2019年4月にシリーズファイナルとなる第八章の放送を控える大ヒットファンタジー大河『ゲーム・オブ・スローンズ』(以下『GOT』)。本作の原作者であり、SFやファンタジーの分野で権威のあるヒューゴー賞や、文学賞のネビュラ賞を何度も受賞している、今年70歳を迎えた作家のジョージ・R・R・マーティンが、1996年から執筆している同作の原作を完結させることを明言した。
「ジョージ、本を完結して」というフレーズは、すでにファンの合言葉のようになってきている。なぜならマーティンは『GOT』原作の小説シリーズ「氷と炎の歌」の6弾目であり、同ドラマの第6章の元になっている「冬の狂風」が未完となっているからだ。そのため、第6章は製作陣とマーティンでストーリーラインを話し合いながら製作を進めたという経緯がある。よって『GOT』最終章の原作となる7弾目の「A Dream of Spring(原題)」は、手付かずの状態だ。
原作のファンは、2018年11月に刊行されたターガリエン家の歴史を語る「Fire and Blood(原題)」を楽しみながら待ってもらうしかない状況だ。そんなファンに向けてマーティンは、以下のようにコメントした。
「"冬の狂風"を皆さんが待ってくださっていることは重々承知しています。ですから、ちゃんと完結させます。辛抱強く待っていてくれて本当に感謝しています。私はというと、孤独の壁の中に閉じこもり、ウェスタロスの世界に戻ります。明日、来週に出版できるという話ではありませんが、絶対に‟氷と炎の歌"をお届けします。『GOT』のフィナーレも近づいていますし、まだ公式ではありませんが、『The Long Night(原題)』というタイトルのスピンオフ新作はキャストが決まってきております。さらに他にも新作ドラマの計画があります。‟冬の狂風"以外にも、楽しみにしていただけるものがまだまだあるのです」
実は以前行われたインタビューでマーティンは、執筆が遅い自分についてこんな発言をしている。
「‟冬の狂風"が終わっておらず、ご立腹のファンがいることは知っています。私も自分に憤慨しています。4年前に終わらせることができていたら、今終わっていれば...と。キーボードの前に座り、"神よ、私がこれを完結させる日が来るのでしょうか。ドラマ版はどんどん先へ進み、私はどんどん引き離されていくばかりです。どうしてこんなことになってしまったのでしょう。なんとか執筆しなければ..."なんて思う暗い時期も経験しました。今年、ダグ・ウィートリーの素晴らしいイラストが描かれた傑作‟Fire and Blood"をついに出版することができました。久しぶりにウェスタロスの物語を書いた作品です。私の熱狂的なファンのお怒りも理解していますが、ずっと何かしら出版はしているのですよ。7年間休暇を取っていたわけではありません。"ワイルドカード(原題:Wild Cards)"も半年おきに出版しています。ただ、"ワイルドカード"と違って"氷と炎の歌"シリーズは全て私一人で執筆しているのです。ですから、誇りに思える最新作"Fire and Blood"を刊行できたことで、ようやく"氷と炎の歌"を完結させる気力が湧いてきたのです」
マーティンが執筆・編集に携わる「ワイルドカード」シリーズは、シェアード・ワールド(ユニバース)という複数の著者が同一世界設定で描き、元々1986年に始まり、現在まで49人もの著者が作品に携わっている。今年は「Wild Cards XXV:Low Chicago」と「Wild Cards XXVI: Texas Hold"em」の2冊が出版され、2019年には「Wild Cards XXVII:Knaves Over Queens」という最新作が発表される予定だ。その「ワイルドカード」シリーズは、米Huluにより2作品のドラマ化製作が決定している。
『GOT』ファンも、原作のファンも、どのようにストーリーが完結するか知りたいところだろうが、マーティンの公言どおりであれば、原作の最後を見届けられる日も近いかもしれない。(海外ドラマNAVI)
hoto:『ゲーム・オブ・スローンズ 第六章:冬の狂風』
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