大人気青春ミュージカルドラマ『Glee/グリー』のブレイン役で注目された俳優ダレン・クリス。ブレイクした後に出演した『アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺』ではエミー賞とゴールデン・グローブ賞受賞も果たした彼が、自分の人種的ルーツについて改めて語っている。米Peopleが報じた。
実は4月26日(日)、父チャールズ・ウィリアム・クリス・ジュニアさんが78歳で亡くなった。自身のInstagramで若かりし頃の父チャールズさんの写真を掲載したダレンは、「ビル(チャールズの愛称)・クリスが去りました。気がついていた人はほとんどいないと思いますが、珍しい心臓の病気による長い闘病生活の後、昨日朝に愛する人たちに囲まれながら安らかに息を引き取りました」と述べた。
さらに、愛する父親への思いも語った。「父は、会った瞬間に誰もが大好きになるような人でした。誰とでもどんな話題でもできる人でした。たくさん本を読み、たくさん旅行し、どこに行ってもその場所をより良いものにするような人でした。とてもチャーミングで、他者のことを先に思いやって、対話をしている相手が常に一番大事にされていると感じさせるような自己犠牲の精神が強い人でした。率直に言うと、彼は素晴らしい見本のような人でした。最高の夫で素晴らしい父親、そして孫にとっては最高のおじいちゃんでした。僕は昔から父のようになろうとしてきました。彼のように素晴らしいことを成し遂げようとしました。そして、僕がある程度成し遂げたことを父に見せることができたので、とても嬉しく思っています」
5月1日(金)から配信された『Glee』や『アメリカン・ホラー・ストーリー』などのクリエイターで知られるライアン・マーフィーのNetflix新作ドラマ『ハリウッド』に出演するダレンだが、そこには自分の人種についての想いがあったという。
ダレンが演じる役の最初の方のセリフに「自分は半分フィリピン人だ」というセリフがある。そしてそれは演じるダレンにも当てはまる。「半分フィリピン人だよ。でも、誰もそんなことを聞いてきたことはないんだ」
そう話すダレンは、金融業界に勤める父と専業主婦の母セリーナの間に生まれ、米サンフランシスコで育った。そしてダレンの母は、フィリピンのセブ島出身。「(白人の扱いを受ける有色人種を示す)ホワイト・パッシングという考えは、この2年くらいまで聞いたことがなかったよ。知らない人が自分のルーツについて意見するから、バランスを考えないといけないと改めて思った。人生でずっと思ってきたことをね」と昨今を取り巻くハリウッドの事情と自分の半分アジア人半分白人というバイレイシャルについての見解を述べた。
「アメリカでは難しいカクテルだよね。バイレイシャルな人であれば誰でも証明できると思うよ。(カクテルのように)どれくらいの混ざり具合なのか関係なく、常に努力しないといけないんだ。自分という人間の歴史、フィリピン人であることをずっと誇りに思ってきた。誰も気がつかないからといって、自分にとって大したことじゃないというわけではないんだ」
ゴールデン・グローブ賞の時には、フィリピン人である母に感謝を捧げたダレン。「かつてないほどに自分の人種的ルーツを身近に感じているよ」と話している。
そんなダレンが出演だけでなく製作総指揮も務める『ハリウッド』は、1940年代のハリウッドを舞台にハリウッド黄金期のきらびやかなカーテンに隠された特異な世界を垣間見せながら、今日まで続く不平等なシステム、人種やジェンダー、セクシュアリティにまつわる偏見に着目し、さらに長年根を張ってきた権力構造とこれが崩壊していれば実現したであろうエンターテイメント業界の姿を描く。『ビッグバン★セオリー ~ギークなボクらの恋愛法則』のジム・パーソンズや、『STALKER:ストーカー犯罪特捜班』のディラン・マクダーモット、『クリミナル・マインド』のパジェット・ブリュースターらも共演。
さらにダレンは新配信サービスQuibiのミュージカル・ドラメディ『Royalties(原題)』にソングライター役で主演することも決定している。引っ張りだこのダレンが自分のルーツと同じ設定で出演する『ハリウッド』は、Netflixにて配信中。(海外ドラマNAVI)
Photo:Netflixオリジナルドラマ『ハリウッド』