ハリウッド内の情勢を大きく変えたと言われるほどの成功を収めているマーベル映画。その影響力とともに、『マイティ・ソー』のクリス・ヘムズワースやトム・ヒドルストン、『キャプテン・アメリカ』のクリス・エヴァンス、『スパイダーマン:ホームカミング』のトム・ホランドらはその名を世間に広めた。しかし、マーベルの恩恵を受けたのは主要キャストだけではない。
マーベルはジェームズ・ガン(『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズ)、ライアン・クーグラー(『ブラックパンサー』)、タイカ・ワイティティ(『マイティ・ソー バトルロイヤル』)、アンソニー&ジョー・ルッソ(『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』など)ら、インディーズ映画で活躍していた監督たちを次々と起用し、彼らの創造性を借りてインディーズの世界と共生する関係を築いてきた。そして、マーベルの脇役俳優たちは今まさにインディーズ映画でそれぞれの夢を実現しているのだ。米Hollywood Reporterは、夢を叶えているマーベルの俳優たちを紹介している。<前編>ではまず、昨年12月7日より全米公開となった映画で主演だけでなく監督&脚本も担っているスコットランド出身の女優を紹介しよう。
カレン・ギラン:『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズ
現在31歳のカレンは、『ガーディアンズ〜』に、ガモーラと共に暗殺者として育てられた妹ネビュラ役で出演。姉に対して、嫉妬心や激しい敵意、愛憎入り混じった複雑な感情を抱き、育てられる過程で身体の大半を機械にされたという悲惨な過去を持つ役どころを演じた。その後、ベストセラーノンフィクションを映画化した『マネー・ショート 華麗なる大逆転』や、日本では今年公開された『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』など着実に出演作を増やし、映画『The Party"s Just Beginning(原題)』で主演を務めたほか、長編映画の監督&脚本デビューも果たした。
カレンは、ネビュラの特殊メイクのために長時間ただ椅子に座っていた頃を引き合いに出し、「ルビー・ラウンドハウス(『ジュマンジ〜』の役)になるためにメイクの椅子に座りながら、耳元にあてた電話で監督としての決定を下し、契約を交わしていたの。大変なマルチタスクだったけど、とても刺激的だったわ。二重生活をうまくこなしたのよ」とメイク室の椅子の上での過ごし方が大きく変化したことを告白している。
また、『ガーディアンズ〜』のガンや、『ジュマンジ〜』のジェイク・カスダンから、監督として現場で役者やクルー、役員らにどのように話しているか、みんなが同じ方向を向いて作品作りするための姿勢を学んだという。
「ジェームズはとてもフランクに俳優とコミュニケーションをとるの。彼は作品作りを理解していて、いつ助けが必要なのか、役者が持つアイディアを試した方がいいか、本能的に知っていたわ。時に彼は、たった一文で私の演技を変えるの。ジェイクは自然力のある人。いつも状況をよく理解していて、仕事をわかりやすくしているの。今の私なら、それが簡単なことではないことがわかるわ」(海外ドラマNAVI)
Photo:
カレン・ギラン (C) NYNR/FAMOUS
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』 (c) 2014 MARVEL