映画を超えた史上空前のエンターテイメント『スター・ウォーズ』(以降SW)シリーズの最新作『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』が誕生! 圧倒的な人気を誇るハン・ソロの"知られざる若き日"が、かつてない冒険に満ちたノンストップ・アクション・エンターテインメントとなって、ついに本日6月29日(金)より全国公開となる。
今回は、ハン・ソロ役のオールデン・エアエンライクを直撃! フランシス・フォード・コッポラ監督の『テトロ 過去を殺した男』で映画デビューし、ウディ・アレン監督の『ブルージャスミン』、コーエン兄弟が監督した『ヘイル、シーザー!』などの有名監督作品でキャリアを重ねてきたオールデンに、撮影時の思い出、ハン・ソロという役や共演者たち、本作の見どころなどを語ってもらった。
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――撮影時にハリソン・フォードとお会いしたそうですね。
そうなんだよ。だけど、ハリソンにお会いした時に何を期待すべきか当初は自分でも分かっていなかったんだ。彼の個人的な飛行機の格納庫で、彼の何機もある飛行機に囲まれた状況でお目にかかったんだけど、本当に優しく親切に迎えてくれたよ。自分のことをゲストのように丁寧に扱ってくれて、非常に温かく受け入れてくれたんだ。それで、ハン・ソロ役を演じることについて彼から祝福を頂いたということが、自分にとっても意味のあることだったんだよ。ジョージ・ルーカスとハリソンがこの"ハン・ソロ"という存在を作り上げた人たちであるから、ハリソンが自分の味方になってくれたということは、僕自身にとってとても大切なことだったよ。ハン・ソロというキャラクターは、すべて自分なりのやり方をする人で、自分なりの方法を持っているということから、僕はハン・ソロという人物をとても尊敬しているんだ。
――本編でハン・ソロがブラスターを構えるシーンを見た時に、若きハン・ソロが立っていると感じました。
ガンプレイについては『ヘイル、シーザー!』で銃の扱い方を学んでいたんだ。銃をくるくる回すパフォーマンスといったものもそこでマスターしたんだよ。『ヘイル、シーザー!』の後にも、『The Yellow Birds(原題)』という戦争映画に出演したんだけど、そこでも銃の使い方をトレーニングしていたので、今回の撮影でも今までの経験が役に立ったね。でも、SWとしての武器のトレーニングもしたんだ。SWに登場する色々な武器は現実の武器とは違って、ちょっと大きめのデザインだから、それに合わせたトレーニングというものが必要だったんだ。
インタビュー時のテーブルの上には、ミレニアム・ファルコンのプラモデルやハン・ソロのフィギュアが置いてあり、インタビュー中もオールデンはリラックスした様子で何気なくフィギュアを触っていました。
――今もフィギュアを手に取っていますが、子どもの頃はSWのフィギュアなどで遊んでいましたか?
幼い時にSWのアクションフィギュアをたくさん持っていて、それで遊んでたね。ハン・ソロのフィギュアももちろん持っていたよ。だから、今こうしてフィギュアを手にしている自分の様子を見てもらっても、いまだにこれを楽しく遊べるということが分かってもらえるんじゃないかな(笑)
――ミレニアム・ファルコンのセットに初めて足を踏み入れた時はどんな気持ちでしたか?
ミレニアム・ファルコンに初めて足を踏み入れたのはオーディションの時だったんだ。本当にすごい状況だったんだけど、まだ役を手にしていなくてね。この役に受かるためにその場に行ったわけなんだけど、その船の中に自分がいるということを想像していた時は、緊張すると思っていたんだ。でも、実際には全然緊張しなかったよ。なぜかと考えてみたら、自分は幼い頃からあまりにも長い間、この船の中にいる自分を想像して遊んできたからだったんだ(笑) 慣れ親しんだものであるという親近感から、自分がミレニアム・ファルコンで遊んでいた楽しい思い出がよみがえったね。そこから、自分は架空のなりきりという形で演じられたので、あの象徴的なあの場所にすごく親しみを持った形で臨むことができたんだ。撮影のなかで、ミレニアム・ファルコンを飛ばしている時がとにかく自分にとっては楽しかったな。
――相棒となるチューバッカとの出会いのシーンは本当に面白いシーンでしたね。
あれは非常に密度の濃いシーンだったよ(笑) 撮影の最初の3週間はあの泥の中でのシーンから始めたんだ。とても迫力のあるシーンだったけど、肉体的にもすごく大変なシーンだったね。チューバッカを演じるヨーナス・スオタモと一緒に準備をしながら、まずそこから撮影を始めたんだよ。そこから始まって一緒に過ごす時間も多かったので、お互いの絆を築き上げることができたんだ。だから、撮影の合間も一緒にビデオゲームをしたりとか、2人でちょっとした休憩を楽しんでいたよ(笑) ハン・ソロにとってチューバッカとの関係というのは最も長い重要なものだから、そういった形でヨーナスと関係を構築しながら撮影を始めることができて良かったね。
――チューバッカだけでなく、ランド・カルリジアンも本作に登場しますね。ランドを演じたドナルド・グローヴァーとの共演はどうでしたか?
彼は才能にあふれた人物だよ。すごく色々な提案をしていたし、愉快な人でもあるんだ。初めて会ったのはオーディションの時だったんだ。そこでもう馬が合ったよ。僕もドナルドも同じニューヨーク大学の出身だから、共通の友人もいたしね。一緒に時間を過ごしていて本当に楽しかったな。ミレニアム・ファルコンのコックピットではドナルドだけじゃなくて、ヨーナスと、それにトバイアス・ベケット役のウディ・ハレルソン、L3-37役のフィービー・ウォーラー=ブリッジとも一緒でとても楽しく過ごしたよ。
――ドナルドはアーティスト"チャイルディッシュ・ガンビーノ"として音楽的にも評価されていて、「This is America」という曲も話題を読んでいますが、彼とは音楽面で何か話しましたか?
僕らの音楽的な好みはかなり異なるからね。僕の好みはグラスゴー・ミュージック、カントリー・ミュージックみたいなとてもオールドなスタイルなものなんだ。実は「This is America」がリリースされる何カ月も前に、本作のキャストに向けてドナルドがその曲を演奏してくれたんだ。ドナルドの音楽的な好みは僕よりもクールで現代的だよね(笑)
――ロン・ハワード監督らとの撮影はどうでしたか?
ロン・ハワード監督やキャストのみんなと一緒に仕事ができたのは本当に良い経験だったよ。雪山シーンの撮影は北イタリアのドロミーティというところで撮影したんだけど、ウディとヨーナスと自分とで、太陽が出るまで撮影待ちだったんだ。それで、ウディが待ち時間に耐えきれなくなって急に雪をぶつけてきて、それから3人で雪合戦になったんだ(笑) そのやり取りも撮影されていたんだけど、残念ながら本編では使われていないんだよね(笑) 自分とチューバッカがレスリングしたりとか、すごく楽しかったよ(笑)
――最後に、本作をSWファンにアピールするとしたらどんなところでしょうか?
『スター・ウォーズ エピソードIV/新たなる希望』では、ハン・ソロとルークたちが出会う「カンティーナ」という酒場がでてきましたよね。本作の置かれている設定や環境というのは、まさにあの世界なんです。アングラなギャングたちが密輸をしていたり、悪人たちがいたりというあの設定を今回は描いているんですよ。そこから活劇的なことが色々と起こって、旅をして、素晴らしい冒険を遂げるというものがあるんです。今までSW作品はより大義的なところや、政治的な意味合い、哲学的な意味合いがあったり、スピリチュアル面で物語が展開していました。でも、今作は一人の人間の成長物語になっているんです。それがまた素晴らしい冒険という形で物語が展開するんですよ。今までのSW作品は善対悪というようなところがありましたけど、今作に関しては誰が、そして何が善なのか、また誰が、何が悪なのかというものがあって、誰を信頼するべきなのかというところを描いているんです。そういうところが今までと大きく異なる魅力だと思います。それに、作風的に色々なジョークや愉快なシーンもあるというところが今までのSW作品と比べても違う魅力ですね。
『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』は、6月29日(金)全国公開。銀河最速の男が日本を駆け抜ける!
(取材・文/豹坂@櫻井宏充)
Photo:『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(C)2018 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.