今年25周年の『ER』、クリエイターが今だから語るダグラス・ロスの息子の行方とリブートについて

今年で放送開始から25周年を迎える医療ドラマの金字塔『ER 緊急救命室』。本作でブレイクしたジョージ・クルーニーが演じる小児科医ダグラス・ロスに、息子がいたことは覚えているだろうか。一度も登場したことがないその息子について、またなぜこの大ヒット作がリブート版の製作とならないのかを、同作のプロデューサーが語った。米TV Lineが報じている。

米国第3の大都市シカゴにあるカウンティー総合病院のER(緊急救命室)を舞台にドクターやナースの奮闘を描いた本作。シーズン1でロスは息子がいることを明かし、看護士のウェンディ(ウェンディ・ゴールドマン)にはその子の名前も知らず、会ったこともないと語っていた。キャロル(ジュリアナ・マルグリーズ)と恋仲になる前に、すでに子どもがいたわけだ。

シーズン1から15まで製作総指揮を務めたジョン・ウェルズは、この謎を以下にように語った。「子どもと音信不通になっている人々も、現実社会にはいるものです。ジョージと私は、そのことを当時話し合いました。我々二人とも、身近にそのような人がいたのです。どのような理由にせよ、子どもと連絡を取っていない男性を知っていました。なので、ロスとその息子の設定も同じようにしたのです。ロスが子どもに囲まれ、また子どもを愛していたいと思い小児科医を志した理由は、若かりし時に自分の息子が生まれたにもかかわらず、その子の人生に父親として一切関わっていないという罪の意識からきているのです。その思いが、ロスを一番表現している点でした。ですがそれを壊してファミリー映画のようにしたくなかったのです」

またウェルズは、本作のリブートについても述べた。「リブート版には興味はないですね。素晴らしいことをやり遂げたので。語り尽くしたと思っています。当時経験したことを、どのような形であっても消したり壊したりしたくないのです。私自身、あまり懐古的なことは好きではない人間なのです。今でも、本作は色々な配信サービスやTV局で見ることができます。髪型とかは少し変に見えるかもしれないですが、話題、感情、人生経験、それら全部は今の世界でも通ずるものなのですよ」と、否定的な考えでいることを打ち明けている。

息子の設定まで細かいバックストーリーがあったことで、ロスというキャラクターに深みを持たせていたことを語ったウェルズ。改めて彼の言うとおり、今でも『ER 緊急救命室』は人々に愛されている普遍的作品だと言えるだろう。(海外ドラマNAVI)

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Photo:ジョージ・クルーニー『ER 緊急救命室』 (c)FAMOUS