーズン4)』がお勧めだ。警察内部の腐敗を監視する部署を舞台に、その捜査官の活躍を描いた人気ドラマで、練り上げられたストーリーと視聴者を驚かせる展開が魅力となっている。今シーズンについてのテレグラフ紙のコメントは、クオリティ、現実味が若干低下したと辛口だが、それでもこのジャンルにおいてはやはり際立った作品だと述べている。こちらも日本ではネットフリックスで配信中だ。
コメディでは、15年前に終了し2017年に3話のミニシリーズで復活した、BBCの『リーグ・オブ・ジェントルマン 奇人同盟』が話題を呼んだ。イギリス北部の架空の町を舞台に、そこに住む変わった住民の生活を描くお笑いモノだが、ほとんどの登場人物を番組のライターが演じている。イギリスならではのダークな笑いが満載で、爆笑というよりは失笑を呼ぶ面白さが、たまらない魅力となっている。
◆ドラマを圧倒?2017年最高の番組は、ドキュメンタリー
国内製作作品ではBBCが圧倒的な力を見せつけたが、気を吐いたのは民放ITV製作のクライムサスペンス『ブロードチャーチ 殺意の町(シーズン3)』だ。視聴率ではトップテンに食い込み、2017年で最もよく見られたドラマとなった(iNews)。シーズン1、2は殺人事件を扱ったが、今シーズンはレイプ事件がテーマ。Radio Timesは、一つ間違えば安っぽい犯人探しになりがちな話を、繊細かつ好奇心をそそる物語にしていると高評価。こちらも注目したい一作だ。
ドラマではないが、必見は海洋ドキュメンタリー『ブルー・プラネットⅡ』だろう。英iNewsによれば、エピソード1だけで視聴数は1400万回となり、ドラマやバラエティを抑え、2017年に最も見られたテレビ作品となっている。ミラー紙によれば、番組の魅力は海の生物とその住環境を捉えた驚くべきカメラワークで、忘れることのできない、想像を絶する素晴らしさだということだ。すでに世界各国で放送されており、日本での公開が待たれる。
(海外ドラマNAVI)
Photo:『ライン・オブ・デューティ』
©BBC