「愛の物語であると同時に、男女の成長の物語」『不滅の恋人』ユン・シユン&チン・セヨン直撃インタビュー

NHK BSプレミアムにて3月3日(日)21:00よりスタートする時代劇『不滅の恋人』。15世紀に実在した首陽(スヤン)大君と弟の安平(アンピョン)大君の対立をモチーフに、彼らが一人の女性をめぐるラブストーリーを軸にしている。本作で恋人同士を演じるユン・シユン(イ・フィ/ウンソン大君役)チン・セヨン(ソン・チャヒョン役)を直撃! 作品の見どころや役作りについて語ってもらった。

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――本作は史実を元にしていますが、それについてどう思われましたか?

ユン・シユン:韓国では首陽大君というのはとても扱われることの多い人気のある題材で、映画にもドラマにもなっています。その長所は、いろんな人が彼のことを知っていてアプローチしやすいこと。短所としては、この題材で演じてこられた先輩たちと比較されるというのがあります。私の場合、幸いにも首陽大君ではなくその弟役なので、少しプレッシャーは軽減されたかと思います。今回のドラマは大きな困難を愛で克服するということで、共感できるテーマだと思いました。

チン・セヨン:時代劇を撮る時に悩ましいのが、時代考証、人物考証をどうするかということなんです。もし私が間違ってしまうと、歴史的に誤った情報を見せることになってしまうのでプレッシャーを感じます。ただ私の場合、幸いなことに以前演じたオクニョも今回のチャヒョンも架空の人物なので、そうした問題は軽減されています。

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――本作の軸になっているストーリーはイ・フィと兄のイ・ガンによりソン・チャヒョンの奪い合いですが、シユンさんは一人の女性を奪い合うことについて、セヨンさんは二人の男性から思われることについて、どう感じられましたか?

ユン・シユン:兄弟でなくても、男という者はみんな競い合っていると思います。私は非常にそこに共感しました。愛を勝ち取るために競い合うということに共感できない男性はいないと思います。

チン・セヨン:二人の男性から、それも素敵な方々から愛されるというのは非常にありがたく幸せなことですけれども、チャヒョン自身は最初から最後まで一人だけを思い続けるんですね。それは良かったと思います。

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――フィとチャヒョンはそれぞれのどんなところに惹かれたのでしょう?

ユン・シユン:基本的に二人を結びつけたのは絵なんです。どちらも絵を描くのが好きで、あの時代に男女が同じ趣味を持って心を通い合わせるというのは容易なことではなかったでしょう。今の時代にたとえるなら、人種や国境を超えているくらいだったと思います。

チン・セヨン:私は台本を読んだ時から、二人が一目で恋に落ちたことが理解できました。二人は出会った最初の頃はいたずらっぽい行動もするんですが、そういうものもすべて愛情から来ていることで、チャヒョンはきっと一目でフィと恋に落ちて、それは運命的なものだったのだと思います。

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――ご自身が演じるキャラクターのどんなところに魅力を感じましたか? また、それを演技でどのように昇華させたのですか?

チン・セヨン:チャヒョンのフィに向ける愛はとても大きいものなんです。私だったらこれほど愛せるだろうかと思うほどで、彼女がフィを助けに行く場面もとても魅力的です。いつこんな機会がまた巡ってくるだろうかという思いでしたので、チャヒョンを演じる際には、彼女になりきって、自分が持てるすべてを尽くすようにしました。

ユン・シユン:イ・フィというキャラクターは火花のような人なんです。つまり、愛する人のために火花を散らして守り抜いたり戦ったりするんですね。ということで、感情の幅を最大限にしようと思って演じました。演じる上で楽しむことを心がけましたね。

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――お互いの印象について教えてください。実はあるこんなに可愛い部分、直した方がいい部分、尊敬している部分とは?

ユン・シユン:セヨンさんは全然飲めない方なんですが、劇中で酔っ払って言う場面があるんです。そこは可愛くて、見どころだと思いますね。直した方がいいところは、大変な時も辛い時も全く表に出さないので、それが行き過ぎて体調に影響してしまうことがあることです。先輩として現場でアドバイスもしたんですが、本人は絶対に周りに迷惑をかけたくないという気持ちが大きいようです。そして尊敬している部分は、数カ月に及ぶ撮影の中で台詞を間違えるのを見たことがないことですね。褒めたら変にプレッシャーがかかって間違えるかな?と思って褒め続けても決して間違えませんでした(笑) 凄いです。

チン・セヨン:シユンさんこそ現場には絶対遅れず、いつも早く来ていらっしゃいました。主役である彼は撮影の量も台詞の数も感情を爆発させるシーンも一番多いのに、いつも一番乗りで、泣き言一つ言わず、誰よりも熱心にこの作品に情熱を傾けている姿を見て、私も学ばなくてはと思いました。そしてこれはシユンさんの長所でもあり短所でもあると思うのですが、あまりにも面倒見が良過ぎて、ご自身を後回しにしてしまうところですね。でも、そんなシユンさんのおかげで私ももっと頑張らなければと励まされ、楽しく撮影に臨むことができました。そして可愛い部分は、台本読みの時のことですね。その時にシユンさんが真っ白な服を着ていらして、こういう顔(と、横のシユンさんの笑顔を指して)をされていたので、とても可愛かったです。余談ですが、本作でのシユンさんは紫色の服を着ていることが多いのですが、その姿を見ていると私はつい(韓国で有名な)ブドウ味のクマのキャラクターを連想して、感情移入しなければいけないシーンなのにどうしてもからかいたくなってしまいました(笑)

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――共演シーンでお好きなのは?

ユン・シユン:告白する場面ですね。初めて彼女への愛を告げる場面では、私もいち視聴者の気分で(両手を握る仕草をして)内心ドキドキしながら演じていました。

チン・セヨン:二人が結婚したら暮らす家を見に行く場面が印象に残っています。長く別れ別れになっていた彼らが再会できてとても高揚した気持ちだったということもありますし、当日の天気がとても良かったこともあって、すべてが良くて印象的でした。

ユン・シユン:これもセヨンさんの長所と言うんでしょうか。その撮影場所は車で5時間半かかる場所にあったので、実は大変な現場でした(笑) いつも前向きな人なんです。

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――イ・フィとソン・チャヒョンはイ・ガンの野望に振り回されるわけですが、それについてどう思われますか?

ユン・シユン:イ・フィに関して言うと、彼はイ・ガンが野望を抱いているというよりもそれは朝廷の野望であり、また世の中の欲望だと見ていたので、イ・ガンには憎むよりも哀れみの心を持っていました。もちろん受け入れることはできませんが、その野望から彼を解き放ってあげたいという気持ちで、憤ったりはしていませんでしたね。

チン・セヨン:ソン・チャヒョンは、最初はイ・ガンの野望や愛が理解できないんです。もちろんイ・ガンには理由があってのことなんですが、それが少しずつ理解できるようになるというか、こういうことをしていてはいけないと彼に忠告する場面もあります。ですから、彼の野望に対する反応が変化していくんです。

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――お二人の若々しい姿から徐々に成熟していく変化が見事でしたが、そうした変化をどう意識して演じていたのですか?

チン・セヨン:私自身も台本を読んだ時に一番面白そうだと思ったのが、若々しい甘酸っぱい愛が大人の愛へと成長していく過程でした。ソン・チャヒョンは、自分がイ・フィのことを好きなのかどうか、最初わからないんですね。彼のことは気になるけど、これが好きという感情なのかわからなくて相手にキツイことを言ってしまったりするんですが、それがまた可愛らしくて、本当に純粋な愛を持っている人だなと思いました。そして序盤の純粋な愛から始まって、私自身が徐々にチャヒョンにのめり込んで彼女のことを理解できるようになったので、とても面白く演技ができました。

ユン・シユン:それぞれの人生において危機が訪れ、それを克服していくんですが、その時にいつもお互いが側にいてくれるんですね。二人の少年少女の愛情が大人の愛情へと成長していく、そして彼らの愛が周りの人をも包み込んでいくんです。つまり、この作品は愛の物語であり、それと同時に二人の成長の物語でもあるんです。

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『不滅の恋人』はNHK BSプレミアムにて3月3日(日)21:00よりスタート。またそれに先駆けて、ユン・シユンとチン・セヨンも登場する「『不滅の恋人』放送直前スペシャル」が2月24日(日)21:00から放送される。
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ユン・シユン&チン・セヨン
『不滅の恋人』
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