鬼才デヴィッド・フィンチャーが手がけるNetflixのオリジナルシリーズ『マインドハンター』。8月16日(金)からシーズン2の配信が始まり高い評価を受けている本作だが、さらなる新シーズンを見ることができるのはしばらく先のことになるかもしれない。英Digital Spyが伝えた。
その理由は、本作で監督・製作総指揮を務めているフィンチャーが、2014年の『ゴーン・ガール』以来となる映画をNetflixで手がけているため。『Mank(原題)』というタイトルのこの作品は、1941年公開の『市民ケーン』で脚本を書いたハーマン・J・マンキウィッツの人生を描く伝記映画で、ゲイリー・オールドマン(『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』)が主演を務める。この映画はフィンチャーにとってゲイリーと初のコラボレーションとなるだけでなく、脚本は亡き父ジャックが生前に執筆していた特別なものであり、自身の念願だったモノクロ映画として製作するという。
フィンチャーがそれだけの情熱を注いで新作映画を製作していても、『マインドハンター』がシーズン2で終わるとは考えにくい。現段階ではシーズン3の製作は決まっていないが、NetflixがGoサインを出すことは間違いないだろう。しかし、2006年公開の、全米を震撼させた実在の未解決事件を描くクライム・サスペンス『ゾディアック』でもメガホンを取ったフィンチャーは、スタンリー・キューブリック以来のハリウッドで最も完璧主義な監督と言われている。シーン毎に様々なカメラを用いて20回以上は撮影をするというこだわりで、TVドラマの1話を撮影するのにもかなりの時間が費やされるのだ。
『マインドハンター』でフィンチャーがメガホンを取るのは各シーズン3話から4話ほどだが、製作総指揮としての責任も果たさなくてはいけない。本作に出演しているホルト・マッキャラニー(『ゴールデン・ボーイ 若きNY市警本部長』)は米Thrill Listのインタビューに対し、フィンチャーは脚本が100パーセントの状態になるまで、シーズン2の製作を始めることはなかったと明かしている。
また、主人公ホールデン・フォード役のジョナサン・グロフはシーズン1の撮影時について「デヴィッドは、全ての単語、シーンのつなぎ目についてとても具体的だった。彼は自分が描きたいものがとてもはっきりしているんだ」と米Indie Wireに話した。
作品がNetflixから新シーズン製作の承認を得て、脚本の執筆を始めてからリリースされるまでには通常約2年かかる。フィンチャーの場合は、今秋から『Mank』の撮影が始まり、プレスツアーまでを考慮すれば少なくとも18ヶ月間はこの作品にも関わることになる。
これらのことを踏まえれば、『マインドハンター』の新エピソードが配信されるまでには、3年以上待たされる可能性がありそうだ。
時間はかかってしまうかもしれないが、フィンチャーは『マインドハンター』の製作から退くつもりはないとのことなので、ファンは辛抱強く待つ必要がありそうだ。(海外ドラマNAVI)
Photo:Netflixオリジナルシリーズ『マインドハンター』